天敵は中忍 7
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もう大丈夫、自覚出来たと思うヨ。 口で言ってもダメなんだから、体で分からせるしかない。
それはオレ達の部下も同じだヨ。 忍びなら誰でも、そうやって自分の命の重みを学ぶものなの。
暗部印の兵糧丸を飲まなきゃ、とてもじゃないけど自力で立ち上がれなかった、って事実から学ぶ。
だから、俺って今迄失礼だったな、面に落書きしちゃってよく無事だったな、って思うはずだヨ。
オレ達は仲良しな友達じゃないの。 上下関係はハッキリさせないと下に示しがつかないでショ?
暗部のトップツーが里内外の忍びから舐められたら、木の葉隠れの里自体が狙われるじゃないのっ!
・・・・・・・・でも、もし他の忍びと同じく、オレ達に敬意を払ったら、寄って来てもいい。
“カカシさん、テンゾウさん、これまで数々のご無礼を許して下さい!”とか言うのはヨシ。
“お詫びのしるしに、昨日食べ損ねた塩つくね、作って来ました!”とかなら更にヨシ。
ま、そうやって詫びを入れて来たら、少しは仲良くしてあげるヨ。 差し入れぐらいは許そう。
・・・・・じゃなくて! ナニ塩つくねにこだわってんの、オレ。 ヤ、純粋な探究心だから!
小さな雀君はどんなお味になるのでせうか? みたいな、単純な疑問なの。 オレ達が狩ったんだし!
・・・・・・そうだヨ、あの獲物はオレ達の怒気で気絶したんだから、元々はオレ達のだもん。
落し物は持ち主へ、基本だよネ? だから食う権利もオレ達にあると思わない? そうでショ?!
だって気になるんだもん。 普通、雀といったら焼き鳥。 ちんまいショボショボの食いでがないヤツ。
・・・・・・・でも美味いんだヨ、何気に。 だから本音言うと、楽しみだったりしたのっ! 悪い?!
よし、今日からまた前の様な威厳を取り戻したオレ達で、里内外に睨みを効かすヨ、テンゾウ。
さすがのうみのイルカも、昨日の今日では寄って来ないかもヨ? ま、それならそれで全然OK。
一礼して通り過ぎたり、差し入れ持って来たりと、その内にきっと姿を現すだろうと思うけどネ。
ア― その時はもう天敵じゃなくなってるカモ。 短い間だったケド、違う意味で強敵だったよネ?
フフ、思えば数か月前。 暗部で持ち回りだったナルトの警護任務が、ほぼオレ達に確定してから。
短い様で長かったよネ。 最初は、なんだこの命知らずな中忍は! って思ったよネ、オレ達。
暗部がウロウロしてるの初めて見たー って大騒ぎしてから 質問攻めだったよネ、フフフ。
・・・・・?? 更に懐かれちゃうんじゃないか?? ・・・・ま、喜んでたしネー?
でも実力の違いを感じ取ったんだから、昨日のようにヘンな話は振ってこないヨ、もう。
ちゃんと暗殺部隊の部隊長と補佐、受付忍、そういう態度でしっかり接してくれる・・・・・ のを希望。
・・・・・・・・テンゾウ。 オレだって自分に言い聞かせてるのヨ。 口に出して言わないでくれる?
一度口に出してしまうと、本当になりそうで怖いじゃないのっ! 止めてよネ。 さ、仕事、仕事!!
「今日もオレとテンゾウはナルトの護衛任務に就くから。 他はいつも通りネ。」
「三代目から呼ばれるまではここで待機、交代で演習場で訓練。 分かったね?」
「「「「「了解です!! 行ってらっしゃいっ!」」」
「「「「「 ・・・・・・・・・・・・・・行ってらっしゃい。 」」」」」
・・・・・ン? チョット、そこの。 昨日塩つくね横取りしたメンバー。 声が超ちっこいヨ?
返事は人間関係の基本中の基本、妙にムクれた雰囲気を垂れ流して言うもんじゃないでショ?!
昨日の突きは自業自得! なんか文句あんの? この平和な毎日に、どんな不満があんの?
ナンなのヨ! オレ達を不機嫌にさせるのは、昨日までのうみのイルカだけで十分なのっ!
「・・・・・・・・性的志向は人それぞれですが。」
「・・・・・・・・アレはやり過ぎだと思います。」
「うみの中忍は、それでも嬉しそうにしてましたけどね。」
「そりゃ、部隊長達がえげつないのは知ってますが・・・・・」
「あれではただの強姦です! 3pじゃなかったんですか?!」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
・・・・・・・・ハ? ナニ言っちゃってんのお前ら。 なんでそこでうみのイルカの名が出るワケ?!
性的志向・・・・・ やり過ぎ・・・・ 嬉しそう、って・・・・ ごーかん、強姦? 3p・・・・ アァ?!
・・・・・・・お前ら。 一体ナニを妄想してんのっ! チョット待て。 ナニか? 昨日つけたのか?!
オレ達の後をつけたのか、って聞いてんのっ!! ・・・・・・・・ア、ソウ。 つけてはいないのネ?
ハー ビックリした! 部下に後をつけられてるのにも気付けない程、頭が沸騰してたのかと思ったヨ・・・・
ウン、違うのネ? 演習場に行ったら・・・・ うみのイルカが額当てを探しに戻ってきたの、へー。
フ〜ン。 忍服がボロボロで、額当てもとれてて、髪も乱れてて、口の端に血が付いてたの? ホー。
「木の葉の魂、額当てがなかったのできっとここで落としたんだ、って・・・・・」
「・・・・・変わり果てた自分の姿なんか気にせず、一生懸命探してました。」
「手伝うと言ったんですが、自分のせいだからと。 でも塩つくねのお礼だと言ったら・・・・・」
「分かりました、借りを返しに来たんですね? って納得してくれて、俺らも手伝いました。」
「・・・・お二人相手に手も足も出せなかった、って笑ってたんですよ。 健気にも・・・・・」
「「 ・・・・・・・・・・・お前ら纏めて、後で実戦組手だから。 」」
「「「「「 う゛ぇ?! ( まさかの逆切れ?! )」」」」」
まったく! どう解釈したらそうなるんだヨッ! ・・・・・・確かにヨレヨレでボサボサで・・・・。
喜んでて・・・・ ナニ?! 額当て拾って帰るの忘れたの?! ダメでショ、うみのイルカッ!!
額当ては一人前の忍びの証! 抜け忍も、それはそれは名残惜しそうに頭に巻いておく代物なんだからっ!
自分はどこそこの里出身の元忍び・・・・ って言わんばかりに、額当てのマークに横線入れるぐらいなの!
・・・・・・・・・やっぱり、諸悪の根源だった。 オレ達の天敵大復活だヨ。 や、別に死んでないけどネ?