絵画は語る 4   @AB DEF GHI JKL MN




彫の国の暗殺任務に、なぜかイルカも同行するらしい。 なんでも別に役割があるとかって・・・・。
なるべく無駄な血は流さないですむ様に、三代目がまた何か細工をするんだろう。
昨日火影室で聞かされて、約束はどうなったんですかと、三代目に詰め寄った。 アズサさんと一緒。
なら、大丈夫かな。 彼女ならイルカに何かあったら、ボク達がキレる、って知ってるから。

「まさかアンタと任務に就くなんてね。 頼むから寄り道しないどくれよ?」
「・・・・あの・・・・ アズサさんの中で俺はどういう風なんでしょうか?」
「情を垂れ流す動物フェチ。 憎めない天然猛獣使い。 ついでに受付中忍の教師。」
「・・・・・本業がついでって・・・・」

うわ、アズサさん超的確な表現してる。 またくその通りです、腕はソコソコいいんですけどね。
ターゲットが動物飼ってたら、そっちに走っちゃうタイプ。 そんで捕虜になるパターン。
そして捕虜になったらなったで、相手があの情にほだされて、襲われて。 最悪洗脳される・・・・。
まあ、ソレだけは今までさせなかったけどね。 紙一重な展開は、そりゃもう、何度もあった。

「じゃ、アズサ。 イルカのコト、くれぐれもよろしくネ。」
「もし敵に捕縛されたら・・・・ 九官鳥シメますから。」
「わかってるよ、まったく! アンタの亭主達はおっかないねぇ。」
「て、亭主って・・・・」

あははは、さすがアズサさん! やっぱりどこからどう見ても、イルカは突っ込まれる方ですよね?
自慢じゃないですが、イルカは可愛いですよ? 一生懸命力抜こうとして顔まで緩んじゃうんです。
トロンとした目で“ハフッ”とか言っちゃうんですよ。 口も開いちゃうし、昨日だって・・・・。
あいたたた! ちょっと、イルカ、何するんですか! ホントの事でしょう、ねぇ、カカシ先輩?

こういう時は・・・・・ 変化の術!! ほーら、イルカの大好きなクロとシロ、オセロですよーw

「「こっちはただの追跡任務。 イルカは・・・ 気をつけてね?」」
「ぅ、可愛い・・・・・ うん。 ふたりも、いってらっしゃい・・・・ 〈ナデナデ・・・〉」
「「・・・・・・解っ!! ふふ! 行って来まーす!」」


「なんかうまくごまかされた気が・・・・ まあいいか。 我々も出発しましょう!」
「アソコまでアイツらを変えたアンタを、ある意味尊敬するよ。 ・・・・変化の術!」

「わぁ! 文鳥!! か、可愛い・・・・ え? このままでいてくれるんですか?!」
「仕方ないじゃないか。 こっちに交戦の意志はないと、態度で示さなきゃならないだろ。」
「そうですね。 標的は皇女 桔梗だけだと、説得しなきゃなりませんからね。」


げ! 先輩!! アズサさんが文鳥に変化しましたよ?! イルカの肩に止まってます!!
あーあ、あの嬉しそうな顔・・・・。 アレ絶対、クチバシ触ってみたいって思ってますよ?
・・・・・こうなったら、ボク達も早く綱手姫を見つけて、奏宴の里に連れて行きましょう!
そうしたら、暗殺任務はアズサさんに任せて、帰還はイルカと一緒ですよ、温泉寄って帰りますか?

「アタシのチャクラは目立ちすぎるからね。 説得後に変化を解くよ。 ・・・・嬉しいかい?」
「はいっっっ!! あの・・・・ クチバシ触ってもイイですか?」
「あはははは! アンタほんとにわかりやすいねぇ。 ホラ、なでてイイよ?」
「わぁ〜、ちっちゃい〜! 赤い〜!! 可愛い〜〜〜〜!!」

あーーーー くそっ! 思った通りの展開ですよ!!  振り返らない、振り返らない・・・・。

綱手姫は第二次忍界大戦の時、恋人のダンさんと弟のナワキさんを一度に亡くして、里を飛び出した。
三代目火影の弟子のひとり。 木の葉の三忍と呼ばれている、医療忍術のスペシャリスト。
奇跡的なチャクラコントロールで、一点集中の怪力も生みだせる。 ダンさんの死に目に立ち会い、
自分の手の中で再生させられず、崩れ落ちる内臓を見て、血液恐怖症になってしまった初代火影の孫。

「気合い入れて行くヨ、とっとと伝説のカモを発見しなきゃネ。」
「ですね。 まあ、アレだけ痕跡残す人もいませんから・・・・。」

「口寄せの術!! お前ら、綱手姫は知ってるな? 見つけたら帰って来い! 散!!」
「ボクは空から探しますね。 花粉に意識を乗せます・・・・ 木遁 種子分散!!」

木の葉隠れの借金は増え続けてる。 なぜなら、部類の賭博好きの彼女が絶対に負けるから。
人呼んで伝説のカモ。 三代目がコッソリ支払っている事、この際だから彼女に知らせよう。

ボクと違って、初代火影の正式な血を引くクノイチだ。 いい加減、現実逃避を止めればいいのに。
もし里になにかあったら、借金地獄が待ってるだけじゃなく、さらに己の無力さを嘆く事になると思う。