首輪を握る者 15
@AB
CDE
FGH
IJK
LM
俺は縛られるのが好きだ。 優しく縛ってもらうと鳥肌が立つぐらい快感が体中をめぐる。
きつめに縛ってもらうと圧迫される喜びで恍惚となる。 縛ったままで貫かれるのは最高。
職業病だとしても、これは俺の性癖なんだ。 束縛されていると安心するんだよ、嬉しい。
二人の肌を求める俺を、二人が蹂躙する。 誰が本当の飼い主かこの体に教え込んでやると。
だめだ、止まらない。 もっと二人が欲しい。 呼吸が止まってもいいから縛って、俺を。
俺の体にたくさん刻んで。 二人が主である証を。 いい、殺しちゃっても・・・・ いいから。
三代目に心潜術を解いてもらった。 頭の中の記憶の箱を消して、チャクラの封印も解除。
いつもの俺に戻り、二人に抱かれた。 詰問がてら、二人は楽しみながら俺をいたぶったよ。
なんで帰還予定日より三日も遅れたか。 どこの誰と対峙してきたのか。 全部、喋らされた。
もっとも、隠す気なんてない。 知ってるんだよ、俺がこういう聞き方をすれば喜ぶと。
吊るされて代わる代わる二人に犯される、俺のむちゃくちゃ好きなバージョンだ。
トキワのつけた縛り痕を上書きする様に、ちゃんと縛ってくれるところが優しいだろ?
「こんな痕つけて帰って来ちゃって。 ボク達を挑発するのも、ほどほどにしておきなよ?」
「んんんっ! っ! あぁううぅ! やぁあっ! ぅふ、ぅふ・・・ んん・・・・」
「ンー 最後のはサ。 言ってやる必要はなかったよネ? うみの中忍、情けをかけたネ?」
「はっ、はっ、はっ・・・・・・ そ、う・・・ ごめんなさ・・・ ぁぁあぁぁぁああっ!!」
「反省している風には見えないですが。 こんなに喜んでちゃ。 ・・・・ねえ、カカシ先輩?」
「仕方ないでショ。 うみの中忍はオレ達がやるコトなすコト、感じちゃうんだから。」
「んっ、 ぅぅ・・・・ この熱を・・・・ 思い出して・・・ んっっ! はぁ、ぁ・・・ぅ。」
「当然でしょう? ボク達以外の愛撫でこんなに感じる訳ないじゃないか。 ・・・・だよね?」
「ふっ、ふっ、 んっ! ・・・・そう、ずっと・・・・ んっ、んっ! 思いながら・・・・ っ!」
「フフフ・・・・ そうなの? クスクス! スゴイ人でなしの嘘つきだねぇ、セン?」
「ぅあぁっ! 現役・・・・ 暗部・・・・ んっ! だったから・・・ 余計・・・・ ぁんんっ!」
「そうだよ? 一杯人でなしな嘘をついて帰ってきたから、こうやって一杯可愛がってあげるんだ。」
「あれぐらいの情けなら・・・・ ま、ギリセーフ? でもあれがペットの言葉じゃなかったら。」
「・・・んっ! いつでも・・・・・ 俺の、んっ! 首を・・・・ 落とし・・・ ん、はぁっ!」
「「うん、有言実行だから、遠慮なく。」」
二人は紳士的で優しい、俺には勿体ないと思ってた。 でも俺が欲しかった狂気を持ち合わせてた。
トキワが隠し持っていたあの狂気より、もっと強烈な。 細胞の隅々まで支配する様なこの狂気。
俺の首が自分達の為だけに存在してればいい、だなんて。 しかも毎日口づけてくれるそうだ。
これは・・・・ あれだろ? サロメ。 どこかの国の話で、破滅をもたらす愛、ってヤツ。
私を拒絶するなら首だけにしてやる、と聖人の首を跳ねた自己中な姫が、王の逆鱗に触れ殺される話。
もし俺を首だけにしたら、二人は三代目に殺される。 そうなる事が分かっててそう言った、って事。
