声にならない依頼 18   @AB CDE FGH IJK LMN OP




火影様の話では、国主は三代目にこう言ったそうだ。 『暗部が間に合わぬならすべもなし』 と。
国主は知っている。 火の国の至る所に監視小屋があり、城に出入りする者を監視している事を。
だから・・・・ “暗部が大名の要請に間に合わなかった”なんて報告、火の国の城下では有り得ない。
時宗様は、火影様が何かしらの理由があって、ユウジロウを排除したのだろうと、わかって下さった。


火の国の大名の首は、他国の忍びにとってお宝だ。 その血縁者も、小さな子息・息女の首も同様。
里はそれを極力防ごうと、感知タイプの忍びを交代で監視小屋に配置、それで小さな安心を得てる。
変化で入れ替わってたりする可能性もあるから城内に配置したいところけど。 それはできないらしい。
なんとプライバシーだそうだ。 そんなの大名にいらないだろ、有名税だ、と俺は思うけどな?

「お、おふくろ!! 部隊長達と結婚式挙げるのか?!」
「部隊長達が今、ふれ回ってて・・・・。」
「それで、その・・・・ カオルさんは・・・・。」

くすくす。 やっぱり。 絶対そうじゃないかと思った。 朝一番に嬉しそうに飛び出して行ったから。
昨日はその前よりマシだった。 あの時は辛い任務の後と俺の任務が重なって、地獄を見たんだよな。
まあ、何回か落ちて、ペチペチ起こされたけど。 ちょっと式の予行練習とかさせられちゃったけど。
暗部用の栄養ドリンクもちょこっと飲んだりしたけど。 まだ半分あるしな、もうしばらく安心だ。

「カオルさんですか? そろそろ帰ってくると思いますが・・・・・ ??」
「・・・・それって、どうなん?」
「なあ、丸く収まったのか?」
「いや、猿部隊のヤツら、この前ヤキ入れられたらしいぞ?」
「「マジでか?!」」


「??  あ!! 噂をすればなんとやら。 ほら、あれ、そうじゃないですか?」
「あ、ホントだ、猿部隊長だ!」
「お、猿部隊のヤツがカオルさんを取り囲んでなんか言ってるぞ?」
「もしかしたらウチらの部隊長達の横暴を、チクッてんじゃね?」
「「げ。 どうすんだよ・・・・ ひー こっちに来た!!」」

戌班と猫班の隊員達が、なんでかカオルさんを気にしてる。 そう言えば、修行につき合うとか何とか。
暗部の人達って・・・ みんな努力家だ・・・ 凄いなあ。 めちゃ強いのに、自惚れず上を目指して。
凄いよね、カッコよすぎるよ。 民の憧れだもん、そりゃアニメ化だってしちゃうよ、ヘンな仮面だけど。
あ・・・・ 猿部隊の隊員も一緒に向こうから来た。 さすが! ここからの視線に気付いたんですね?



「お帰りなさい、お疲れ様でした!」
「ん・・・・ おふくろさん、今聞いた。 おめでとう、もちろん式には出る。」
「わぁ! 嬉しいです!」
「アイツらの事、頼むな。 アイツらにはおふくろさんしかいない。」

「部隊長、それは・・・・ それが答えなんですかっ?!」
「カカシさんとテンゾウさんの為に、なんですね?!」

「カオルさんっっっ!!!!」
「なんて男前な人だっっっ!!」
「俺、マジに尊敬しますぅっ!!」

ふふ、式に出ると知らせてくれただけなのに、大げさだなぁ。 でも、暗部の縦社会は絶対だしな。
部隊長が出れない日に隊員だけ出席なんて、やっぱりダメなんだろうな。 徹底してるよ、ほんと。
戌猫部隊の隊員も、カオルさん出席に感激してる。 部隊長達には皆そろって出席して欲しいんだろう。
忙しい人達だから。 俺も、ひょっとしたらそろわないかも、って思ってた。 ふふふ、よかった!

「ん? お前ら戌猫か・・・・ 丁度いい、戌猫班に修行をつけてやる。」
「「「は???」」」
「ウチの隊員が、カカシとテンゾウに世話になったらしいからな、お返しだ。」
「「 え゛。 」」
「第七演習場に集合してろ、おれも三代目に報告したらすぐに行く。」
「「「 は、はいっっ!! 」」」

「じゃあな、おふくろさん。 ・・・・ありきたりだが・・・・ 幸せにな。」
「ふふふ、ありがとうございます。」
「「 わーーーん!! 部隊長っっ!! 一生ついて行きますっ!! 」」

あー、わかるよそれ、うん。 同じ猿部隊として、部隊長を誰よりも超尊敬しまくる気持ち。
ホント、いちいちカッコいいよな。 自由な下半身してなきゃ、もうパーフェクトだ。 くそぉ。
うちのふたりも俺の前以外ではめちゃめちゃカッコいいし。 隊員もなつきまくってるしな。
こんだけ違うって、同じ男としてどうよ? ・・・・・まぁ、ないモノねだりは止めておこう。

俺には俺のよさがあるはずだ。 子供好き、とか。 世話好き、とか。 ・・・・虚しいな、なんか。





「カオルさんは、ウチらの部隊長の為と部下の身の安全の為に身を引いた。 おふくろを諦めたんだ。」
「猿班の連中はこの前、ウチらの部隊長からシメられた。 目には目を、当然“お返し”がくる。」
「いいか、これから戌猫班は、猿部隊長 カオルさんの八つ当たりを・・・・・ 受けに行くっ!」

「「「 マジで? 今から?! 」」」
「カオルさん、怒ってるの? どれぐらい??」
「砕ける怒気・・・ とかじゃないよな?!」
「ははは・・・ それはないだろ・・・・ 大丈夫だよな??」

「「「いざ行かん! 第七演習場へ!!」」」」
「「「お・・・ おぉーーーっっ!!」」」




仮面の忍者赤影って知ってます? 思えばその頃から忍者好きだったv 一番好きだったのは白影!(爆)   聖