餌の時間 8
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今から二三日任務に行くからと、夕顔さんから預かって来ました・・・・ って、おれが言ったら。
ハヤテさん、どことなく嬉しそうだった。 返事の式を飛ばしておくよと、手紙を大切そうにベストの中へ。
後でこっそり人気のない所で読むんだろうな・・・・。 ふふふ、やっぱり恋人同士だったんだ。
でもおれはそんな事、言いふらしたりなんかしない。 夕顔さんは暗部だ。 いつも死と隣り合わせの。
つらいだろうな・・・・・ ハヤテさんほどの剣技があれば・・・・ 隣に立って一緒に戦えるだろうに。
おお?? ・・・・・でも暗部服って、結構露出度が高いよな。 特に女性が着てると、非常にセクシーだ。
セクシーフェロモンな恋人が戦場にいたら。 そりゃ、たまったもんじゃないよな、気になって仕方ないだろ。
でも暗部の面々は、性欲も相当コントロール出来るって話だし・・・・ さすがエリートだよなー。
ちょっぴりハヤテさんに同情しちゃうよ、おれ。 だってなぁ。 あんな美人が戦場で隣にいたらなぁ?
・・・・・ヘンな話、その気が無くてもその気になっちまうもんだと思うぞ? 忍耐を試されるな、うん。
そういやアモールって・・・・ 恋の神さまだけど・・・・ 別名もあったよな、確か。 なんだっけ??
「また空想タイムかい?」
「 うおわぁっ!!! 」
「・・・・・待たせたな。」
「・・・・・・や、おれも今・・・・あれ??」
ふと気がつけば、もう夕方だった。 ・・・・・・・・・・おれってずっと空想こいてたの?? まあ、いい。
しかしビックリするって、普通。 何の気配もしなかったし。 てか、さすがだなぁ、なんて思わず感心。
そりゃそうか、お二方は暗殺部隊の長だ。 推薦されてるとはいえ、おれに感知できるはずがない。
お二人によれば、カカシさんとテンゾウさんは、今日は休息日だそうだ。 だからなのか、あんな依頼を。
多分、もう来てるんじゃないかい? とアズサさんが言う通り、海野中忍の名前を出したら案内された。
上忍達がよく休息日に利用するそうだ。 ここは迷いの森の中にある森の宿。 機密厳守が規約らしい。
・・・・・・・・・えっと。 少々覚悟はしていましたが、このオドロオドロしいチャクラはなんでしょう?
いや、カオルさんとアズサさんには屁でもないでしょうが、おれ一応まだ中忍なんで。 キツイです正直。
もの凄く重い空気が流れてくる部屋がある。 猿酉両部隊長は、スタスタとその部屋まで進んで行った。
・・・・あ、やっぱり? この部屋がそうなんですね? この禍々しい気が流れて出ている部屋が。
すみません、ごめんなさい、おれ手が。 ・・・・・違うだろ? ここで踏ん張らなくてどうする、おれ。
猿酉両部隊長が来てくれたのに。 それだけでも凄い事なのに。 おれが言いだした事じゃないか!
くぅっ! 殺気を飛ばすなら飛ばしてみやがれ! おれは恋の戦士、アモールだっ! ええぃっ!
「 残念ながら、海野中忍はきませんよ。 カカシさん、テンゾウさん。 」
「・・・・・・・・・アマモ?? なんだそれ。」
「海藻だろ? ほら、よく海にブカブカしてるじゃないか。」
「どういうコトなの? ・・・・・説明してくれる?」
「そのアマモと一緒にあなた方がなぜ・・・ ここに?」
てか、アマモって・・・・・ アモールだから! 恋の神さまだから! 海藻じゃないから! 全然違うから!
同じ中忍なら、速攻ツッコんでる所だけど。 ・・・・おれの気合いの独り言まで、聞こえちゃってたのぉ?!
・・・・・超、声がちっこくなったけど、どうやら聞きとってもらえたようだ、さすがです、四天王の皆さん。
それよりなにより、めちゃめちゃ不機嫌なんですけど?! ええ、予想はしてましたよ?! でもっっ!!
面がな・・・・・ ほっかむりの様に頭のてっぺんに乗っかってて、どことなく微笑ましいんだけど・・・
あの、お顔が見えてございますですが、それはいかがなものでしょうか。 ・・・・・別に口外はしませんが。
・・・・・・くそ、もの凄いイイ男だ! こんにゃろうめ! ・・・・はっ?! 違うだろ、おれ!
カカシさん、テンゾウさんが、素顔をおれに見せたということは。 殺られちゃうのか?! そうなのか?!
ぎゃー どうしよう! いや、待て。 その為にカオルさんとアズサさんが来てくれたんだ、そうだろ?!
あの、カオルさん、アズサさん・・・・・ ぎゃっっ!! なんでお二人まで面をとってるんですかっっ!!
うわうわ! 見ちゃったよっ! おれ四天王全員の素顔見ちゃったっ! ちょっとこれ凄くないか?!
・・・・・カカシさんもテンゾウさんも、イイ男だったけど・・・・ カオルさん、この人もすげーイイ男。
アズサさんなんか、どうなのそれ! っていうぐらい。 中忍でピカイチの紅さんも真っ青な美女・・・・
夕顔さんもきっと美人、もしや・・・・・ 火影様、あなた直属の部隊は顔も選抜してるのですか??
てか。 マズくないか? ひょっとして、おれを油断させて人気のないここに連れてくる為、とか?!
そうだよ本来、皆仲が良いはずじゃないか。 戌猫両部隊長の我儘とおれのお節介なら、どちらを選ぶ?
機密厳守が規約の森の宿、そう言っていた。 この状況なら、まさに死人に口なしを実行でき・・・・・
・・・・・いやそうじゃない、里の英雄だ。 海野中忍もそう言ってたろ、おれが信じないでどうする?!
「アハハハ!! ひぃー、可笑しいっ! ホントアンタ、面白いよっ! アハハハ!」
「・・・・・・・言いたい事が言えるようにサ、さっき瞳術かけたんだよネ。」
「別に顔見たからって殺しませんよ、ここは機密厳守の宿だよ、アマモ。」
「・・・・・・ん? そんな名だったか? エンカ・・・だろ、確か。」
声に?! まじでか?! ・・・・てか、そう言うカオルさんが、最初にアマモって言ったんでしょう?!
だいたいアとモしか合ってないし、海藻って人じゃないだろ! そこでもう違うから! 植物も生きてるけど!
と、心をガードしつつツッコんでみる。 ・・・・・コホン! あの。 ヘンなあだ名で呼ぶのは止めて下さいね?
・・・無事にさっきよりも大きい声が出たけど。 心をガードしながら話すと、めちゃめちゃ疲れるな・・・・。