木の葉の誇る暗部四天王の二人が、俺と一緒に破滅する事を選ぶんだぞ? 里の逆鱗に触れても。
トキワも言ってたな確か。 男は皆ロマンチストだと。 うん、俺の恋人達も究極のロマンチストだ。
でもそんな事、絶対にある訳ないよ。 もし俺が二人以外の男を心に入れたら・・・・ だなんて。
俺はロマンチストじゃなく、リアリスト。 実際に体を貫くこの熱だけが俺の真実なんだから。
「「イルカ。 ・・・・・この首の所有者は誰?」」
「・・・・ぁ・・・・・ はぅ、カカシさんと・・・・ ん。 テンゾウさん・・・・・」
「そう、オレ達だヨ。 もし嘘をつかないで帰ってきたら・・・ 殺してやるからネ?」
「覚えておいて下さい。 この首の鎖を握っているのは、どこにいてもボク達ですから。」
「ん・・・・ んっ! 嬉し・・・ ぐぅっっ! っつっ!!」
俺の首につけられたトキワの縛り痕を消すように、二人のチャクラが俺の首にジワリと巻きつく。
ああ、これは・・・・ 呪印だ・・・・・。 現場で俺がしくじった時の為の・・・・・・。
そして二人は笑ってこう言った。 その呪印、ペット君が前の飼い主につけられた事にしなよ。
言葉を奪われた青年を演じてるんだよね? この呪印はその証拠、って事でよろしく、と。
確かに。 忍術で言葉を奪われた青年というならば、頭を読ませる事とこの呪印があれば完璧。
どこからどう見ても忍術を施された証拠。 でも実際は呪印で、俺を殺す為に施されたもの。
敵に拉致されて洗脳された時、自害できない状況に陥った時、自動的に発動する死の呪印だそうだ。
「フフ、鎖の形にしてみたの。 イイねぇ・・・・ ウン。 スゴクよく似合うヨ、うみの中忍。」
「拉致された時はボク達が取り戻しに行きますから。 諦めないで嘘をつき通しているんですよ?」
「っっ! ん、はい・・・・・・ もちろん・・・ です・・・・ ん・・・・」
俺の首に消えない鎖の刺青を施した二人。 忍びならそれが忍術でつけられたものだと判る。
一体どこにこんな狂気を隠していたんだよ。 嘘つきの俺に相応しい大嘘つきの二人だ。
さすが木の葉の誇る暗部四天王だな。 俺の目に見えるこの首輪こそ、俺が欲しかった恋心だよ。
おい、お前ら見てるか? リアリストの俺が手に入れた恋心は、まさに俺にぴったりだと思わないか?
「トキワさん、その刀の鞘についてる赤いボンボリ・・・・ なんですか?」
「ん? ああ、これな。 ちょっと前、火の国で紐をリメイクしてくれる店を見つけてな。」
「という事は・・・・・・ うひゃー! コレのですか?」
「おい、そんな小指立てての古典的な表現は・・・・・ でもまあ、それに近かかったな。」
「かった、って・・・・・ 過去・・・形? もしかして・・・・・」
「ああ。 ほんの一か月前だ。 ・・・・逝っちまっいやがった。」
「・・・・・・・・す、すみません、自分は・・・・・・」
「いいんだよ、おれにはこの飾りと・・・・ 胸に消えない思い出があるんだから。」
「くはーーーっ! なんでトキワさんに歓楽街の女が群がるのか、分かりましたよ、自分!」
「なんだそりゃ、どう繋がるんだよ。 まあいい。 さっさと仕度しろ、置いて行くぞ。」
「あ、待って下さいよー トキワさんっ!」
ジュリーの『勝手にしやがれ』をご存じの方。 ぜひお友達になって下さい、同世代ですっ!(爆) 聖