命の代償 12
@AB
CDE
FGH
IJL
MNO
P
少しぐらいなら生気を吸い取られても仕方ないよな、その為の囮なんだし! とか思ってたけど。
そんな心配は無用だった。 暗部は暗部でもなんとスーパーエリートの部類、吃驚パート1だ。
賭け印のはっぴを着た金髪女性と紺の瞳のハスキーボイスな男性の掛け合いは面白かったし、
温厚そうな面持ちで落ち着いた黒髪青年と銀髪で片目を隠した青年は優しそうな笑顔だった。
この四人からそんなスーパーエリート暗部を連想できるか?! んなの、誰だって無理だろ?
吃驚したけど木の葉の暗部 四天王といったら、そりゃケタが違うからな、もう一安心。
禁術の術者だって彼らにかかれば一発だ。 俺の贄の印もきれいさっぱり消してくれる!
・・・・とか安心しきってた罰だろうな。 更に吃驚のどんでん返しがきた、有り得ねえよ・・・
確かに術者はあっという間に首を落とされてた。 俺、囮の意味あったの? ってぐらい。
吃驚パート2は、動物にしか効力がないはずの俺にかかっている呪印が発動しちゃったんだ。
それだけじゃない、何を血迷ったか俺に盛り始めた。 暗部の四天王のうちの二人がだぞ?!
俺から二人を引き離して当たらずも遠からずの分析結果を出した他の二人はというと、これがまた。
俺の瞳術を封印する為、暗部 部隊長2対2の激しい攻防が繰り広げられるのかと思いきや、だ。
早々に諦めたんだよ、俺を担いで天井や壁に飛び移るカカシさんとテンゾウさんを捕まえるのをな。
挙句の果てに“部屋に置いとこう”ときた。 噂の暗部四天王をめちゃ尊敬した俺の純心を返せ!
鬼、悪魔! と叫ぼうとした時だった。 天の助けのごとく、弥平さんが来てくれたんだ。
よし、これで何が何でも俺を助けてくれるはず! と期待したけど現状維持。 無視かよっ!!
耐え忍べだ? 右から左から、前から後ろから、ってやつだぞ?! そんなの無理に決まってるだろっ!
俺は無害な呪印を持ってるだけのごく普通の中忍だ、あんたら暗部の超エリートと一緒にすんなよ!
だいたいなんだ、俺が気配を消し損ねたとか。 消すもクソもないだろうが、こんな状況でっ!
結界の中だか何だか知らないが、気配を消しつつおっ起てる方が器用すぎるんだってっ!
あの超真面目な弥平さんからみえてる俺って、一人でハァハァしてるただの変態野郎だよ、うぅ!
え、なに? アナルセックス?! 女と経験あんの?! マジで?! すげー さすが暗部・・・・
じゃなくて!! 変なとこ感心してる場合じゃないっ! だったら尚更ピンチじゃないか、俺っ!
「ちょ・・・ んっ! 少しは抵抗ってもんを感じないんですか?! 俺、男ですよ?!」
「ンーv ゼンゼンv」
「んーv ちっともv」
「ぁ・・・・ や・・・・ まっ・・・・ んん・・・・」
「「すごく楽しいっっw」」
うぅ、やっぱりそうキタか。 男も女も尻の穴の作りは同じ。 悪かったな、未経験でっ!
野郎同士の3Pも人前のオープンセックスも未経験だよコンチクショー! それが普通だろ?!
さっきも思い知ったばかりだ、自分の甘さと暗部のシビアさを。 認識不足の俺が悪いの?!
もしやこれが普通とか言う?! 何が悲しくて人前でよがらなきゃならないんだ、助けて母ちゃん!
