先生に教わろう! 14   @AB CDE FGH IJK LN




しっかりと先生を抱き込む。 小さなイルカ先生じゃない、これがイルカ先生本人なんだネ。
ホントだネ? 先生の言う通りだった、気が付いたら頭で考えるより先に動いてたヨ、ビックリ。
キスがしたいと思ったら、柔らかい先生の唇に触れてた。 体中を駆け巡る血の速さを感じながら。
ビンゴブック級の忍びに対峙した時は、もっと冷静だったのに。 オレの心臓、どうなっちゃってんの?

これがイルカ先生の髪の毛・・・・ 思ってたより長いネ。 解いた髪を何度も撫でてみる。
先生の頬、先生の目、眉、先生の鼻とこの刀傷・・・・・ 先生の唇・・・・ 全部に触れてみたい・・・・



奥歯の位置はココ、ココは犬歯、このヘンは舌の付け根? 上あごのくぼみって意外に広いんだ・・・・
自分の舌で感じるイルカ先生の口内は、どこもかしこも発見が一杯。 先生の舌は柔らかいネ・・・・・
口は性的象徴だって、今初めて理解できた気がする。 怖かったはずのキスが気持ちイイ。
ただキスが気持ち良いんじゃない、イルカ先生とするキスだから気持ちがイイんだネ・・・・

「ぅんん・・・・・・ ん。 俺は・・・・・ はぁ・・・・ぁ キスの先生じゃ・・・・っ・・・。」
「・・・・・ウン、分かってる。 ・・・・・でも先生としたかった・・・・ ん。」
「イルカ先生、教えて・・・・ ドキドキする・・・・・ 自分じゃないみたいだ・・・・ んん・・・」
「はぅぅ・・・・・・ ん・・・・・ それ・・・ は・・・・・ はぁ、ぁ・・・・ ん。」

イルカ先生は、途切れ途切れになりながら教えてくれた。 求愛の感情が高ぶったからだ、って。
頭でその感情に名をつける前に、こうやって行動してしまったのは、今まで知らなかったからだと。
いつも感情と行為を切り離していたから、ないと思っていただけで、愛情は心の底にあったんだって。

今のこの感情がなんなのか、なんでキスが怖くなくなったのか、分かってる。 イルカ先生が欲しい。
イルカ先生はキスの先生じゃないケド、オレ達に愛情を教えてくれた先生。 もう一回言うヨ?
イルカ先生が先生で良かった。 あなたと知り合えて良かった。 心の底を覗いてくれてありがとう。
自分では気付かないフリをしていたのかもしれない。 こういう情にいつか溺れるのが怖くて。

口の中を舐めまわしていたら、イルカ先生の舌がオレの舌に絡んで来た。 すごく厭らしい音がする。
もっと先生の舌と絡みたくて、角度を変えて深く侵入してみた。 果物にかぶりつくみたいに。
止まらない・・・・ 舌と舌が擦れる度に唾液が溢れて来て、先生とオレで半分ずつ飲み込んだ。

「ゴク・・・・。 フフ・・・ 先生の唾液飲んじゃったv」
「な・・・・ なんでそんなに嬉しそうなんですかっ!」
「だって先生も飲んでくれたから・・・・ ボクも、ってv」
「そ・・・・ そう言う事をいちいち言わないで下さいっ!」

里の誉とまで言われて、暗殺部隊を率いてきたオレ達が。 キス一つでメロメロになっちゃたネ。
こんなコト、恥ずかしくて誰にも言えないヨ。 恥かきついでにイルカ先生に聞いてみた。
だってコレは “ついやっちゃった!” で済まされるコトじゃないからネ。 超、大人の事情なの。

「「・・・・・・イルカ先生、抱いていい?」」
「「駄目です、お断りです。」」
「「・・・・・・・・ガ〜ン・・・・ 」」
「「ここでは。 ・・・・・受付の仮眠室ですから。」」

?! 今ネ、先生に拒絶されちゃったと思ったとたん真っ暗になった。 ヤ、実際に今は夜だケド!
でも次の言葉で一気に浮上! イルカ先生は“ここではダメ”と言っただけ、オレ達を拒絶した訳じゃない。
そして続けざまに早口でこう言った。 “俺、愛を請う目に弱いんです 目一杯愛したくなる”って。

「「・・・・・・・イルカ先生・・・・」」
「「な・・・・ また! またそんな目をする!! そういうのに弱いんですよ、もう!!」」
「自分じゃどういう目をしてるのかわかんないケド・・・・」
「イルカ先生はボク達の目に弱いんですね? ふふふ。」

「「また頭で“弱点だ”とか考えてるんですね?」」
「「だってそうやって今迄生きて来たから。」」
「「・・・・・・ほんと卑怯な生徒だ。 愛さずにはいられないじゃないですか。」」
「「うん、愛を教しえてイルカ先生。 目一杯。」」

ゆっくりと先生の唇が近付いて来てキスをしてくれた。 今度は頭じゃなくて、ちゃんと唇に。
ねぇ、先生。 仕事終わったらすぐ抱かれてくれる? 影分身解いてオレ達にグチョグチョにされて?
唇の離れ際にそう言ってみたら“考えは口に出さなくていいんです!”ってまた怒られちゃった。




「山城上忍、気さくなあなたを見込んで・・・・・ ぜひお願いしたい事が。」
「ん? なんだい? 俺に出来る事か?」
「おれ・・・・・ さっきイルカを呼びに行ったじゃないですか・・・・ そこで・・・・・」
「ああ、俺の書類の事で確認してくる、とかなんとか言ってたね?」

「見てはいけないモノを見てしまって。 あの、代理で夜間の受付忍になってもらえないでしょうか。」
「???」
「厚かましいのは重々承知しております、どうか何も聞か・・・・ あ、山城上忍っ!! 行っちゃった・・・・・・」





「!! お、お早いお戻りで・・・・・。 それでそのぉ・・・・ 受付には・・・・」
「・・・・引き受ける。 イルカ先生の代理で受付に入るよ。 このパッチのお礼がてら。」
「くす! お優しいですね! でも知りませんでしたよ、おれ。 暗部がアニマルセラピーを・・・・」
「心配しなくても帰ってもらたから。 あんなところで盛られたらそれこそ受付業務の邪魔に・・・・」
「「?!」」

「・・・・・・・・・・さ・・・・盛る、って??」
「・・・・・・・・・・アニマル・・・ セラピー??」
「「・・・・・・・・・。 ( 見ざる言わざる聞かざる・・・・ )」」