例えばこんな話 16
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避難がてら外遊しに来た大名から、結構重要な事が聞けた。 あの国の内乱には忍びが関わっている。
ただの内乱なら内政干渉になってしまうが。 これでおそらく、木の葉に依頼が来る事は間違いない。
どこかの隠れ里が裏で糸を引いているなら、どこの里なのかを調べた方が良いな。 えっと・・・・・
【某国の内乱の裏に忍びの気配あり、偵察隊を派遣されたし】情報部ならこれで分かるな、よし!
ふふ、最近里からの繋ぎが忍犬さんなんだよね。 最初は吃驚した。 音もなく俺の後ろに居たんだ。
あの時は、潜入がバレたのかと思ったよ。 木の葉の額当てに “伝令係” というタスキ、服を着た犬。
書簡を届けに来てくれたのは忍犬だった。 三代目は、可愛い繋ぎを寄越してくれたらしい。
忍犬さーん、いますか? 伝令を頼みます。 ・・・・はい、この書簡を情報部までお願いしますね?
今日はね、ササミジャーキーを用意して来たんですよ? 後で楽しみにしててくださいね? ふふふ!
やー しかし・・・・ いつも思うけど。 上手に隠れているよな、さすが木の葉の忍犬だ!
「雨射さん、予約のお客さんじゃないけど、木の葉隠れの忍びだから、お願いしていいかい?」
「あ、旦那さん。 ええ、もちろんです、大歓迎ですよ。」
「最近飛び入りのお客さんが少なくなったから、どうしたのかと思ったよ。」
「きっと忍びの方はお忙しいんですよ、皆さん。 ・・・菊の間ですね? 行ってきます。」
本当に。 ここ一週間、一人も立ち寄ってくれなかった。 皆忙しいんだろうな・・・・ 一週間か・・・・・
あ、やべ。 また思い出しちゃったよ。 今朝貰ったあの手紙のせいもあるけど。 ・・・・はははは。
一応覚悟は出来たよ、俺も忍びだ。 一度引き受けたからには最後まで。 それが忍びってもんだよ。
抜くだけ、だしな。 ついでに、ちょっと扱くだけ。 俺にもついてるし、毎日見慣れたモノ、そうだろ?
彼らが花街を恋しがるまでの間だけ。 あっという間だよ。 ・・・・まあ、そこそこ、頑張ってみるか。
「「雨射ちゃ〜んvv」」
「げっ! いきなり来たっっ!!」
「あのネ、三代目がネ・・・・・ 許してくれたのーv」
「・・・・・・・なっ! この横暴をか?!」
「横暴じゃありません、せめて計略と言って下さい。」
・・・・・・・・計略? あの三代目に何を言ったか知らないが、言い包めた・・・・ って事?!
菊の間で待っていたのは、任務でクタクタになった上忍じゃなく、暗部のトップツー 二人だった。
いや、落ち着け俺。 さっきも最後まで頑張るって、覚悟しただろ? 抜くだけだ、抜くだけ・・・・・
・・・・・・・・・じゃないだろっ!! なんですか、何なんですかアンタらっ!! 抱きつくなっ!!
「お・・・ 落ち着いてください、どうしたんですか? 辛い任務でも・・・・・」
「うみの中忍って・・・・・ 本当に優しいネ・・・・ アー もうダメー!」
「こんな抱きごこちいいなんて・・・・・・ 離れたくないです、ボクッ!」
「や、あの・・・・ そんなに・・・・・・・・ お帰りなさい・・・・ お待ちしていましたよ?」
「「 !! うみの中忍っっ!! 」」
ちょっとばかり苦しいけど、でも。 ギュウギュウと抱きついてくる二人の腕が震えていて・・・・。
こんなになるまで平静を装って任務を遂行して来たんだな・・・・ なんて思ったら。 胸が一杯になる。
いつでも癒しますよ、心身ともにリフレッシュして下さい。 ええ、ついでに俺の手でよかったら・・・・
・・・・・・・・・・って。 ちょっとストップ。 待て待て待てーーーーっっ! いきなりか?!
