真実を抱きしめる 15   @AB CDE FGH IJK LM




「なんの用だ、猿飛。 ・・・・ほう、四天王もお揃いか。」
「おお、よう来たな、ダンゾウ。 実はこんな結界札が見つかっての。 ・・・・見覚えがあるか?」
「ほう、木の葉で販売しておる結界札だな。 それがどうかしたのか?」
「これをダミーにして、感知を逃れておった輩がおる。 まあ即刻、潰しておいたがの。」

「この前は、アタシらの身を案じてくれたんだって? トルネ上忍が言ってたよ。」
「・・・・トルネは得体のしれない化けモンを切り刻んでいたそうだぞ、聞いてないか?」
「少しでもお主ら暗部の役に立てればと思ったが、返って邪魔になったようだな。 申し訳ない。」

「ま、どこの隠れ里か知らないケド。 火の国で好き勝手してくれた礼はしておいたカラ。」
「ええ、アズサさんの口寄せ獣が綺麗に平らげてくれて、骨の粉も残ってはいませんが。」
「なんと、木の葉の暗部は頼もしい事よ。 そんな不逞の輩は早めに狩るに限るな。」



ハハハ。 眉ひとつ動かさないヨ、さすが志村ダンゾウ。 やっぱり他里のせいにして逃げたネ。
まあ、こんなので動揺してるようじゃ、今まで無事でいなかっただろうから? ふてぶてしさは一級品。
三代目があの時言ってたケド。 道を見失っても家族だ、って。 きっとダンゾウのコトだよネ。
小さい頃から知っていて、戦場を共に駆け抜けて。 共に里の未来を語ったりもしたんだろう。

どんなに人情に厚くても、人を殺した数でいったら、この男より三代目の方が多いだろう、比じゃない。
それをこの男は分かっているのだろうか。 自分だけが辛い道を歩んでいるとでも? 大きな間違いだ。
オレ達忍びは、誰だって同じ業を背負うんだヨ。 忍者アカデミーにいるちっこい子供も、初代火影様も。

「・・・・・オレ達木の葉の忍びは、自分の欲望の為の殺しはしなーいヨ。」
「ほう? では一つ問おう。 金で人殺しを請け負う事は、自分の為の欲望とは言わんのか?」
「ええ、言いませんね。 それは取引や商談というモノです。 ビジネスですよ、立派な。」

「それはそれは。 自分はイスの上から見物、手を汚すのは暗部か。 気楽だな、猿飛。」
「アンタなんか勘違いしてないかい? 親父様の仕事をアタシらが代わりにやってるだけさ。」
「・・・・三代目の決断の重みは、おれ達の比じゃない。 この里の忍びの数だけ、だ。」

ヘー。 珍しくダンゾウが問答を続けた。 よっぽど今回の異生物研究を潰されたのが悔しいらしい。
あーあー。 墓穴ほっちゃったヨ。 またアンタと三代目の人格の違いが浮き彫りになるだけなのにサ。
この人、結構自虐趣味なワケ? とっととアズサに会った時のトルネのように、撤収すればよかったのに。
ま、嫌みを交えて煽ったのは、このオレなんだけどネ? しっかり誘導されちゃって、ありがとう、てか?



「人が逝く時には走馬燈の様に思い出がよぎるそうじゃ。 お主の思い出す忍びの顔は、笑っておるかの?」
「・・・・・・・わしら忍びが死ぬ時は何も残らん。 それは今も昔もだ。」
「そうかの? ワシは違うぞ? 皆の一番幸せな時の顔をたくさん知っておるからの?」
「・・・・ふん。 わしの側近トルネが、暗部の任務の邪魔になった件は謝ろう。 では、な。」

ワー 言い負かされても、ふんぞり返って出て行った。 あそこまで他者を認めないヤツも・・・ 珍しいよネ?




「ぷ、くくく・・・! カカシ先輩、なに煽ってるんですかっ! あははは!」
「・・・アズサもな。 勘違いって、お前・・・・・ ふっ!」
「なんだいっ! アンタだって火影とは・・・ みたいな事、言ったじゃないかっ!」
「テンゾウもネ! 立派なビジネス?! その通りだヨ、マジで!! フフフフ!」

「まあ、ワシもちと偉そうに説教なんぞしてみたが。 どうじゃったかの?」
「「「「・・・・・・ぶっ!!!! あはははっっ!!!!」」」」


正直、あそこまで三代目が言うとは思いませんでした、ボク。 さすがに眉毛がピクピクしてましたよ?!
洗脳しなきゃついてこれない様な忍びしか周りにいないって、いい加減気付いたらどうなんでしょうかね。
しかも呪印・・・ でしたっけ?? 舌の。 ペラペラ口を割る部下が多いって言ってる様なもんだ、って。
ほんと懲りない爺さんですね、あの人。 三代目に立てつく度に、格の違いを見せつけられるだけなのに。

強制的に力で制しても、それはまた新たに力で制する者を生むだけ。 三代目はそれを変えようとしている。
ボク達はそんな忍びの里、そういう教えに到達した初代火影 柱間様が創設した、木の葉隠れの里の忍び。
火影になるという事は、先代火影の思いも、今、この国や里に住む人、全ての思いを背負うっていう事だ。


ボク達は婚儀の時に火影岩に誓った、その火の意志を受け継ぐと。 病める時も健やかなる時も、って。
一人ではそれは出来ないんだ。 たくさんの人がいて、たくさんの忍びがいて、始めて実現出来る。
たくさんの人の繋がりの輪が、いつの間にか広がって行く。 守りたい何かがどんどん増えて行く。
イルカ先生なんか、ボク達が異生物になっても共にいる、って誓ったよ? どんだけボク達が好きなの?!

「ねぇねぇ、聞いて? イルカ先生サ、オレ達がゼリー状でもいいらしいヨ? とんだ変態だよネ?」
「ええ、霧状でも液状でもいいって、言ってましたもん! 異生物プレイですよ、マニアでしょう?」
「「超、ラブスイッチ入れまくっちゃって、エロいのなんのっvv」」

「・・・・あれ、かなり湾曲してると思うぞ・・・・。」
「・・・・なんであんなにお腹さすってんだい?」
「ほほほほ、喜んでおるのぉ。 お揃いの刺青をな、入れてやったのじゃよ。 ほほほ。」
「「・・・・てっきり、腹が冷えてるのかと思った。」」


ボク達の見かけやテクに惚れただけなのかな? それならテクをもっと磨いてあげなきゃ、とか。
カッコいい目線や笑い方を研究しなきゃ、とか。 先輩といろいろ相談したんだけど。 必要なかった。
イルカ先生はどんなボク達でもいいらしいよ? つまり、中身がボク達ふたりなら、なんでもイケるって事。

実は昨日変化して、いろいろな怪物になって襲ってあげたら、久しぶりに独占欲を主張したんだよ。
マーキング攻め。 そこらじゅうに噛みついたり、引っ掻いたり。 なんだか妙にエキサイトしてたんだ。
まいったよね、イルカ先生があんな変態プレイで燃えるなんて、思ってもみなかったよ、ほんと。
でも互いの性生活は充実させなきゃいけないでしょう? これって、重婚生活の基本だよね?

イルカ先生がどんなにエロでもマニアな変態でも、ボク達も先生と共にいる事を誓ってあげるよ? 家族だしね!




鎌鼬式 婚礼の儀=火影岩への誓い+指への接吻 でしたv 指ちゅーって、何かエロくないですか?!(爆)    聖