暗殺工作員の恋心 11   @AB CDE FGH IKL M




あの感動の紐プレイから一ヶ月。 つまり、うみの中忍が潜入任務に就いて一ヶ月経った。
うみの中忍を優しく縛ったあの紐は、この一ヶ月間、ボクとカカシ先輩のオカズとして重宝してる。
あの紐を見る度、呼び起こされる記憶。 あの日のうみの中忍の悩ましい表情や仕草、熱い吐息や声が。
何が悲しくて紐で自慰をしなくちゃならないのか、全くもって不本意だけど、恐ろしい事に気持ちが良い。



・・・やっぱり男は俗物の塊だね。 女性の様に心に留めておく、なんてのは絶対に不可能だ。
またどこかの抜け忍がうみの中忍に狩られるんだね。 言葉のいらない世界、あの心と体に堕ちる。
死体回収の連絡が里に入る頃、うみの中忍は現場を後にしてるだろう。 伝令部の誰かを呼んで。

ひょっとしたらその連絡係の下忍らも、昔のうみの中忍達と同じ様に衝撃を受けるかもしれないね。
こんな賞金首を、どうしたら唯の中忍が殺せるんですか? って・・・・ 質問されるかもしれない。
ブレない心の強さを持った忍びは、必ず他者に影響を与えるから。 その背中を見て学ぶ者も多い。
うん、きっとうみの中忍の後を引き継ぐ忍びも、絶対に育ってるよ。 ボク達も部下がいるから分かる。

・・・・・もしお互い良い部下をたくさん育てたら。 隠居して、三人で面白おかしく生きるのはどう?
ボク達はそれぞれが、違う形だけど里へ多大に貢献してるでしょう? きっと申請が通ると思うよ。
大きな戦いが起こらない限り、その道は保障されるよ、絶対。 だからそれまで頑張って生き残ろうね。





毎日お世話になってる紐がヨレヨレになっちゃった。 いっそ新しいのを買うか、と言う事になった。
新しく買ったそれで、うみの中忍を縛るんだ。 前のは思い出としてこっそりキープしておこう。
なんとか記念日とかって、世の恋人達が気にするモノなんでしょう? 捨てるなんて絶対に出来ないよ。
正確には曜日じゃないけどね。 記念品という部類になるのかもしれないけど、でも取っておくんだ。

「へー “伸縮自在 これなら彼女も大満足”・・・・・・だってサ。」
「こっちは“ニュルニュル感がたまらないスライムタイプ”??」
「・・・・・・一口に縛りと言っても、奥が深いのネ?」
「なんか。 ヘンなプレイに目覚めそうです、ボク。」
「「・・・・・・・・・・・・・・・。」」


そう、ここはいわゆる“大人の玩具屋さん”だ。 うみの中忍に似合いそうな紐を探しにやって来た。
普通の麻紐なんてので縛ったら出血しちゃう。 一回縛っただけで痕がつくし、そんなの面白くない。
まだ痕がつかないね、もう一回縛ろう、まだまだつかないね、もう一回・・・・ で、エンドレス。
それなら長時間三人で楽しめるでしょう? それにやっぱり、手や肌に馴染むモノでなくちゃ!

本人がいつもここで選んでる、って言ってた店なんだよ、実はここ。 どんな顔して買ってるんだろ?
まあ、普通で考えたら、忍びが忍服で買いに来た時点で、任務で使うんだろうな、と思うよね。
売り子さんも、まさか本人が使用する為だとは思わないはずだ。 必要経費で購入する訳だしね。


う〜ん、せっかく来たけど・・・・ 今自分で言ってて思いついちゃった。 木遁忍術のエロ使用。
カカシ先輩も無言になったところをみると、同じ意見ですね? 木遁なら加減できるし鍛錬にもなる。
・・・・少々疲れますが、そこはほら。 愛の力とかいうヤツの出番ですよ。 種から芽生えた恋の花の。

「・・・・・・ねぇ、テンゾウ。 木遁って、細っこく出来る??」
「・・・・・・やろうと思えば。 かなりチャクラコントロールがいりますが。」
「チョットでイイヨ、オレの瞳術使うから。 意思を持たせて自由に動かしてみる。」
「!!! カカシ先輩、ナイスです!! それなら疲労度はイーブンですよね?!」

「お互い最初だけチャクラ使うだけ! 負担は最小限!!」
「いいですね、賛成ですっ! ツル系が良いですよね?!」
「イイねぇ〜 ソイツにオレが、使命感を持たせる幻術かけるからサ。」
「うんうん! “おれはこの人を縛る為に成長するんだ〜”とかですね?」

意思を持ったニョロ系の蔓だって?! やば、興奮してきた。 だって三人でうみの中忍を犯してるみたい。
帰って来たら提案してみる、絶対嫌とは言わないよ。 うみの中忍、とことん男は俗物だね? ふふ!

暗部装束で店の中に入ったからか、妙に目立っていたボク達。 注目されてるな、とは思ってたけど。
散々迷った揚句、やっぱりいいやと言わんばかりに帰ろうとしたら、売り子さんが慌てて駆け寄ってきた。

どうやら売り子さんは、暗部装束のまま店に入ったボク達を見て、里から監査に来たと思ったらしい。
本当の監査なら上忍の単独任務だよ。 火の国の薄暗い店を回って怪しい取引をしていないか確かめる。
監査とは名ばかりで、木の葉の情報を流してるヤツを速やかに狩りに来るんだよね。 でも違うから。

「あの! 人体に影響のある様な危険な物は置いてません! ちゃんと里に報告してますから!!」
「・・・・・・・・・・・や、抜き打ち監査じゃないカラ。」
「プライベートで恋人に使うのを買いに来ただけです。」
「恋・・・・・人・・・・。 あ、あの・・・・ でしたらこんな企画やってますけど・・・・?」

うんうん、ちゃんと怪しい人物は里に報告してるんだね? 自己申告だ、信じよう。 ・・・・って。
監査じゃないと言ってるそばからつい、褒めてしまった。 まあいいか。 ・・・企画?? なにそれ??
店に寄ったのは恋人に使う為だと言ったら、売り子さんは別料金のサービス企画を教えてくれた。


【 愛用の紐を思い出にしませんか? 〜 これでいつでも一緒 〜 】 ・・・・・・なんてタイムリーな。
使い古したけどどうしても愛着があって捨てられないあなたの紐、組み直してアレンジします。 だって!
色々リメイクしてくれるらしい。 ミサンガ・チョーカー・ストラップ・髪紐 etc。 ちょっと待って、髪紐?!

「「髪紐っっ!!! いい!! ソレ、イイ!!」」

「店員さんっ! 髪紐作って? 凄く大切にしてる紐があるのっ!! 奮発するから!」
「後で持ってきますから、ぜひ! この企画・・・・ なんて素晴らしい店なんだっ!」
「ありがとうございます! あの、お客様にそんなに喜んで頂けて何よりです、はい。」


毎日のオカズとして役立った紐が・・・・ うみの中忍に恋の種を植えた初縛り記念の紐が・・・・
髪紐に生まれ変わるなんて! 暗殺工作員としてペットを演じる為か、彼は長めの髪をしてるんだよ。
〜これでいつも一緒〜 なに、このキャッチハートなフレーズ!! うみの中忍、この店は最高だね?