声にならない依頼 5
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疫病にやられた小さな村。 今の段階ではすでに手遅れで、ほとんどの村人が感染している。
もしこれ以上広がれば、もっと被害が拡大するのは、誰が見ても明らかだ。 苦渋の決断を国主は下した。
火の国から他国にも広がる恐れがある。 ほんの数十人が死ぬだけで、全大陸の民を守れるのなら、と。
国主 時宗様よりのこの決断に、三代目はカカシ先輩とボクを向かわせた。 村人全員の抹殺任務。
「国主 時宗様よりの伝言だ。“私もいずれ必ず逝く、先に待っていて欲しい”」
「木の葉 火影よりの伝言です。“ワシの順番はもうすぐじゃ、あの世で会おうぞ”」
「・・・・ゴホゴホ・・・・。 なんとありがたいお言葉・・・ ゴホ・・・。」
「どうか・・・・ ゴホ・・・・ サンプルをお持ち下さい・・・・ 研究を、ゴホ・・・。」
「はい。 木の葉の医療班に伝えます。 いつか必ず原因を突き止めますから。」
「村長、奥様。 この村の悲劇、みなさんの事を。 オレ達は決して忘れません。」
伝言を聞いて、村長夫妻の苦しそうな表情が和らいだ。 目を閉じた瞬間を見逃さず、首をはねる。
影分身を使って、村中の人の首をはねて行く。 皆覚悟を決めていて、動ける者は家の前で座っていた。
“ありがとうございます”“火の国の民でよかった”と言いながら手を合わせ、首筋を差出す村人達。
脳からの伝達を切り離す事は、苦しまずに殺す唯一の方法。 一瞬で首をはねる事、それ以外にない。
「・・・・・帰ったらまた、イルカ先生が凄い喜んで、抱き付いて来るんですよね・・・・。」
「・・・・・うん。 なんかわかんないけど“良く頑張りました”って、頭なでるんだよね・・・・。」
「先生スキンシップ大好きだから、抱きつきたくて仕方ないんですよね、ほんと。 クスッ。」
「頭なでたくて仕方がないんだヨ、イルカ先生は。 付き合ってあげなくちゃネ。 ふふっ。」
村を土遁で埋め、木遁で木を生やし、森と同化させた。 小さな村の最期と森の再生を見届ける。
病原菌は里へは持って帰れない、後日医療班を送り込む予定。 三代目に、影分身分離の丸薬をもらった。
ボク達の影分身を、ここで切り離す。 医療班がボク達の影分身の欠片から、病原菌を取りだすだろう。
激マズな丸薬を呑む。 ボク達の影分身だったモノは、金属の塊のようになってゴロンと転がった。
「うげ〜、相変わらずマズイ・・・・。」
「コレの味、どうにかなりませんかね。」
「・・・・先生、会いたくて泣いてんじゃない? ひょとして。」
「・・・・きっとそうですよ。 ボク達にベタ惚れなんだから。」
チャクラの急激な減りと激痛、分身から伝わる自らの死の感覚。 不意に婚約者のイルカ先生を思い出す。
ボク達の事が大好きで、カッコいいを連発する。 先生が何を言っても“好き”にしか聞こえない。
いつもボク達を見て笑うんだ。 はは、何でもっと早く、好きだって気付いてあげられなかったんだろう。
あんなにアピールしてたのに。 でも先生の念願かなってボク達は婚約した。 これからはずっと一緒!
「さ、後は医療班に任せて、オレ達は帰ろう。」
「ええ。 泣いて待ってる婚約者がいますから。」
「もうちょっとチャクラが回復しないと、満足しないかもね?」
「う〜ん、ガンガン誘ってきますからね・・・・ イルカ先生。」
あんまり誘うから、先輩もボクも歯止めがきかない。 まったく・・・・なんであんなにイヤラシイのか。
必ず爪を立てるし、噛みつくし。 そんなに所有者の印がほしい? すごい独占欲だね、って感じ!
お誘い上手のイルカ先生に、ボク達はいつも応えなきゃ、って頑張っちゃうんだよ。 だってね?
性生活って大切でしょ? 志向が合わないと、やっぱり上手くいかないと思うんだよ。 合わせなきゃね!
「あのさ、途中で失神して締めつけるのって、ワザとかな?」
「あの締め付け凄いですね。 イルカ先生の必殺技ですよ。」
「いろんな痕つけるし。 浮気なんかしなーいヨ。」
「まったくです。 イルカ先生は心配性ですよね。」
ボク達もお返ししなきゃって、先生の背中や腰やももに、痕つけまくるんだけど、全然怒らないんだ。
もう、べローンとしててなすがまま、ってなってる。 自分もつけたからボクらもどうぞ、みたいな。
やっぱりお人好しだ。 ボク達は先生のお望みのままに、吸いまくる。 結構楽しいんだよね、これが。
次に脱がせた時、その痕がぼんやり残ってたりして、ボク達を誘うんだよ。 本当に先生はイヤラシイ。
まあ、ボク達は先生ほど情熱的じゃないから、キスマークだけつけるんだけど、充分だよね!