先生に教わろう! 13
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ぅ! 可愛い。 どうなんですかこれ、カカシ先輩。 いくら可愛がりたいと暗示にかかってても・・・
小さいイルカ先生に思わずキスしちゃったよ、頬ずりも。 頭やら背中やらをナデナデ、って指で。
ボクの目にはイルカ先生に見えるけど、本当は仔猫にじゃれてるんだよね? チラリと先輩を見る。
カカシ先輩が仔犬にキスしてる・・・・・。 ボクも先輩にはやっぱりそう見えるという事だね・・・・。
先輩もボクも、それぞれ自分の元に駆け寄って来たヨチヨチ君のみが、イルカ先生に見えてるらしい。
きっとイルカ先生は、そんな風に見えてるなんて思ってない。 仔犬や仔猫になりきって甘えてるんだ。
本物の赤ちゃん動物なら、そんな反応はしないと知っていて、可愛い仕草をアピールし続けてる。
指を差出すとスリスリと頭や体をこすりつけてきて、撫でると気持ち良さそうに喉を鳴らしたり。
顔を近付けるとぺロリと小さな舌を出して頬を舐め、キスをすると前足で下唇をモミモミするんだ。
本物のチビなら絶対やらない仕草だけど、小さい姿のままそれをやってくれる。 ・・・・可愛すぎ。
これが全部、小さいイルカ先生の姿だからたまらない。 ボク達の目にはそう映ってるんだよ。
“可愛いから思わずやっちゃった!”の、瞬間はバッチリです。 もう、嫌というほど分かりました。
先生の作戦通り、この手のひらに乗ってる小さいイルカ先生を、可愛がりたくて仕方がないです。
ふいに “キスを教えて” と、イルカ先生に言った時の事を思い出した。 この人なら信用出来る、って。
最初はキスが上手らしいと聞いて・・・・ 本格的なキスを体験してみたかっただけだった。
夜間の受付にいた二人の受付忍、髪の毛を結ってる人の方がイルカ先生ならいいな、と思った。
あの結ってる髪を解いたら、どんな感じになるのかな? 雰囲気が出て楽しめるかもしれないと。
でもキスの先生じゃないと分かっても、やっぱり・・・・・ この人とならしてみたいな、って。
これ一体どういう事なんでしょうか、カカシ先輩。 暗示にかかってるからこう見えてるだけですか?
イルカ先生が可愛さをピンポイントでアピールするせい? 可愛がりたいのはこの先生だけ??
先生を可愛がりたいという気持ちも、暗示? この感情がただの愛情かそうでないのかが分からない。
「「・・・・・・・。」」
「・・・・お前、さっき猫ちゃんの頭の先、摘まんでなかった?」
「・・・・先輩こそ。 ワンコの頭の先、摘まんでましたよね?」
「「気になって・・・・。 ・・・・くすっ!」」
やっぱり。 ボクが思った様にカカシ先輩も試しにやってみたんだ。 先生の髪の毛を解いてみた。
だって暗示にかかってるだけなら、ここまでの欲求はないと思ったから。 唇にキスをしたい、って。
髪も解いて、身につけてるモノも全部剥ぎ取りたいと思った。 それって性的欲求でしょう?
頭に軽く触れただけの先生の唇の感触を思い出して、ついやってしまった・・・・ とも言うね。
それで分かった事。 小さいイルカ先生だから可愛がりたいんじゃない。 イルカ先生を可愛がりたい。
ヨチヨチの仔猫に変化してた時も、小さい先生に見えてる今も、大人のイルカ先生が常に念頭にあった。
キスをしたい、大人のイルカ先生と。 試してみたいんじゃなくて、イルカ先生だからしたい。
「・・・・・・・・イルカ先生、変化解いて?」
「・・・・・・・暗示はボク達が解除します。」
「「 了解です! ふふふ、お二人とも可愛がってましたね〜! 」」
「「・・・・・・・・うん、可愛かったから。 ( 小さい声で小さなイルカ先生が喋ってるvv ) 」」
「「 では! ・・・・・変化の術、解っ!! 」」
“? 髪、なんで解けてんの??” なんて、二人の大人のイルカ先生は不思議がってたけど。
ボク達がさっき解いたんですよ、とは言わない。 だって先生は仔犬や仔猫のつもりで甘えてたから。
暗示は解除した。 ボク達が自己暗示を解除すれば、イルカ先生がかけた弱い暗示は無効だしね。
・・・・・・でも影分身はそのままだよ? 二人いないと、本格的なキスが出来ないでしょう?
「「思わずやっちゃった、っていうのは理屈じゃないんですよ? 分かり・・・・」」
「「 イルカ先生っ!! 」」
「「わわわわっ!!」」
ボク達は先生に飛びついた。 くすくす! 当たり前だけど、二人のイルカ先生は全く同じ反応だ。
手のひらに乗ってたイルカ先生もなんとも言えず可愛かったけど、やっぱり大人の先生の方がいい。
だってこうやって抱きしめられるから。 全身で温かさを感じられるから。 ああ、イルカ先生だ。
ボクは・・・・・ ボク達は・・・・ 分かったよ、先生が教えてくれた。 理屈じゃない感情を。
「「先生の・・・ 唇・・・・・」」
「「・・・・・・・・・・へ??」」
「「イルカ先生と舌を絡めたキスが、今したい。」」
「「ちょ・・・・・ んんんん・・・・・」」
大人の姿に戻ったイルカ先生を見たら、抱きしめたくてたまらなくなった。 抱きしめたら・・・・・
今度は唇に触れたくなった。 小さいイルカ先生がしたみたいに、下唇をそっと触ってみた。
この唇がさっきつむじに触れたな、まだ今でもじんわりと温かいな・・・・ そう思ったら・・・・・
先生の解けた髪を撫でつけながら、唇で唇に何度も触れた。 思いきって舌をだして唇を舐めた。
イルカ先生は観念したかのように、閉じてた唇を開いてボク達の舌を迎え入れてくれたんだ。