「 ・・・・・・・・・・・硬いのが・・・・ あの、腰が揺れてますけど。 」
「だって! もう我慢できないもんっ!! 待ってただなんて、嬉し過ぎっっ!!」
「ちゃんと応えてくれるか心配だったんですけど! もう、最高の気分ですっ!!」
「その、暗部の隊員さん達からですね・・・・・ 手紙を預かって・・・・ お二人をよろしく、と。」
「「アイツら・・・・・。 クスン。」」
「いい部下をお持ちですね、部隊長、補佐。」
「「唐突だけど・・・・ 一緒に生きたい。 お願い。」」
「・・・・・・うえぇええ?! ど、同時に?! まあ、その・・・・ 頑張ってみます・・・・」
「「うみの中忍ーーーーっっvv」」
一緒にイカせろ。 暗部の思考はどこまでも、俺の許容範囲を軽く超えて行くらしい。 ・・・・ははは。
指圧をすっ飛ばして二本抜きだぁ?! どこのヘルスだそりゃっ!! ・・・男に二言はない、やってやる!
・・・・・・・・と意気込んだのはここまで。 俺はどっぷりと、後悔という名の海に浸かる事になる。
「はぁ・・・・ ぁあぁ・・・ やだやだ・・・・ うぅぅ・・・・・ もう無理ぃ・・・・・・」
「う・・・・ 気持ち良すぎてどうにかなちゃう! ・・・・まだもうちょっと頑張って?」
「ああ、雨射・・・・ いえ、うみの中忍・・・・ これからはずっと一緒ですよ・・・・」
「うぅうぅん・・・・・ ふぅふぅ・・・・ ば・・・・ かぁ・・・・ うくっっ!!」
「バカ?! バカだって、テンゾウッ!! 可愛いっっ〜〜〜〜っっ!!」
「もう一回、ねえ、もう一回やろう? もう一回馬鹿って言ってみて?」
どうにかなっちゃうのはこっちの方だ! 馬鹿呼ばわりされて、そんなに喜ぶだなんて・・・・・
どんな性生活送ってんの、Mかアンタら!! うぅ・・・・ マズイ、何気にマズイ、気持ち良い・・・・
さすが黄金コンビ、チームワークは抜群だ。 俺、ノーマルなセックスしか経験した事なかったよ・・・・
本当にいつか飽きてくれるのかな・・・・ 女の体が恋しくなってくれるのかな・・・・ もの凄く不安。
何度か危なかった事はある、でも今まで尻は死守して来た。 なのにいきなりこんな経験をしちゃう俺。
里では会えないけど雨射でいる時は? 任務の邪魔はしない? これから休息日は一緒に居ようだぁ?!
なんだそりゃ、聞いてないって! 手紙を持った子供を差し向けた押しかけ女房の域だよ、それ。
「「う〜いちゃんvv ちょっとだけそのまま。 んちゅーーーーっvv」」
「オレの! フフフv」
「ボクの! ふふふv」
「・・・・・・・・・・・・。」
くそ、何がちょっとだけそのまま、だ! ちょっともクソも動けねぇよ! もうヘロヘロなんだよ、俺は!
微動だにしない俺に気を良くしてか、傍若無人な二人は俺の両耳の後ろを吸いやがった! 痛てーよっ!
前に、暗部はレッサーパンダみたいって思ったっけ。 うんその通り、見てくれは可愛いけど超凶暴だった。
・・・・・今俺の脳裏にある事は一つ。 乗せられてもホイホイと物事を軽はずみに受けない事、だ。
「アレ? うみの中忍、もう寝ちゃったの?」
「いきなりは激し過ぎたんでしょうか・・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
「「お休み、うみの中忍。 これからよろしくね、雨射ちゃんvv」」
どうやら三代目は、雨射を暗部のトップツーに与えたらしい。 俺、なんちゃってヘルス? 本番込み??
うぅ・・・ ってか、こんな話ってあるのか?! いや待て。 寝て起きたら全部夢だった、とか?
二人の声も俺の重い体も、これが現実だと伝えているが。 往生際悪く、夢オチを夢見て寝てやるっ!
「 ・・・・・・・・・・・・・・お休みなさい、アライグマ科。 」
「アライグマ?? ・・・・・・あ、そうか! ごめんごめん、温泉に入れて洗ってあげるね?」
「ヤー ココまでオレ達を悦ばせてくれるなんて・・・・ 温泉でもうワンラウンドしちゃう?!」
「!!!」
ちげーよっ!! 軽はずみな言動は慎もうと、さっきも思ったばかりなのに! 俺の・・・・・ 馬鹿野郎っっ!!
雨射の部屋では、伝令から戻ったパックンがササミジャーキーを楽しみに待っているのでした。(笑) 聖