真実を抱きしめる 5
@AB
CEF
GHI
JKL
MN
「これ、オシャレですよネ、三代目。 クナイなんだけどカラフルだから、アクセサリーみたい!」
「発想が若いですよね、実は三代目って・・・・・ かなりの遊び人だったりしました? 若い頃??」
「・・・・・嬉しいなら嬉しいと、素直に言えばよかろうに。」
「「イルカ先生はめちゃくちゃ喜んでいましたっ!」」
「・・・・・ほほほほ。 あ奴が、そこが良いと言うておる意味がわかるの。」
「「???」」
モウッ! イルカ先生、三代目にまでオレ達への愛を語ってるの?! そういえばこの腹の刺青だケド。
用もないのに、ついお腹さすったりしちゃう。 この前部下に“腹下してんですか”とか言われたの。
三代目がオレ達三人のチャクラを練り合わせて、この刺青を刻んでくれたんだーヨ。 この前の結婚式で。
誰が死んだのかすぐに分かるように。 三色にするならと、ミナト先生の三又クナイに似せたんだって。
オレ達忍びは、誰がいつどうなってもおかしくない。 特に暗殺戦術特殊部隊の隊員なんてのはネ。
そりゃオレ達の仲間からのプレゼントも、エロイルカには必需品だから喜んでたケド。 でもきっと・・・・
この刺青が一番嬉しかったと思うヨ。 中忍のイルカ先生の耳に入る速さの情報じゃないからサ。
「どんな時もここにいるみたいです。 ・・・・って喜んでました、イルカ先生が!」
「ネー! 別々の所にいても一緒にいるみたい! って言ってました、先生が!」
「そんなに嬉しいのか、そうかそうか。 ほほほ、お主達忍びの幸せが、ワシの幸せじゃからの?」
「もちろん! イルカ先生はオレ達と一緒にいられて、超幸せですヨー ホントに!」
「ボク達に出会えた事が、イルカ先生にとっての幸せで・・・・・・ シカクさん、なんでしょう??」
「・・・・あー コホン! 幸せ一杯のムードをぶち壊して申し訳ないが。 三代目、よろしいですか?」
イヤ、幸せ一杯はイルカ先生だから。 もうね、オレ達のこの刺青を見る度にエロチャクラ出すから。
最近は落ち着いて来て、ちょっと前までみたく、激しい独占欲を主張するようなコトはなくなったケド。
噛みついたり引っ掻いたりとかネ。 でもそのかわり無言のおねだりになった。 印つけて! みたいな。
だから超濃いヤツをつけてあげるコトにしてるんだヨ。 おねだりを聞いてあげるのも旦那の務めだもん。
理性ありまくりのオレ達でさえ、あのエロチャクラにはかなわないんだよネ。 肌がゾワゾワするのヨ。
ホラ、イルカ先生オレ達に惚れまくりでショ? だから、まだまだ足りないのなんとかして・・・・ って。
あの涙目と熱い指先がそう伝えてくるの! オレ達はいつもいつも搾りとられて・・・・ ん??
「どうしたんじゃ? なにか問題でもあったかの??」
「この前の・・・・ 頼まれた写真なんですが・・・・ 少し問題が。」
「確か・・・・・ 火の製薬が所有する血液センターの施設じゃったな?」
「はい。 丁度いい、暗部の手を借りるかもしれないから・・・・ 一緒に聞いてくれ。」
「火の製薬??」 「血液センター??」
?? ナンだろう・・・・ シカクさんがオレ達の手を借りたいらしい。 製薬会社の・・・・ 施設??
中忍のツーマンセルで遂行した任務? ・・・・もしかして・・・・・ 殺られた? 報復なら任せて?
エ、違うの?? じゃぁ、なんで暗部の手を借りたいだなんて・・・・・ はぁ?! 入れなかった?!
