例えばこんな話 12
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うん、牽制は大成功。 本当は里内の自宅に押しかけて、速攻口説きたいトコロだけど、それは無理。
残念ながら、うみの中忍に里内で話しかけてはいけない。 彼は潜入部隊の所属の潜入員、雨射。
その正体はバラしちゃいけないんだよ、例え知っていてもね。 それは潜入員の安全を守る為でもある。
だから、雨射として知り合ったボク達は、うみの中忍とは面識がないフリをしなくちゃならないんだ。
雨射も里では普通の中忍だから、潜入以外の任務に就いてる。 一生懸命接点を探したけど、駄目だった。
そりゃそうだよね、暗部と中忍の合同任務なんて・・・・ ほぼ皆無に等しい。 あっても部下が行くし。
まあ、里の中で声をかけて口説けないから、雨射の予約を待ってそれを利用しよう、って話。
草津屋から雨射に予約が入れば、カカシ先輩の忍犬に、その後をつけてもらう事にしてるんだよ。
もちろんボクのチャクラを練り込んだタスキを掛けてもらってね。 更に文字も入れてみた。
部下達が手作りした癒し券とまではいかないけど、紫のタスキにデカデカと“伝令係”って入れた。
里から繋ぎに来た忍びなら部屋の前に待機してる忍犬を見れば、預かった書簡を“伝令係”に渡すよね?
雨射ことうみの中忍は、忍犬が咥えた書簡を預かる事になる。 返事も当然、その忍犬に渡す。
先輩達の忍犬チームはお仕事が大好き、走るのも大好きだしね! だから伝令とか、もの凄く喜ぶんだ。
何度も里と温泉街を往復するのが楽しいらしいよ? 皆喜んで、雨射と里の繋ぎ任務を遂行してる。
忍犬達からの報告で、分かった事が一つある。 雨射は木の葉の忍び以外、抜いてあげないらしい。
任務で情報収集の為に、客へ普通のマッサージをするのは黙認だ。 任務の邪魔はしちゃいけない。
ただ、木の葉の上忍達が雨射のフィンガーテクに味をしめて、フラフラ立ち寄るのを防ぎたいだけだ。
・・・・その癒しに味をしめたボク達が、何を言うか! っていうのは無しで。 そこはほら・・・・ね?
「ボク達の特権ですよね、弱肉強食です。 うみの中忍の仲間への癒しは未来永劫、封印です。」
「ネーv 早く次の休息日にならないかな・・・・ マッサージ! 草津屋に行きたーいっ!」
「ところでカカシ先輩、草津屋から予約が入ってましたよね、今日。 見張りは・・・ 誰ですか?」
「ンー 今日はパックン。 いつもの様について行ってるはずだヨ? コッソリと張り切ってネ!」
うみの中忍も、可愛らしい里の繋ぎに満足しているらしい。 たまに骨ガムとか、くれるんだって!
牽制作戦はバッチリ上手くいってる。 ボク達の影を感じて、里の上忍の間では噂が広まりつつある。
でもね、なかなかどうして。 里では接点ゼロだし、情報収集の為の任務には横入り出来ないし。
予約の横入りをしようと構えては、暗殺任務が入る。 あれからまだ一度も、会いに行けないのが現実。
予約の入っている日と、任務明けの休息日って・・・・ 上手く重ならないんだよね・・・・・ ふぅ。
うう・・・・ 先輩が言う通り、早く草津屋に行って、うみの中忍を口説いて・・・・ 抱きたいっ!
毎日毎日、うみの中忍のあんな姿やこんな姿を想像して、フィンガーテクを思い出して・・・・ 爆発の日々。
「アンタらに何の恨みもないけどサ。 オレ達・・・・ 今、メチャメチャ欲求不満だから。」
「あー つまり、あなた達の尻の穴から木遁の枝を刺して、脳ミソをかき混ぜたい気分です。」
「「・・・・・・・・枝・・・ まさか、コイツら。」」
「・・・・・木の葉の・・・・ 串刺しコンビが来たっ! 引けっ!!」
「「ぜ、全部隊、退却ーーーーーっっ!!」」
ちょっと。 串刺しコンビはないでしょう。 黄金コンビと言ってくれるかな? まあ、でも・・・・・
あの時の光景を見た忍びだったんだね? 何年か前、カカシ先輩とボクである村の殲滅任務に行った。
上中忍合わせた一個隊がその村で休憩中に、村長が他里の忍びに情報を売り、一個隊皆殺しにされた。
木の葉の忍びを売った村。 当然報復任務だ。 見せしめにするんだから、派手にやらなくちゃならない。
ボクが村人を木遁で生きたまま串刺しにして、カカシ先輩が雷遁でそれぞれの串に雷を落とした。
死体はそのまま放置。 肉の焼けた匂いで、獣達がわんさか寄って来て、ちょっとした森の晩餐会に。
・・・その時の光景を見た忍びなら、逃げ足が速くて当然ですね。 でも、串刺しコンビは止めて欲しい。
「わー 敵さんの逃げ足の速い事、速い事・・・・」
「アラシ、ソッチ行ったから。 ・・・逃がすなヨ?」
う〜ん、暴れられなくて残念だけど。 まあヨシとするか。 ボク達の役目は “追い込み” だからね。
部下達に待機させている小道に、敵を追い込む事なんだよ。 ボクの木遁で一本の樹を成長させる。
アラシは鷹の眼一族だ。 これぐらいの距離なら、不自然に成長した樹を見分けられるはず。 頼んだよ?
「あれは・・・ 部隊長と補佐から合図だ! 敵がこっちに来るぞ、一人も逃がすなっ! 散っっ!!」
「お疲れ様! もう討ちもらしは・・・・・ ないですか?」
「うん、全滅。 それよりアラシ、部隊長達、雨射の指圧にメロメロって・・・・・ 本当?!」
「あ、オレもその噂聞いた! 忍犬に見張らせて、里の上忍を牽制してるって話だしょ?」
「ああ。 泡風呂のマッサージより、心のこもった指圧が気に入った、って事だ。」
「そんなに喜んでくれたなんて・・・・ 嬉しいなぁ! やぱり癒しは必要ですもんね。」
「ずっとカカシさんとテンゾウさんが暗部の長ならいいのに・・・ なんちゃってね!」
「部隊長達はまさに、心身ともにリフレッシュだ。 さっきのも素早い追い込みだった。」
「たった二人で完璧な壁か・・・ 中々あそこまでは到達できないだしょ、まだオレ達には。」
「ひょっとして・・・・ ゴールドフィンガー効果?!」
「部隊長達が独占したがる気持ちはわかるな・・・・。」
「凄く興味がある! 今度・・・ 私達もお願いしてみる?」
「でもまずは、部隊長達に許可をもらわなきゃ。 だしょ?」
「「・・・・・お前ら。 死にたいの?」」
「「「「 ・・・・・・・・・いえ、言ってみただけです・・・・・。(怖っっ!!) 」」」」