真実を抱きしめる 3
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発情し過ぎてダルダルになると動くのも面倒なのか、先輩の忍犬のブルを呼んでとおねだりしてくる。
イルカ先生は世話焼きでお人好しだけど、どこでも発情するエロイルカだ。 で、おねだり上手。
“聞いてくれなきゃ 悲しくって泣いちゃいますよ?”そんな目で訴えてくる、超甘えたさんなんだ。
またボクが変化をかけるんですか?! チャクラを消費したから? それは自業自得でしょう?
体力を消耗したというイルカ先生は、先輩にブルを口寄せさせ、ボクに変化をかけさせるのはいつもの事。
でもそのままの姿で式を挙げるって? ちょっと! いくら仔イルカ姿に自信があるからって・・・・
なんで神聖な婚儀に子供の姿?! はあ、まあ・・・・・ そう言われてみればそれも一理ありますが。
“俺が式の途中で発情してもいいんですか?!”と逆切れ。 性欲がコントロール出来ない中忍め・・・。
仕方ない、先輩じゃないけど、これもイルカ先生のおねだりと思えば。 子供ならああまで発情しないしね。
ボク達の事を好き過ぎるイルカ先生は、何かにつけて甘えてくる。 叶えてあげるのも婚約者の務めだ。
・・・・・写し変化の術っ! まあ、こんなもんでしょう。 ちゃんとモーニングのサイズも子供仕様です。
なんか・・・・ 先生だけが子供っていうのも・・・ ボク達の趣味だと思われちゃうんじゃ??
・・・・・そうですよね、だったらここはボク達もつき合わなくちゃいけないですよね、婚約者としては。
だって先生だけ変化させて式を挙げちゃったら、ボク達完璧なロリコンになっちゃうじゃないですか。
部下にはそんな誤解はして欲しくないし。 先生の職場仲間にだって、そんな誤解してほしくない。
ボク達は、暗殺戦術特殊部隊の一部隊を率いる者として、火影様の手足となる存在だ。 それはマズイよね。
そして子供のままで結婚式を挙げる気らしいイルカ先生・・・・ を乗せたブルと、並走して火影岩まで来た。
三人の子供の到着だ。 白モーニングを着たボク達三人。 あ! でもよく考えたら、これなら面いらない?
正規の忍びも多く参列するから・・・・ イルカ先生なりに気を遣ったのかな? モーニング姿に動物面。
たしかにヘンテコリンな格好だもんね。 部隊長である先輩とボクの体裁を気にしての心配りなのか、ふふ!
火影岩の顔岩がある山の上は、満員御礼。 正規の忍びが思いのほかたくさん来たので。
山の上は正規の忍びに譲って、ボク達の部下やカオルさんとアズサさんの部下は、側面組に回ってもらった。
チャクラで山の側面に張り付いてもらっている。 あいつらなら、何時間でも張り付いていられるしね。
おおー、壮観! なんでも今日に合わせて、皆で任務を終わらせたとか。 暗部隊員は全員出席だ。
アカデミーの先生軍団も。 特別上忍が臨時教員代わりになってくれたとか。 受付係は正規の上忍が。
イルカ先生に地図を作ってもらって助かったから、とか言って。 自分から立候補してくれたらしいよ?