火の製薬ってデカイ企業だケド、一般人が経営してる会社だよネ? ウチの中忍が入れないなんてコト・・・・
「それがあったんだ。 本来なら、木の葉の結界札が警備の役目を担うはずだろ?」
「ええ。 一般企業とはいえ、火の国の大企業ですから。 ウチの結界札を使用しているはずです。」
「・・・もしくは、定期警護の依頼として、忍びの派遣を要請するはずだよネ?」
「火の製薬は定期的にウチの結界札を購入しておるぞ? 木の葉の忍びが弾かれる事は考えられん。」
そうなんだヨ。 火の国の大きな企業は、ウチの忍びを雇うか、結界札を購入して警備を強化するか。
そのどちらかなんだヨ。 だから、木の葉の忍びは、結界札の効力を無効化して入るコトが出来る。
どの企業にいつ結界札を何枚売ったとか・・・・ それは機密情報だけど里側が全部把握しているからネ。
ウチの忍びなら、どんな結界札かを事前に調べて、結界に反応しない忍具を用意してから行くだろう。
なのにウチの忍びが、ウチで購入したはずの結界札に弾かれた。 これらの意味するところは二つだ。
一つは、結界の種類や枚数を記入し間違えたかもしれない・・・・ そうならそれは、受付忍の記入ミスだ。
もう一つは、ウチの里の結界札を使用してない場合・・・・ これは里を信用していない、ってコトになる。
受付忍の記入ミス?! そんなコトあるワケないでショ?! ん?? イヤ、待てよ・・・・・??
はっ!! まさかイルカ先生なら?! あり得る!! 結婚式を挙げて、あまつさえ幸せ一杯だもんっ!
腹の刺青をサスサスしながら、上の空で記入したかもっ!! マズイ!! コレって、オレ達の責任?!
・・・・どうする、テンゾウ。 奥さんのミスは、やっぱり旦那達がカバーしなきゃダメだよネ?!
「取り合えず、これ以上ミスをしない様に、注意して来ますっ!!」
「いくらオレ達に夢中とはいえ・・・・ 公私混同は許しませんっ!!」
「「失礼しますっっ!! イルカ先生〜〜〜〜〜〜vv」」
「・・・・三代目。 俺、ちゃんと手を借りたいと言いましたよね? 暗部の部隊長ふたりに。」
「うむ、ちゃんとそう言うておったの? ただ単に、会いたくなっただけじゃろうて。 ほほほ。」
「・・・・・・・あの。 お言葉を返すようですが、それこそ公私混同なのでは・・・・」
「あの任務の依頼人は忍びの隠れ里が珍しいらしく、イルカに軽く里を案内させたのじゃ。」
「ではうみの中忍とは、依頼以外の私事の話をしているかもしれない・・・・ と?」
「うむ。 依頼内容だけでは判断できん事もある。 あ奴は忍びっぽく見えんからの。」
「うみの中忍の着眼点から・・・・ あの二人なら何かを感じ取ってくる・・・・?」
「なにかが違っていても、依頼人本人が気付いていなければ、ワシが記憶を覗いたとて無駄な事じゃ。」
「公私混同してても、あの二人は暗部 部隊長ですからね。 ・・・・・・・・恐れ入りまして。」
「・・・・・でも・・・・懐かしいですね。 俺もこの知恵の輪の刺青、嬉しかったな・・・・」
「ほほほ。 あの時のヨシノとお主も、あ奴らと似たようなもんじゃったぞ?」
「えーーーっ?! あそこまで浮かれてなかったでしょう、いくらなんでも!」
「そうじゃったかの? 何か理由をつけては・・・・ 会いに行ってたような気がしたが?」
「・・・・・・・・ははは・・・・ あー まあ、時効という事で、ひとつ。」
「ほほほほ。 皆の一番幸せな時を知っておる事が、火影の特権じゃて。」
「うわー ・・・・・・・・まいったな、こりゃ・・・ ははははは!」