鬼達の金棒 12   @AB CDE FGH IJL MNO P




お抱えの隠れ里最有力候補の里との交渉はイルカ先生にお任せ。 どう考えてもその方がいいでショ?
先生も言ってたじゃない、内面が気に混ざる、って。 オレ達じゃ相手が身がまえちゃうからネ。
だから、オレ達の誰かが残って交渉するよりも、雰囲気が丸いイルカ先生の方がいいに決まってる。

もちろんイルカ先生も中忍だから人を殺してるだろうケド。 数がネ・・・・・ 違い過ぎるんだヨ。
殺気なんて出さなくても、今迄体に浴びてきた多くの血の臭いは、強いヤツには分かるんだよネ。
あの国に派遣されている各里からの忍びは、それこそ里を代表する様な上忍達ばかりだった。
そういう連中は、オレ達がいくらニコニコして接してもサ、オレ達の中の獣に気付いちゃうカラ。

捕縛した薬湯の里の忍びも、なかなかの者だったヨ? ま、相手がオレ達だったのは運の尽き。
瞳術で口を割らせた情報を元に薬湯の里にやって来た。 里長の名も聞き出したからネ、逃がさないヨ。





オレ達はどうやっても目立つからサ。 イルカ先生も大絶賛した子供のオレ達になるコトにした。
初対面の時、イルカ先生はオレ達だって聞いてたのにも関わらず“可愛いなぁ!”って言ったもん。
自分で言うのもナンだケド、オレ達だと知らないヤツらなら、油断しまくりじゃないかと思って。
子供姿でイルカ先生に一般常識を教わってる時、部下達もオレ達だとは気付かなかったしネ。

「「「「変化の術っっ!!」」」」

「なんかさ、自分の子供姿に違和感がなくなってきたのは・・・・ 気のせいかい?」
「・・・・ふっ。 イルカ先生に質問する時は、いつもこの格好だからな。」
「ふふ! だからつい、ボク達も変化しちゃうんですよね。」
「ウン! オレ達のこの姿、イルカ先生大好きだもんネー?」

「カカシ、テンゾウ。 ちょいと個人的な事を聞いてみたいんだけどさ。」
「・・・・・・・・・アズサ、余計な事を聞くな。」
「「何??」」
「いや、つまんない事さ。 ・・・・・先生も変化させて子供同士で・・・・」

そんなワケないでショッ!! 先生のビクビクやピクピクのあの反応がいいのにっ!
冗談でしょうっ!! 子供になったらナニの気持ち良さが半減じゃないですかっ!!
「「 子供になってもセックスには混ぜてあげないっ!! もうっ!! 」」

まったく、ナニを言い出すかと思えば! 子供の姿ならセックスに混ぜてもらえると思ったの?!
イルカ先生をオレ達の恋人にするって言った時、全然興味なさそうだったでショ?! 今更なのっ!
だいたいオレとテンゾウはセックスの好みが一緒だケド、アズサとカオルは全然ちがうでショ?!
作戦追加だからっ! “はぐれちゃった友達を探して依頼”も追加!! 先に行くからネッ!!


「「・・・・・・・・・・・・。」」

「カオル、一応言っとくと。 アタシは別にそんな気はないよ?」
「・・・・・・・・・おれだってそうだ。 遠慮する。」
「いや・・・・ 子供同士で遊びに行ったりするのか、ってのを聞きたかっただけなんだよ。」
「・・・・・・・・・・余計な事は聞くなと言っただろう。」

「カカシとテンゾウはアタシ達よりイルカ先生と一緒に居て、何でも聞けるけどさ・・・・」
「・・・・ああ。 イルカ先生個人に関しては遥かにアホになってるな、前よりも。」
「先に・・・・ 任務受付所に行ってるんだってさ?」
「・・・・仕方ない、“はぐれた友達”とやらになるか。」




薬湯の里は小規模の忍びの里だった。 村よりは大きく町よりは少し小さく、忍び以外も住んでいた。
子供四人がキョロキョロしながら歩いてても不審には思われない。 目指すはこの里の任務受付所。
オガミ、それがこの里を治める長の名。 一生懸命お願いしてこの里を案内してもらうつもりだった。

本当は四人で“オガミさんのサインを下さい!”って、任務依頼する予定だったけど追加してやる!
だっていきなりセックスに混ぜてくれ、みたいな事言い出すんだもん!! 許せないよネッ?!
先生の任務干渉をいちいち思い出さないとダメなくせにっ! 少しはアドリブでアワアワすればいいヨ!
ヨシ、テンゾウ。 任務受付所だ、入るよ? “はぐれた友達を探して!”の追加作戦を開始しよう!


「あの・・・ ボク達四人でこの里に来たのに・・・・・ はぐれちゃって・・・・」
「大好きなオガミさんのサインをもらおうと・・・・ 皆で村から出てきたのに・・・・」
「「うぅ・・・ ぅ・・・  ぅわぁ〜〜〜〜ん!!」」

「ふふふ、我らの忍びの里の長のファンなんだろ? 男が泣いちゃ駄目だぞ?」
「坊やたち、ここの受付を皆で目指してきたんだろう? なら心配する事はない。」
「ここで待ってれば、大丈夫。 誰に聞いても受付所を教えてもらえるからね?」
「「ぅ。 ・・・・・・うん、くすん・・・・。」」

信用してくれたようだネ。 これでアズサとカオルが合流すれば、間違いなく里長を呼んでくれるヨ。
なんてったって“この里の里長のファンの子供達”だ。 これで出てこなきゃ、ウソでショ。