まあ、ボク達は差し入れとか、ヘンに誤解しなきゃそれでいいだけだ。 それで気がすむなら甘えよう。
遠くから見ると、火影岩山に無数の棘が刺さっているように見えるだろう山頂で、ボク達の式が始まる。
「「「歴代火影に誓います。 我ら火の意志を受け継ぎし者として、火の国を守る武器と成る。」」」
「うむ。 お主達の思いは先代に届いた。 これからも里の家族として木の葉の忍びであれ。」
「「「はい!」」」
「では誓約と証を交せ。 ここにいる忍び、皆がその証人となろうぞ。」
「病める時も」 「健やかなる時も」
「共に居る事を誓います」
「「「・・・・・ちゅv ちゅv」」」
ボク達のそれぞれの誓いの言葉。 今より少し高い声。 歴代の火影様の火影岩に向かって誓う。
神聖な指チューも。 こんな事よりもっと凄い事を大人の姿で一杯してるのに、なんだか照れちゃう。
お堅い儀式なんて・・・・・ とか思ってたけど。 なんだか本当に、歴代火影が見守っている気がした。
「「部隊長!! おめでとうございますっ!!」」
「「イルカ!! 幸せになれよー!!」」
「ハハ! 三人で、か。 中忍なのに体力は暗部並みだと認めてやるよ。」
「ん? ・・・・・ああ。 暗部用の栄養剤を薄めて飲んでるそうだぞ?」
「・・・・・なんだドーピングか。 まあ、根性は暗部並みだね。」
「・・・・おふくろさん、基本的にアイツらには甘いからな・・・・」
たくさんの仲間達が見守る中、ボク達の結婚式は無事終了。 正規の忍びはそれぞれの職場へ戻って行った。
三代目と山肌に張り付いてた暗部の隊員達が残される。 ・・・・それも気を利かせてくれたのかな?
ピョンピョンと山頂に飛び移ってくる隊員達は、やっぱり遠目には飛び跳ねるバッタみたいに見えるだろう。
これで面をとっても大丈夫。 先生の変化も解除して、ボク達の変化も解く。 もう指チューは終わったしね。
先生がエロチャクラ出して発情する心配はない。 隊員達に改めて祝福される。 お堅い式も良いもんだね!
え? 皆から?? 部隊の皆からボク達にプレゼントがあるらしい。 なんだろう・・・・??
「暗部隊員一同、これをお三方に!」
「ナニ? ・・・・ラブジェル? お! 気が利くねぇ!」
「エロイルカには必需品です。 皆、ありがとう!」
「ははは・・・・ どうもありがとうございます。」
「・・・・・おれからはおふくろさんに、だ。」
「コレ、暗部用じゃないの、カオル! イルカ先生、ビンビンになっちゃうヨ?!」
「い、いいんです! 薄めて飲みますからっ! カオルさん、ありがとうございます!!」
「まあ先生は、受付やらアカデミーやら、書類整理やら、忙しいですしね・・・・。」
「アズサさん・・・・・・・ これは・・・針、ですか?? 極細千本??」
「それで恥骨の何箇所かをつけば、疲労回復するんだ。 アタシのオリジナルさ。」
「・・・・・ねぇ、アズサ、そんな間抜けじゃないけど。 ちなみに恥骨以外をついちゃったら??」
「アハハ! アンタ達はその手で情人を殺す事になるだろうね。」
「・・・・・と、とりあえず・・・・・ あの・・・ ありがとうございます。 (暗部って・・・・) 」
部下達からラブジェル一年分と、カオルさんから栄養ドリンク一年分と、アズサさんから暗器を貰った。
カカシ先輩、イルカ先生の熱い思いに絆されちゃったボク達ですが・・・・ 嬉しいもんですね、なんだか。
これも“縁”ってヤツですからね。 エロイルカを憐れんで、歴代火影が与えた出会いだったんですよ。
よかったですねイルカ先生、ボク達に出会えて。 キッカケはどうであれ、先生は恵まれているんですよ?
さあ、ボク達の家へ帰りましょう。 また発情しないうちにね。 イルカ先生はよくても青カンは勘弁です。
せっかくの思い出の白いモーニングが、赤土まみれになっちゃうじゃないですか。 そうでしょう? ね?
「なあ、エスコートの時、カオルさんに抱っこされてた戌部隊長・・・・ 可愛かったな?」
「うん。 アズサさんに抱っこされてた猫部隊長も。 あんな頃もあったんだな、って。」
「「・・・・・・今じゃツンデレ街道、ひた走ってるけどな。」」
「・・・・・・・・・三代目に抱っこされてたおふくろも、頼りなげで可愛かったな?」
「うん。 なんとなく守ってあげたくなる様な・・・・・ ひ弱そうだし・・・・。」
「「・・・・・・今じゃすっかり、胆っ玉母さんだけどな。」」