真実を抱きしめる 4
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たくさんの仲間に立ち会ってもらって、俺達の結婚式は無事終了した。 それで一日が終わる事はない。
だから午前中に婚儀を終えて、仲間は元の職場に戻り、俺達もそれぞれが日常生活へと戻る。
残念ながら、世の中には困っている非力な人達がたくさんいる。 育ち盛りで甘ったれの子供もたくさん。
善意とは言えアカデミーの一日講師や、受付の仮受付忍となってる忍び達と、バトンタッチだ。
持つべきモノは、火の意志をもつ同士だよな! まあ、こんなに大々的になるとは思わなかったけど。
いや、思っていたけど、まさか全員が参列してくれるなんて。 それだけで胸が一杯になったよ。
ウチのふたりは相変わらず、いきなりスイッチが入って盛っちゃうし。 油断も隙もないよな。
最近では反撃する気力も起きないから、好きなだけ喰わせるようにしてる。 俺には秘密兵器があるから。
薄めて飲んでるんだよ、カオルさんに貰った暗部用の栄養ドリンクを。 兵糧丸なんて目じゃないぞ?
だから事後は遠慮なくダレる。 回復剤もある、吸われるのも一回だけ。 無駄な抵抗はしない方がいい。
なぜか俺が反撃しないと、ふたりはキスマークを一回しかつけない。 その方が断然おりこうさんだろ?
そして家で着替えてしばし余韻に浸ってから、俺達も日常へ戻る。 ふたりは暗部待機所、俺は任務受付所。
もちろん三代目も受付へと戻る。 ・・・・暗部からのプレゼントは全部、性生活支援アイテムだった。
皆恐ろしく強い忍び達なのに、気取らなくていい人達だ。 でも一番嬉しかったのは、三代目からの贈り物。
「三代目、先ほどはありがとうございました。」
「ほほほ。 やけにしおらしいの? 元気印のお主が。」
「だって・・・・ あんなサプライズは思ってもみませんでしたから。」
「ワシが立ち会った忍び達には、必ずアレをすることにしておる。 気休めじゃがの。」
そうなんだ。 カカシさんやテンゾウさんの部隊長仲間、隊員達が用意してくれたモノも嬉しかったけど。
なにがって、三代目がチャクラを練り合わせ、俺達の腹にそのチャクラを刺青にして刻んでくれた事。
各々のチャクラを刻んだから、自分の死後も俺達のモノ、未来永劫消える事はないと、三代目は言った。
“お主達にはこのクナイが似合うじゃろう” 四代目火影が愛用していた三又のクナイを模した、と。
カカシさんが黄、テンゾウさんが緑、俺が青。 それぞれのチャクラを現した色が刃に入った、クナイ。
カカシさんは四代目の弟子だった人だ。 その形の刺青にしてもらって、誰よりも嬉しかったに違いない。
そしてもしも・・・・ もしも誰かが死んだ時、三色の中からその色だけが消えるそうだ。 鉄の色に戻る。
「・・・・・それでも、嬉しいです。 誰よりも早く知る事が出来るなんて。」
「うむ。 ワシ達忍びはいつどこで何が起きるかわからんからの。」
「家に帰って、さっそく比べっこしてみましたよ、ふふふ!」
「そういう幸せそうな顔が見たかったんじゃよ、ほほほほ!」
「・・・・・・・でも木ノ葉丸君のお守はやりませんからね?」
「ちっ、のせられんかったか。 ますます成長したの、イルカや。 ・・・・・子供好きの名が泣くぞ?」
「確かに。 でも残念ながらアカデミー生とウチのふたりで手一杯です、他を当たって下さい。」
「むぅ。 ほんに可愛げがなくなったのぉ・・・・ つまらん!」
可愛げなんかなくたって、結構ですっ! 突然何かのスイッチ入っちゃうぐらい可愛がられてますから!
そりゃ御年4才の木ノ葉丸君はめちゃくちゃ可愛いですよ?! でもそれとこれとは別モノです!!
この前、三代目が受付に連れて来たから、つい遊び相手になってあげたけど! 公私混同しちゃ・・・・??
きょろきょろしながら受付所の入り口に来た人と目が合った。 は! 営業スマイルだ! ニッコリv
「あの・・・ こちらで任務依頼をお願い出来ると聞いて来たのですが・・・・」
「ようこそ、木の葉隠れの里へ! 子守りから暗殺まで、なんでもお任せ下さい!」
「えっと、その・・・・ 盗撮? その・・・・ こっそり盗み撮り、とかは・・・・」
「はい、承っておりますよ? 私ども木の葉の忍びにお任せ下さい、どんな所でも忍び込めますから!」
「わ! よかった!! 警戒が厳重なところなので、私ではとても・・・・・ あ、あのお支払いは・・・・」
「依頼内容によりますじゃ。 一概においくら、とは言えませんな。 盗撮ならばなおの事。」
「あ、いえ、仕事関係で手に入れたいモノじゃなく、私の妹の写真を撮って来てもらいたいんです。」
「ほう。 なにが事情がありそうじゃな。 宜しければここで詳しくお聞かせ願えるか?」
依頼人はパリッとスーツパンツで決めてる女性。 いかにもヤリ手のキャリアウーマンという感じだ。
だから俺も、盗み撮りって聞いた時点で、てっきりどこかの企業の裏情報が欲しいのかと思ったよ。
でもこの人は、妹さんの写真が欲しいそうだ。 なんでまた・・・・・・ 家族なのに??
俺と同じ疑問を持ったのかどうかは分からないが、三代目は事情を詳しく聞きたいらしい。
本来なら依頼人の希望通りに任務を遂行するだけだ。 写真が欲しいと言われれば撮りに行って完了。
でもここは木の葉隠れの里。 どの忍びの隠れ里よりも、人情に厚いと大陸では知れ渡っている。
だからこうやって、三代目が依頼人に踏み込んだ事を聞いたとしても、反感を買うような事はない。
・・・・もしそういう人がいたら、木の葉隠れからお帰り頂く。 ウチでは依頼を受理しないんだ。
当然だろ? 任務依頼の信憑性は、忍びの命に直結する。 疑問に思ったら受付で暴かなきゃならない。
まあ・・・・ その度合いは三代目の判断なんだけどね。 超裏がありそうな話なら火影室へご案内、だ。
ここで、っていう事は。 この任務依頼の裏は、国交関係や隠れ里関係ではない、って事。