鬼達の金棒 2   @BC DEF GHI JKL MNO P




大好きなイルカ先生の指導の元、オレ達は正規の忍びとの意思の疎通を量れるようになった。
忍服を着てたまに表を出歩くようになったケド、上忍師にはまだ誰もなってないんだよネ。
・・・・だってサ、料理したくなる様なジャガイモが出てこないんだもん、仕方ないじゃない。
だからまだ暗部を引退したワケじゃないの。 オレ達は当分、部隊を預かる長のままだろうネ・・・・。

オレ達四人は今日も今日とて、上忍待機室でジャガイモ談議をしてたんだケド。 暗部から伝令が。
三代目が呼んでるらしい。 オレ達四人が一緒に動く様な・・・・ そんな緊急事態なの?!
オレ達はいまいちのジャガイモ談議を中断させ、慌てて上忍待機所から瞬身で火影室に移動した。


「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」

もしや大勢の里の家族のピンチで、悲惨な状況に陥ってるのでは? と思えばミイラの捜索と奪還。
そりゃ任務とあればナンでもしますヨ? オレ達は火影の直轄部隊、勅命とあればそれこそナンでも。
任務に不満があるワケじゃないケド、オレ達四人が動くほどの仕事だとは、どう考えても思えない。

イルカ先生も言ってたケド、オレ達は里の家族の為に、誰よりも力になれるんだから。 なのに?
もしオレ達四人が一緒の任務に行くとしたら、その間に出来るたくさんの任務干渉が出来ないんだヨ?
というコトは、たくさんの里の家族を助けられない、ってコトじゃないの。 そうでショ?
たくさんの里の家族が死んだらイルカ先生は悲しむし、三代目だってその身内の人も悲しいんでショ?


「・・・・・お主達は幾分か解りかけとったと思ったが。 まだ少しズレとるの?」
「「「「・・・・・・・・。」」」」
「あい分かった。 特別にもう一人任務に同行させよう。 それで文句はないじゃろ?」

・・・・・は? 人数が足りないなんて言ってないヨ? むしろ四人もいらないでしょう、って話。
オレ達にもう一人同行させるって・・・・ それぞれの部下から選抜しろ、ってコト?!
アイツらはオレ達がいなくても、もう立派に任務干渉できる立派なコロッケなんですヨ?
オレ達程じゃないにしても、里の家族の為にガンガン役に立ってるんです、ソレでもですか?!


「ちょいと親父様! アタシらは人数に文句を言ってる訳じゃないよ!」
「そうですよ! その間に助けられる家族の力になれないと、そう言ってるんです!」
「おれは別に・・・・・・・。 ただ、正規の上忍で間に合うな、と。」
「カオルの言う通りですヨ、三代目。 それなら正規の上中忍のマンセルで・・・・」

「口数だけは多くなったと見える。 イルカを同行させる故、なぜお主達でないといかんのか問え。」
「「「「イルカ先生を?!」」」」
「前に申したであろう? イルカの言をワシの言だと思えと。 あ奴ならワシと同じ考えに至るぞ?」
「「「「・・・・・・・・・・・。」」」」

・・・・・。 なんと三代目は、今回の任務にイルカ先生まで同行させると言った。 ナンで?
三代目を含む上層部は、オレ達のここ一年の変わり様を褒めてくれたじゃない、どこがどうダメなの?!
・・・だからか先生か。 イルカ先生から卒業記念にニッコリのニコちゃんシールをもらったケド。
こんなオレ達にやっぱり納得のいくように分かり易く説明してくれるのは、イルカ先生しかいないもん。

それなら里の上中忍の一個隊でイイと思ったケド、三代目はオレ達でないとダメだ、と言った。
どう考えてもオレ達の仕事じゃない、でもオレ達でなければダメなんだ? ・・・・ウン。
三代目は自分の口から教える気はなさそうだしネ。 それならやっぱり、イルカ先生に聞こう。





「ねぇ、チョットチョット。 イルカ先生いるかな?」
「呼んで来てくれる? 旦那さん達が来てるよって。」
「ちょいと。 旦那さん達だけじゃないだろ? アタシらも一緒だ。」
「・・・・・・・・・イルカ先生に任務だと言え。」

「・・・・・・・・・・わ、分かりました。 あちらで少しお待ちください。」

オレ達は、部下達がイルカ先生に通されたというアカデミーの応接室なる個室へ入るよう促された。
ほー、ここがアイツらが先生を偵察に来た時座ったソファーか、とか感想を述べ合っていると。
ドタバタとイルカ先生の足音が聞こえる。 フフフ、その慌てようはさっきのオレ達みたいだヨ?
でも大丈夫、そんな急を要する任務じゃないから。 質疑応答がてら任務同行してもらうだけだし。

「「「「あ、イルカ先生!」」」」
「任務前に・・・・ 揃って俺に会いに来るなんて・・・・ そんな危険な任務なんですか?!」

「アハハ! 違う違う! イルカ先生も一緒に行くの!」
「ボク達と一緒に天津の国に行って下さい。 任務です。」
「残念ながら新婚旅行じゃないよ? アタシ達も一緒だからさ。」
「・・・・・・・三代目が一緒に行け、とな。」

「はぁ〜 よかった・・・・ 任務だから会いに来たと聞いて・・・・ ん? 俺も同行するんですか?」
「「「「そう。」」」」


そっか、あの慌てようは。 オレ達が今生の別れに来たと思ったんだネ? 冗談、先生を泣かせないヨ。
心配させてイルカ先生に泣かれた時、心臓が潰れるかと思うぐらい苦しかった。 絶対あんなのはイヤ。
そうそう、だからそんな先生に質問がたくさんあるの。 三代目は教えてくれなかったんだケド。
特別追加授業ってコトで色々教えてくれる? イルカ先生は同じ見解をすると、三代目が言ったから。

「・・・・くす! 了解です。 では生徒に伝えてきますね? 今から任務にでます、って。」
「? 他の先生が任務だと伝えてくれるんじゃ・・・・??」
「少しだけだと抜けて来たんです。 その俺が教室に戻らなかったら生徒はどう思います?」

「アカデミー生も忍びの卵だ。 任務と言えば・・・・」
「任務なら朝からいませんよね? 代行を他の先生に頼みます。」
「ふーん? 緊急の任務だ、って言っても駄目かい?」
「俺じゃなく他の先生が緊急だと伝えたら? もっと単純に考えて下さい。」

「・・・・・単純に?    イルカ先生はどうしたんだろう、って・・・・ 心配する・・・・」
「はい、大正解! ちょっとだけ抜けると言ったのに戻らない俺の身を、心配してくれるんです。」
「「「「・・・・・・・。」」」」
「だから生徒達を安心させなくてはなりません。 俺の口から今から任務だ、と伝えるんです。」

・・・・・三代目が言った通り、いろいろ分かったつもりでいたケド、少しズレてるみたい。
それにしても。 やっぱり先生はオレ達に教えるのがウマいよネ? ・・・・というか。
コレって生徒扱いに逆戻り、ってコト? 今はすっかり仲良く三人でイチャコラしてるのに??

ン? そっか! カオルとアズサが一緒だからだ! オレ達四人が一緒だと、先生は家庭教師になるんだよネ。