蒼〈あお〉の一族の呪い 12   @AB CDE FGH IJL M




「で? だまって行かせたんですか? カオルさんの部屋に?」
「だって・・・・ サキさんの気持ちもわかったから・・・・・。」
「あの種馬、結構優秀なの知ってるでショ? 里のモンなんだよ? アイツの種も。」
「だからおふたりに頼んでるんですっ! 内緒にしててもらえませんか?!」

わかってる。 木の葉の里の暗部の部隊長、そんな優秀な種を外に出すなんて、里への裏切り行為だ。
でも一族のほとんどを失った、次の長ともいうべき彼女が望むなら、何かしてあげたかった。
あの鉱物は争いを生む。 それを回避できるのも火種を起すのも。 一族の、彼女の心ひとつで決まる。
あんな、もろ刃の剣を持っている一族の、正しい心の持主たる彼女の為に。 きっともう、間違えないはず。

「・・・・・ほんとに、世話焼きですね。 ふう、バレたら懲罰モノですよ?」
「・・・・・ホント、バカがつくくらいお人好し。 今回だけだからネ、イイ?」
「!! もーーーぅ!! なんでそんなにカッコいいんですか、ふたりとも!! 俺、惚れちゃいますよ!」


そう。 このことは、おれ達だけが黙っていれば、絶対里にはバレない。 だからふたりに拝み倒した。
他の暗部だと、こうはいかない。 火影様が一番信頼している、暗部の部隊長の、このふたりだからこそ。
テンゾウさんが、諦めたように溜息をついた。 カカシさんも、見逃してくれるらしい。 よかった。
思った通り黙認してくれる。 やっぱりただカッコいいだけじゃなくて、男気もあった。 惚れぼれするなあ!

「惚れちゃうって・・・・ イルカ先生、ボク達の事が好きだったんですか?」
「なに、イルカ先生、そうだったの? そういうコトはもっと早く言いなさいヨ!」
「は? え? いや、あの、 男気があって、惚れぼれと・・・・」

「いっつも先生見てると、ハラハラしてたのヨ。 お人好しすぎて、見てられない。」
「ボクも世話焼くのは、ボクだけにしとけばイイのにって、いつも思ってました。」
「や、だからね? あの・・・・・ 人の話聞いてます??」

「そうか・・・・ イルカ先生、ボク達に惚れてたんですね? なんだか嬉しいな。」
「カッコいいを連発してたのは、やっぱり理由があったんだ? チョット照れちゃうヨ。」
「喜ばなくていいから。 照れなくてもいいから。 最後まで人の話を聞きましょう。」


まさかこんな展開になろうとは・・・・・ ちょっとストップ、おかしいから、それ。
俺は、最高にカッコいい忍びふたりを前にして、ジリジリと下がっていく。 もの凄く嫌な予感が。
せっかく開いた距離を、ジリジリとふたりがつめる・・・・・ コレは・・・・ 逃げた方がいいかな?
でもここは木の葉が誇る潜水艦の中。 どこにも逃げ場所なんてない。 俺、ひょっとして、万事休す?


ぁ、あの! ちょっと待って、心の準備が!!
「ナニぶつぶつ言ってんの、気持ちを確かめるには、肌を合わせるのが一番でショ?」
「もちろん、先生が抱かれてくれるんですよね? だって惚れちゃったんでしょ?」
「やっぱりかっ!! 俺か? 俺が抱かれちゃうの??」

「当たり前じゃない。 そんなテクもなんにもなさそうな顔で、オレを抱くつもりだったの?」
「わー、勇者ですね、イルカ先生。 他のヤツがカカシ先輩にそんなこと言ったら、半殺しでしたよ?」
「半殺し?! い、いや待て、何気に失礼だな、ちょっとカッコいいからって・・・・」

「はいはい、わかりました。 ボク達にメロメロなんですね? もう、照れ屋さんだなぁ。」
「そんなに好きだったんなら、答えなきゃ男がすたるってもんでショ。 ネ、イルカ先生?」
ぎゃぁあああぁぁああ〜〜〜〜〜っ!!



あ? どうなったか? そんなの言わなくてもわかるだろ?! 藪をつついたら蛇が出たんだよっ!!
さすが暗部の部隊長達。 充実したセックスを楽しみましたともさっ! ちっくしょーーーっ!
なんであんな上手いんだか! おまけに顔も良いときた!! どこまで神様は不公平なんだっっ!!

最悪な事に俺は失神した。 ほんの一瞬だったけど。 部屋から出て来たふたりの声で、正気に戻った。
そう、ここは俺達がくつろげるようにと設計された、潜水艦 オープン娯楽スペースのロングソファー。


「お? いつのまにそんな事になったんだ?」
「あら、ほんと。 恋愛音痴と天然の壁を、ついに乗り越えたのね?!」
「どうでもいいが、こんな所でヤルな。 個室は一杯あるだろ?」
「分別のある大人のわたし達とは、違うんですよ、きっと。」
「だな。 やっと自覚出来たガキンチョだしな、仕方ないか。 片づけとけよ、お前ら。」




穴があったら入りたいって、この事か。 ははは、俺、入れられちゃった後だけどな・・・・。