暗殺工作員の恋心 4
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冗談でショ? 偶然なんてあるワケがない。 チャクラ感じないんだケド。 アンタ、一体どこの里の者?
ここは慰霊碑、ここなら仲間の忍びの前でウソつけない、って心理をついてるつもりなんだろうけどネ。
さっきの小娘達も、実はグルなんでショ。 人のよさそうな顔してサ、怪しさ200%もイイトコ。
潜入員? ヘー なら知らなくても不思議じゃない。 でもネ、里に侵入する間者は皆、そう言うんだヨ。
テンゾウも疑ってる。 “興味津々”ってお前・・・・ ウソ臭いヨ? 探るのにそのまま言うヤツがあるか!
テンゾウに連行の合図を送る。 ヨシ、んじゃ三代目の前で化けの皮を剥いでやるコトにしよーネ。
お涙ちょうだい的な話までしだしちゃって。 ・・・・取り合えず話を合わせて、火影室まで連れて行こう。
「ねぇねぇ、三代目のトコにはもう顔出した?」
「潜入員はボク達と同じで、直報告ですよね?」
「あ、これからです。 一番はここに、って決めてますから。」
「「・・・・・・・へー、仲良かったんだね?」」
・・・・・・?? どういうコト?? まさか本当に木の葉の潜入員なの? こんな若いのに単独で??
テンゾウやオレと・・・ 対して変わんないじゃないの。 なのに?? イヤ、油断は禁物・・・・
でももし暗部の内情を探るつもりなら、ここぞとばかりオレ達に媚を売ってくるはずだよネ。 んー・・・・
火影がターゲットかも。 ま、三代目なら里の忍びのチャクラは全部覚えてるから、すぐにバレるよ。
「丁度今から三代目のトコ行こうと思ってたんだよネ、テンゾウ?」
「ええ。 ・・・・・チャクラを感知しにくい忍びがいるので。 警告しに。」
「本当ですか?! それは怖いですね・・・・ あ、でも俺は関係ありません、ふふ!」
「「・・・・ふ〜ん。」」
関係ありません、って即座に否定するのは怪しいケド。 アンタのコトなのに、眉ひとつ動かさないネ。
火影室に行くって本人が言ったんだから、一歩ほど前を歩かせてみる。 間違いなく火影室へ歩き出した。
・・・・なんで? ホントにウチの忍びなの?? でも自里でチャクラを隠すワケ・・・・・ ないよネ?
暗部の部隊長二人に背中を見せているというのに・・・・ スタスタと躊躇なく火影室に向かった足取り。
“アイツらに声をかけて下さって、ありがとうございました。”そう言ってから、部屋の中へ入った。
どっち? アンタは他里の間者か、それとも・・・・・・・ 本当にウチの潜入員なのか・・・・。
「三代目!! 潜入部隊 中忍、うみのイルカ。 只今、戻りました!」
「思いの外、早かったの? イルカや、ご苦労。 よし・・・・・ チャクラ封印、解っ!!」
「「?!」」
「おお、お主達も一緒じゃったか。 はて・・・・ どこぞでイルカと出くわし・・・・」
「「 三代目がチャクラを封印してたんですか?! 」」
「・・・・・・・・・あ。 ひょとして・・・ 俺、疑われてました??」
「「・・・・・・・・・あー うん、ごめん。」」
モノホンの潜入員だったのネ? てか。 そういう小細工してるならサ、さっさと報告に行きなヨ。
あんなトコに居たら怪しまれても仕方ないでショ? 里に戻ったらまず火影に報告、コレは決まり!
しかもあんな話までしちゃって・・・・・ ン? 話?? ・・・・・というコトは、あの娘達もモノホン??
スリーマンセルの仲間があそこで眠ってて・・・・ オレ達のファンだった、とかいうのも全部??
「チャクラがないのに里内をウロウロしておったら、上忍連中は皆、警戒すると言っておるのにの?」
「わー ショック。 俺、二人の事、めちゃめちゃ印象良く思ってたのに。」
「「ほんと、ゴメン!!」」
「・・・・・・・ぷっ! 別にお二人は仕事をしただけであって、気にしませんよ、そんなの。」
「最近ではなくなったが、怪しんだ上忍連中に昔はよく捕縛されとったの、ほほほ!」
「てっきり俺のチャクラ封印が分かったのかと思ってました。 さすが暗部! って。」
「「それは、その・・・・。」」
「あははは! 俺としては、アイツらに話しかけてくれただけで嬉しかったから、チャラです。」
「「・・・・あー 了解・・・・・。」」
そんなの分かるワケないでショ?! 三代目の封印術だヨ?! まさに皆無だったんだから!
あんなのでチャクラ感知したら影級の忍びだって! 内心で疑ってたのに、全然怒ってないのネ?
もっと怒っていいヨ。 アンタの元スリーマンセル仲間に挨拶したのも、ただ話を合わせただけだし。
・・・ン? いきなり詰問せず捕縛もしなかった?? 当たり前じゃない、是か非かを先に決めたら・・・
「ほんと凄いっ! さすが暗部の部隊長達ですっ!! 先入観に捕らわれないなんて!!」
「「?! いや・・・・・ 当たり前でしょう、そんなの。 確信がないのに・・・・」」
「ほほほ! それがそうでもないんじゃよ、な? イルカ?」
「くす! ええ。 拘束されて、三代目やイビキさんに突き出されたり。 くすくす!」
「「・・・・・・・・・まじで??」」
・・・・・というコトは。 この潜入員は潜る度に三代目にチャクラを封印してもらってる、ってコト??
里を出て里に戻ってくるまで・・・・ 体術と呼べる運動能力は人より優れてるケド、忍術が使えない?
いざという時、抵抗出来ないじゃないの! 頭ン中には木の葉の里の情報が一杯詰まってるでショ?!
もし潜伏中の敵に拉致されたら即、死ぬつもりなの?! ・・・・・アンタ ・・・・・チョット、アンタ!!
「あなた何考えてんですかっ!!」
「せめて複数で行動しなヨッ!!」
「ぶはっ! あはははは!! すみません、あんまりアイツらと同じ反応するから・・・ くすくす!」
「ほほほ! もっと言うてやれ。 ワシがいくら言うてもきかんでの。」
「ご心配には及びません。 ちゃんと三代目に偽の記憶も入れてもらってますから。」
「「?! そこまでターゲットに近付くの??」」
「ええ、俺の場合は。 生活を共にすると言ってもいいでしょう。」
「「・・・・・・・・・三代目?」」
「・・・・そんなに睨むな、今更じゃ。 こ奴は上手い事、心の隙間に入り込むのじゃよ。」
オレの父さんの自害もあって。 木の葉隠れの里は仲間を見捨てない、そうやって仲間意識を向上させてきた。
それがナニ? この中忍の、みすみす命を捨てる様な単独行動を三代目が許すなんて。 信じられない。
心の隙間に入り込む、そう言ったよネ? 今迄運が良かっただけだヨ? ヤバくなったらどうするつもり?!