天敵は中忍 12   @AB CDE FGH IJL MN




そんな出し物を見ながら飲食、歓迎会は和やかに続く・・・・ なんて、ある訳ないじゃないかっ!
たった三分間でもダメなモノはダメ! だいたい、いつボク達がそんなのを好きだと言ったんだ!!
・・・・あれ?? そういや、うみのイルカは昼間・・・・ 百合は好きか、って。 マジで??

百合って・・・・ 花じゃなくて・・・・ そっちのユリだったの?! ・・・・駄目じゃんか。
どうせやるなら喜んでもらおう、とか言ってた様な・・・・・。 先輩の受付忍の誰かの好みか?
まさか百合モノが好みの輩が、あの任務受付所の忍び達の中に・・・・ 大勢いるというのか?!

そいう事だろう、ヤツは柄にもなく恥を忍んで、とか言ってたから。 そんな中で披露する??
何考えてるんだ、うみのイルカッ! そんなヨダレたらした狼の群れの中に飛び込む気か?!
そういう負の気を感じられないのは、決して本人のせいではないと知っているけど。 絶対駄目!

ボク達の部下の妄想じゃないけど、この平和な里の中で輪姦騒ぎだなんて冗談じゃないっ!
しかもそのキッカケを与えたのがボク達だなんて・・・・ そんなのあり得ないよっ!!
ワシがワザと教えんかったのに余計な真似しくさって、馬鹿もんがっ! なんて三代目に言われたら?
ボク達の威厳は地に落ちるどころの騒ぎじゃない!! もう暗部平隊員に降格決定だよ・・・・。

「「 言語道断っっ!! 」」
「 えーーーー?! せっかく練習してたのに・・・・」
「「 えー じゃないっ!! 」」
「俺は興味ないけど、世間一般にはそういうのがウケるのか、って納得したのに・・・・」

しまった・・・。 あんなに冷静であれと言い聞かせていたのに。 やはりうみのイルカは天敵だ。
さっきもつい乳首を摘まんでみたくなったり。 ボク達の平常をいとも簡単に壊すんだ、コイツは。
カッカしないで冷静に話そう。 暗部の長として凛とした態度で接しよう。 平常心だ、平常心。

それはあれか? あの時ボク達が好きだと言ったからか? ならあの質問はおかしいだろう。
世間一般に世の男どもは百合モノが好きなのか、どうでしょう。 というのが正しい質問の仕方だ。
ボク達は、まさか自分達の答えが世の男どもの代表だとは、これぽっちも思わなかったよ?

冷静に間違いを指摘してアドバイス。 よし、暗部の長として完璧。 これ以上ないほどの対応だ。
・・・・・練習してた・・・・ そういえば待機所から聞こえて来たもんな、タイマー音・・・・ ??
・・・・・・・・惜しい、もうちょっと、とか。 そんな声もちらほら聞こえたんだけど??

ちょっと待て。 それじゃ何か? ここにいる三人の部下達は、百合モノを見物していたのか??
さっきの弱々しい捕虜救出モノがボク達バージョンだとしたら、練習してた一芸はそれしかない。




「いやー 結構可愛らしかったんですよ、うみの中忍の女体変化っ! な?」
「はは、そうそう! 互いのTシャツ覗いて胸の感想とか言ったりして!」
「お互いの指をしゃぶりっこしたり! 二分半だけの百合ショーでした!」
「「・・・・・・・・・・・・。」」

へー ほー そうか。 ここで二分半の百合ショーを何度も観ては喜んでいた訳か。 ふ〜ん・・・・
今朝方、第七演習場で実戦組手を特別にしてやった5人に続き、お前らも修行して欲しそうだね?
百合ショーかぶりつきであてっも! たかだか中忍の女体変化ごときに喜んでいるんじゃないっ!

そんな噂を聞きつけようものなら、お色気ムンムンの他里のクノイチが、わんさかやって来るよ?!
聞いた聞いた? 木の葉の暗部は百合ショーに弱いんだってー 隙だらけになるらしいわよ? とか!
そんな事になったら一体どうするつもりだ、連帯責任だぞ?! お前ら全員一から鍛え直すっ!

「「 ・・・・・・・・・・・実戦組手。 」」
「「「 なんでぇ?! 」」」
「「 第七演習場で待機。 」」
「「「 はぃいいっっ!!!! 」」」

うんうん、素早い瞬身移動だ。 瞬身移動だから素早いのは当たり前だけど。 ふぅ・・・・・
せっかく護衛任務が終わったのに。 またいらない用事ができてしまった。 仕方ない、これも部下の為。
弱点を克服してこそ、真の精鋭集団 暗部と呼べる。 他里もチビる暗殺集団、それがボク達なんだ。
・・・・・・いや、あの。 捕虜時代のうみのイルカの乳首を摘まみそうになったのは、気のせいだから。

「あ・・・・ あれ?? 皆さんどうなさったんですか??」
「「・・・・・・・・演習場で実戦組手。」」
「わー さすが! 今からまだ修行なんですね?! 凄いなぁー!!」
「「・・・・・・・・・・まあね。」」

・・・・・・弱点を克服・・・・。 そうだ、ボク達こそ目の前の弱点を克服すべきじゃないのか?
想像力豊かな部下の3p妄想はさて置き。 寄ってくるうみのイルカを遠ざけるだけが解決策か??
天敵を遠ざける事・・・・ それは一種の逃げじゃないだろうか。 ・・・・・・・・・・いや。
断じてそんな事はないぞ?! ボク達を敬うのなら側に寄って来ても可、だったじゃないか。

ボク達は逃げてない。 弱点から・・・・・ 逃げ出してなんかいないっ! そうですよね、カカシ先輩?
・・・・・冷静に、平常心で、と言い聞かせても。 ハイエナの侵入は、かなりの大ダメージだった。