絵画は語る 15
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彫の国の秘湯 真珠の湯に寄ったは良いが、ついカピバラを見たいと言ったせいで、大変な目に合った。
俺がカピバラにスリスリしたから、ウチのオセロが張合っちゃって・・・・ とにかく昨日は大変だった。
う〜、なんか謝らされた気もする・・・・ もうトリップしてて話の内容、全然覚えてないよ。
「またですか、イルカ先生。 けだるい雰囲気バリバリ・・・・。」
「独身者には、うっとおしいフェロモンです・・・・。」
「イルカ先生の恋人は、暗部なんですって。 無理もないわ。」
「さすがスズメ先生! 分かって下さいますか?」
ふたりと濃いセックスした次の日、必ず他の教員から迷惑そうな顔で見られる俺。 なんもしてないのに。
年長くのいちクラス担任のスズメ先生は、学校での数少ない俺の理解者だ。 きっと旦那さんも良い人だ。
・・・・・ごめんなさいって、なんか謝ってたはず・・・・ 思い出せないと、気持ち悪いんだよね。
今日はもう二人とも、違う任務に行っちゃったんだけど、帰ってきたら聞いてみよう。 うん。
「イルカ、さっき届いたんだ、特別に見せてやるよ。」
「あ、酉班 部隊長!!」
「わわわわ、暗部だっ!!」
「ぶ、部隊長?! まさかイルカ先生の恋人って・・・・ !!」
「きっとそうですわ! 酉班の部隊長は、天空の守護神とまで呼ばれているお方!」
剥かれてないけど、怒ってたんだよな・・・・ とか考えてたら、母ちゃんが職員室にやって来て、
奏宴の里からもらったタマゴを見せてくれた。 “何もらう約束したんですか?”って聞いたら、
“世界一綺麗なタマゴだよ”と言われたので、どんな鳥の雛がかえるのか楽しみにしてたのに。
タマゴはタマゴでも、殻だけだった。 殻に装飾が施されたタマゴ。 これも細工モノなんだ、きっと。
「うわっ! 凄く綺麗です、本当に。 本物のタマゴみたい・・・・。」
「・・・・本物だよ? 本物のタマゴの殻に細工がしてあるのさ。」
「ええ!? あ・・・・・ ほんとだ、凄いや・・・・」
「ほのぼのとして、羨ましいですわ。」
「うん。 酉班の部隊長が、リラックスしてるよ。」
「独り身にはやっぱり目の毒だ、羨まし過ぎる・・・・。」
「・・・・ちょと、アンタ達。 ナニか勘違いしてるようだけど?」
「・・・・・ハッキリさせておかないと、駄目ですよね、コレは。」
「「「?! また暗部?! ・・・いつの間に・・・・・」」」
母ちゃんは本当に細工モノが好きなんだなあ。 凄く嬉しそうな気配がしてる。 あ、あれ??
カカシさんと、テンゾウさんも帰って来てたんだ!! お帰りなさい、一日一緒の任務だったんですね。
今、インペリアルエッグっていうタマゴを、見せてもらってたんですよ、コレ本物の殻らしいですよ?
・・・・・って、聞いちゃいない。 ん?? ちょっとふたりとも! 教員相手に何言ってるんですか!!
「エ―、皆さま、イルカの恋人はオレ達。 いつもスミマセンね、エロフェロモン垂れ流してて。」
「まあ、大目に見てやって下さい。 あ、そうそう、夫の戌班と猫班の部隊長です、よろしくー。」
「へ? あ?? は、はい。 こちらこそ・・・・」
「あら、そうだったんですか。 てっきり・・・・」
「3Pか・・・・ そりゃ疲労するわな・・・・」
どんな挨拶の仕方なんですか、もう!! あ、母ちゃんが・・・・ アズサさんは隼に変化した。
なんて堂々とした翼なんだ! 俺の机の上にあるタマゴを足で掴んで、ブワリと両方の羽を広げた。
他のみんなも見惚れている。 ほんと、母ちゃんの変化する鳥はオリジナルも交えて綺麗だ・・・・。
「うるさい旦那達に撃たれる前に、アタシは退散するよ。」
「わぁ・・・・ 足で獲物掴んでるみたい・・・・ カッコいい〜vvv」
「じゃあな、イルカ。」
「アレが木の葉の翼と言われている、酉部隊・・・・」
「おれ、目の前で変化してもらったの、始めてみたっ!!」
「なんて美しい、隼なのでしょう・・・・」
「「・・・・・・・。」」
あー、帰っちゃった・・・・。 今度機会があったら、あの翼の先を触らせて・・・・ あ、コラ!
ふたりも変化して顔を舐めて来た。 ふふふ、シロとクロが一番可愛いに決まってるじゃないですか!
そうだ聞いてみよう。 昨日、ナニ怒ってたんですか? 俺、若干飛んでて、覚えてないんですよ。
わわわわ、俺の可愛いオセロがっ!! いや、変化を解いても全然いいんですが・・・ 嫌ーな予感。
「ふ〜ん・・・・ 覚えてないの。」
「・・・・・ また一からですね?」
「え、ええ?? 今日も?! 少しは休ませて下さ・・・・」
「ダメ!! 教育的指導強行!! 覚え込ませる!!」
「では皆さん、イルカはもう帰りますから。 ご挨拶は?」
「う・・・・ お、お先に失礼します・・・・」
「あ、うん。 お疲れ・・・・」
「ふふふ。 新婚さんね、懐かしいわぁ〜。」
「・・・・・・イルカ先生、頑張れ?」
そして強制帰宅させられた俺は、意識が飛ばないように手加減されつつ、ふたりに教育的指導を受けた。
俺の動物変化が禁止。 撫でまわされるのが駄目なんだって。 撫でてもらうと、気持ちいいのに。
俺が他の動物を撫でる分には良いらしい。 なんだかな〜。 ヘンな約束事項だ、まあいいけど。
あ、白い文鳥が色とりどりの和紙にくるまっている水彩画は、受付に入ってすぐ右手の壁にかけてある。
アレがまさか、泣く子も黙る暗部の部隊長の変化した姿だとは、誰も思わない。 めっちゃくちゃ可愛いよ?
え〜と、主役は三人・・・・ ←念じてるらしい。 アズサさん出張る、の巻きでした!(笑) 聖