そう、俺の元々持ってる呪印というのはズバリ、発情期のメス並みにオスを惹きつける瞳術。
里の禁断の森がガキの頃の俺の遊び場。 人になかなか懐かない野生の動物と仲良くなりたくてな。
なんてことはない、小さい頃の単純な思いつきだった。 で、生前の母ちゃんに頼んだんだ。
『かあちゃん! 禁断の森の動物の方から寄ってくる方法って・・・・ なんかない?』
『発情期ぐらいじゃない? 私たちくノ一の使う魅了系の術に似たのがあるけど・・・』
『かあちゃん、発情期ってなに?』
『ん? オスがわんさかメスに寄って来るのよ、期間限定で。 禁断の森ねえ・・・』
『えー! オスだけなの?! でもいいや懐いてくれるなら! わーい、発情期の術!!』
『くす! そのネーミングセンスは微妙だけど。 仕方ない、イルカの頼みだもんね?』
『やったぁ〜〜〜!』
『イルカおめめを大きく開けてこっち見ててねー フェロモンを一時的に増加させるから。』
『あー んー かあちゃん、フェロモンってなに?』
『ん? 魅力の素。 ふふふ! イルカ、口は開けてなくていいのよ?』
『んー ぉー うー んー 』
『くす! 閉じてていいんだってば! 違う、違う、目は開けてるの! くすくす!』
術をかけてもらったのと同じ年。 九尾が木の葉に現れて、俺の両親は死んじゃったんだ。
俺の眼球に俺のチャクラでかかる様にしたらしく、術者が死んでも俺にかけられた術はそのまんま。
俺の母ちゃんは上忍、中の上だけど中忍の俺には残念ながら解術は不可能。 で、呪印扱いになった。
大きくなって知ったけど、禁断の森にいたのは野生の動物なんかじゃなくて契約獣だった。
母ちゃんは多分、俺が自分の口寄せ契約獣を探していたんだと思ったんだろうな。
口寄せ獣と俺が契約しやすい様にとかけられた瞳術、だから普通の動物には効きまくる。
困った事といえば、犬や猫、鳥やネズミまで寄って来ちゃう事ぐらい。 効き目が結構強力だから。
な? 別に命に関わる様な呪印じゃないだろ? 年にたった三日間だけだ、どってことない。
まあ、その三日間ってのが曲者。 ランダムだから三代目が側においてくれてるんだよな・・・・
俺が市井に入る時に私服なのは、一般人を怯えさせない為と、事件に巻き込まない為なんだよ。
前者は忍びだというだけでむやみに怖がる人がいるから。 後者は他里の忍びと交戦になった時。
でもまさか、帯のあのイルカ柄の刺繍が呪印の封印術式だったなんて。 吃驚パート3だ。
考えてみれば動物をゾロゾロ引き連れた男なんて、街中では目立って仕方がないもんな。
三代目に感謝だ・・・ なんて。 帯のない状態じゃ封印術式も感謝も意味がないよっ!
ぎゃー 吸い付くなっ! 変なとこ舐めんなっ! 当たってるっ! 固いのが二つ当たってるってっ!
「モウ! “ギャー”はないでショ、色気のない ・・・ンー でもそこがまたカワイイッv」
「抵抗されればされるほど燃えるって、知っててやってくれてるんだよね? 同じ男だからw」
「ぁっ! ちが・・・・ うぅ・・・ んっ! はぅっ!」
色気なんてあってたまるかっ! 可愛くなくて結構っ! てか、これマジで抵抗してるんですけど?!
何が抵抗されればされるだけ燃える、だ! ああ、その通りだ男なら誰でもな! でもこれは・・・
ちょっとっ!! どこ行くんですかっ!! いや、そりゃ任務遂行する為だとは思ってますけども!
アズサさん! カオルさん! こうなりゃダメもとで弥平さんっ! この二人、何とかして下さいっ!
こんな状態で放置していくなよっ! ちょっと!! 酉部隊長、猿部隊長っ!! いかないでっ!!
「フフフ・・・・ やっと邪魔者がいなくなったネーv ベローンッw」
「ふぅぁ、ぁ・・・・ ん・・・・」
「もう、この喜びよう! 形だけの抵抗も可愛すぎるっv んちゅーw」
「あ、あ、あ・・・・っんっ!」
うぅ・・・ 本気で抵抗したのに。 動物相手なら腰振ろうが突進してこようがどってことなかった。
二対一じゃかなわない。 内訳が暗部の長二人と中忍一人だぞ? 無理だってっ! うぅ・・・
ムカつく事に気持ちいい。 だよな、元々が雌仕様の瞳術、気持ち良くなっても・・・ 当然だよな?
さらば俺のお尻童貞・・・ いや、童貞とは言わないな、俺、童貞じゃないし。 後ろの、って事だ。
処女菊? 破瓜尻? もう何でもいい、とにかくさらばだ。 さらば、俺の平凡な日々よ!