先生に教わろう! 5   @AB CEF GHI JKL MN




口淫専門の、って・・・・ カカシ先輩、落ち着いて下さいよ! そんな訳ないじゃないですか、もう!
ボク達にとっての恐怖は接吻です! 気持ちよく咥えてもらうなら花街の玄人さんで十分でしょう?
口蓋じゃなくて多分、口外ですよ! 口以外の処にキスする時の諸注意、とかですよきっと。
まあ、郊外かもしれませんが・・・・ 実践派の様ですし場所を変えて、みたいな事かもしれません。

「そ・・・ そうだよネ? チョット色々、意表をつかれたからサ・・・・・」
「いや、ボクもその気持ち分かります。 もう気分は少年ですから。」
「ネ? しかも生徒さんがたくさんいるとかだし・・・・・」
「出来れば実際にお会いしてみたかったんですが・・・・・」

とにかく。 もし肉体的にどうこうなら、必ず修羅場になりますよ、あんな会話成立しません。
やっぱりイルカ先生はキスの先生ですね、どう考えても。 そろそろ下忍の視線も気になって来た。
怖いモノ見たさでチラ見してるつもりなんだろうけど、緊張気味の未熟な視線がうっとおしい。

まずイルカ先生がどこの誰なのかが分かった。 そして嬉しい事にキスの先生、っていうのも。
逃げも隠れもしない、いつもは受付に座ってるんだから。 うん、それだけの収穫があったんだ。
これ以上任務受付所に長居して、一般人の依頼主が入って来たらそれこそ営業妨害してる様なモノ。
また今度出直すか、と帰ろうとした時、目の前の受付君がボク達を見て “今夜なら” と言った。

「あの。 今夜なら確実に本人が受付に座ってますよ?」
「「?!」」
「埋め合わせする様に必ず夜勤を申し出てくれるんですよ。 気にしないでいいと言ってるのに。」
「「そういうところも先生っぽいね?」」
「あはは! ちゃんと先生ですって。 うみの中忍が先生かどうかを確かめにいらしたんですか??」
「「・・・・・ あー まあ・・・・・ うん。」」

「くす! 出先を教えてもいいんですが、そのお姿では・・・・ 皆が緊張してしまいます。」
「ついネ。 火影室からそのまま来ちゃったのヨ、気配を消すのも忘れてた。」
「暗部が朝から堂々と里内をウロウロしてたら、そりゃ吃驚するよね。 ふふ!」

うん、そうだよね。 なんか妙に嬉しくってアッチ行ったりコッチ行ったりしたけど。
一般人も来る任務受付所に行くというのに、忍服に着替えるのさえ忘れてたよ、ははは。
せめてチャクラを抑えておけば、暗部服でも一般人や下忍は気付かなかったかもしれないのに。
気配を消さず、朝っぱら暗部がウロウロしてたら、特に下忍なんかは何事かと緊張するだろう。

「くすくす! 若いけど良い先生ですよ、本当に。 自信をもってお勧めします。」
「「ふふふ! さっき、三代目にもそう言われた。」」

「色々、ありがとう。 それに夜間なら、下忍や一般人はいないだろうしね。」
「良く考えたらあんまり寝てないしサ。 コンディション整えてから来るヨ。」
「わ・・・・ それは・・・ 大変お疲れ様です。 ごゆっくりお休み下さい。」
「「こっちこそ。 吃驚させてゴメンね? じゃ!」」


よくよく考えたら、ボクなんて任務終わってすぐ、話をしてた二人組を探しまわったりしたし。
報告終わっても家に帰らずに暗部待機所でウンウン悩んでて、カカシ先輩まで巻き込んじゃった。
先輩と花街へ走り、木の葉の飲み屋街を散策した頃には、もう夜は明けていて。 で、火影室だもん・・・・

キスの先生にしても、まさかの大穴で色事指南の先生にしても。 今夜会えるんだ、凄く楽しみ!
嬉しい事に若い先生らしい。 そうだよ、これまたすっかり忘れてたけど、年齢も重要だよね。
最初は女の先生かと思ってたから気にしなかったけど、男だったらある程度のハードルは必要だ。

もしヒゲボウボウのおっさん先生とか、ハゲちゃびんのお爺ちゃん先生とかだったら・・・・・
どんな良い先生であろうと、そんなのは願い下げ。 先輩じゃないけどキスは引退後にとっとくよ。
木遁影分身の自分に試した方がまし。 いや、あくまで例えであって実践したいとは思わないけど。
とにかくイルカ先生は、ボクとカカシ先輩に実際にキスを教えてくれる人物に相応いって事だよ。

引退後、なんて言ってるけど・・・・・。 ボク達は忍びだし、実際何があるか分からないから。
もしそれまでに死んじゃったら、引退後もなにもあったもんじゃない。 だから試せるなら・・・・ ね?
行く行くはスキルにプラスされても、記憶に残るだけの思い出になっても、どっちでもいい。
体験してみない事には、そのどちらも得られるモノではないから。 ここまで信用できるなら安心だよ。



「あんな若いのに子煩悩パパか・・・・ 暗部も普通の親と同じだな、ははは。」
「イルカ先生のクラスに特別編入でもするのかな? 自分達の子供・・・・・」
「そりゃ心配になるかもな、普通どっちかだもん。 アカデミーか、受付か。」
「まあ、安心するだろ、イルカ先生と直接話せば。 どっちも両立できる忍びだって。」

「・・・・・・あれは内緒にしておいて良かったよな? 嬉しい時のキスぐせ・・・・・。」
「先生に教われば、そのうち嫌でも聞かされるよきっと。 自分の子からね。」
「そういうのには、案外うるさかったりしたら・・・・・ どうする?」
「今時のモンスターペアレンツ、ってヤツか? 暗部だからそれはないだろ。」

「分かんないぞ? あれだけ子煩悩なら、逆切れしたりするかもよ?」
「“イルカ先生のキスの方がいい!”とか、我が子に言われたら・・・・」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
「い、一応・・・・・ メモとかさ・・・・・ 残しといたほうがいいよな?」
「・・・・・・うん。 暗部パパズの今夜の来訪は知らせておいた方が無難だな。」