餌の時間 14
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本来は、三つのパターンに分かれるらしい。 あの書物倉庫の蔵の裏でのやり取りで、結果が出るとか。
一つ目。 仲間が屈辱的な依頼をされたと知り、階級が上の忍びであっても助けようとする奴は、合格。
二つ目。 餌に興味を示し、自分もお願いしたいだとか、脅しのネタにするような奴は、当然不合格だ。
三つ目。 知らぬ存ぜぬで見て見ぬフリをして、その場をそっと黙って立ち去る奴。 これも不合格。
なるほど今回のおれの行動は、どのパターンにも当てはまらなくて、合否を決めかねていたんだろう。
去ったと見せかけて様子を見たら、なんと今回の推薦者は海野中忍の頬を叩いた、そこでムカッx2。
よく飛びだしてこなかったもんだ、さすが! んで、超近い距離でベタベタ顔に触りまくって、ムカッx2。
それだけじゃない。 おれは実は最初からプチムカつかれていたらしい。 どんどん積み重なって行ったんだ。
なにって、気に入らない度数が。 なんとおれを推薦したのは他でもない、海野中忍その人だったから。
どうもあの山賊討伐任務兼、経典の奪還任務を、褒めちぎってくれたらしい。 三代目と二人の前で。
特別上忍以上の推薦でなくても、例外はあるって事だな。 そんな訳で、二人のムカつきスイッチが点火した。
どんどんそのスイッチが押されていって、気に入らない度数は限界を超えてた。 それでも耐えて見てたんだ。
ちゃんと任務は任務と割り切って、気配を漏らさずに潜んでいたんだろう。 全然気付かなかったしな。
でも宿では抑える必要がない。 思いっきり怒気を纏ったチャクラをたれ流していた、という事らしい。
ここぞとばかりに嫌な上役を演じれば、今度こそおれの出方次第で合否が決まる。 そしておれは・・・・
すっぽかすでもなく、仲間に入れてもらうのでもなく、口止めに見返りを期待するのでもなく、恋の戦士で。
カオルさんアズサさんの用心棒付き。 お二人の事だから、気配で部屋に入る前に気付いたはずだろう。
勘違いしたおれは、三人の仲を取り持とうと、全く意味のない恋愛講義を語って聞かせていたんだ。
・・・・カオルさんとアズサさんが余興だと言った意味は、まさしくそれ。 トンチンカンな見世物だったろう。
カカシさんが本音を聞こうと瞳術を使ったのも納得だ。 テンゾウさんが一人仲間はずれだと言われキレた事も。
分かりきった事ばかり諭され、さぞイライラしただろう。 逆に猿酉のお二方は、かなり楽しかったはずだ。
まあ、なにはともあれ。 随分遠回りをしたけれど、おれは暗部の四天王が認めてくれた上忍となった。
けれど忍びの掟は目には目を。 それは木の葉も例外じゃなく、おれはしっかりと制裁を受ける事になる。
「ちょ・・・ ん・・・ もぅ・・・・ いいでしょ? うぅうん・・・・ ぅ・・・・・」
「まだ全然足りない、もっと。 んーーーー イルカの頬と唇の味ーーーーーvv」
「ん、ぁは・・・・ ぁ・・・・ ん、もう一分・・・・ ん、 過ぎて・・・・ ん、ん・・・・」
「ボク達がじっと我慢の子だった時間はそんなもんじゃないっ! んーーーー 消毒タイム続行v」
「ぁ・・・・ っ・・・・・ ばかっ この・・・・ 何やってんだっっ!!」
「「えへへへvv」」
・・・・・・・ええ、たっぷりと見せられましたとも。 おれが触った箇所をくまなく唇と舌で消毒プレイを。
二人がアンダーの中に手を入れようとして、海野中忍にゲンコツを喰らうまで。 ゆうに三分は越えてたな。
そんなアツアツムードを見せられても、おれは運を味方につけていると思う! これぐらいで済んだから。
たとえ通り名が、そこらの海岸でぷかぷかしているアマモでも。 その中のツキがある海藻という事で!
おれの名前と全然関連性のない通り名はきっと、なんで? って聞かれると思う。 その度に説明してやるんだ。
暗部の猿部隊長がそう呼んだから、そのまま定着したんだよ、ってな。 音場エンカは暗部と仲が良いらしい。
上忍試験の査察は、四天王全員が認めたらしい、そんな憶測が飛び交うんだよ。 おれは否定も肯定もしない。
今回の教訓を生かし、ぜひ周りの皆さんに誤解していただこう。 ハッタリも忍びの立派な装備だよな?
ちなみに、カオルさんとアズサさんは、我関せずでお茶を飲んでいた。 本当にマイペースで懐の広い人達だ。
きっとその名前を利用してても、面白い奴だと笑ってくれる。 おれが木の葉の上忍に恥じない人間である限り。
もしもおれに、暗部の名を利用していて恥ずかしくないんですか! という奴がいたら。 上忍に推薦してやろう。
「あ! ハヤテさん、お久しぶりです!」
「あ・・・ 音場・・・・ ゴホゴホ・・・・ 上忍。 久しぶり。」
「あーあ。 ハヤテさんが羨ましいなぁ! 夕顔さんみたいな美人が恋人で!」
「ゴホ・・・・ 情熱的過ぎて・・・・ ゴホ。 困るけどね・・・・ ゴホゴホ・・・・・。」
「なんとも羨ましい悩みですね! ・・・・顔色が悪いですよ? 目の下もクマだらけ・・・・ あ!」
「暗部の恋人は・・・・ゴホゴホ。 要注意だよ、音場上忍。 ・・・・ゴホ。」
「わーーーー そっちの情熱的ですか・・・・・ はははは! やっぱり羨ましいなぁ!」
「おれ、三代目に呼ばれてるんで。 失礼します。 ・・・・あ、末長くお幸せに! ご馳走様です!」
「・・・・・・・・・・・ゴホ。」
「ハ・ヤ・テv みーつけたw これから任務だからハヤテを補充していい? お・ね・が・いv」
「ゴホゴホ・・・・ 僕の・・・ この目の下のクマと・・・ ゴホ。 呼吸不全気味の咳は・・・・・」
「あら、そんなの気にならないわ? ハヤテはハヤテでしょう? あたしのハヤテだものv ちゅーv」
「そういう意味じゃなくて、ゴホ・・・・。 ( 君が求め過ぎて、僕は体調不良なんだけど・・・・・ ) 」
純粋に、里の特別上忍以上は凄いぞ、っていう話を書いてみたかったんですが。 おかしいなぁ・・・(苦笑) 聖