鬼に魅入られた男 17   @AB CDE FGH IJK LMN O




最初はカオル。 次はアズサ。 テンゾウとオレはほぼ同時。 イルカ先生からシールを貰った。
“たいへんよくできました”この台帳の一番前に陣取って、ニッコリと笑いかけてるニコチャンシール。
やっとだヨ。 やっと、イルカ先生から卒業。 今日は皆で最初と同じ、アカデミーの屋上に来た。
ここから始まったんだよネ、ナニもかも。 イルカ先生に家族の、自分の大切さを学んだあの日から。



「大人らしく酒なんぞ持ってまいりました! 祝いの酒盛りです!!」
「先生、気が利くじゃないか!!」
「あれはあるか? から揚げ。」
「バッチリ用意して来ましたよ! じゃんじゃん食べて下さい!」

「 ・・・・じゃんじゃん食べてもいいの? 」
「もちろんです! 遠慮しないでガツガツいって下さい!!」
「 ・・・・ガツガツしても大丈夫なんですか? 」
「あははは! なんか、今日のお二人はいつもにもまして可愛いですね!」

ああイルカ先生。 どんなにこの日を待った事か。 ナニが、いつもにもまして可愛いですね、だ。
可愛いのはイルカ先生だヨ? 子供に変化している時は、下から見上げるだけだった大人のイルカ先生。
大きく感じた手のひらがこんなにも・・・・・ テンゾウとオレはイルカ先生の手をそっと握った。
“甘えん坊ですねぇ 四天王の戌と猫は”なんて余裕かましてる先生。 我慢できん、味見しちゃる!


「フフフ、イルカ先生、お酒飲む?」
「あ、はい! もちろん、頂き・・・・・むっ、ぐ・・・・ んんん・・・・・ぷはっ!」
「はい、次はボクです、祝い酒ですよ?」
「けほっ! ちょ、ちょと・・・なにをす、うぅん・・・・ んんぅぅ ・・・はぁ、こほっ!」

ハテナマーク飛ばしてるネ、イルカ先生。 昨日三代目にお願いしたんだヨ、イルカ先生が欲しいって。
お主達の今を見れば納得じゃ、それぐらいワシがどうとでもしてやる、幸せにな? そう言ってくれた。
分かる? 三代目火影が、里の父親が一緒になっていいって言ってくれた。 先生に拒否権はないの。
オレ達は自他共に認める優秀な忍び。 欲しいと思ったら、その通りになる様にキッチリ動くのヨ。

「「イルカ先生、可愛い〜〜〜〜vvvv」」
「な、な、な・・・・・ 何するんですかっっ!!!

「イルカ先生はボク達の恋人です。」
「三代目がイイって言ったもん!」
「へ? ・・・・・お、俺の意思は?」

「な! ・・・・・・ ん! ぁぁ、あ・・・ゃ、ちょっ・・・ あぅぅっ!!」
「「わ。 こんな可愛いなんて想像してなかった・・・・・。」」


我慢できなくなって屋上でちょこっと味見をした。 テンゾウとオレでイルカ先生をホールド。
口移しで先生にお酒を飲ませた。 目を白黒させて、舌を噛まない様にがんばってたイルカ先生。
ペロンと上着をめくって片方ずつ乳首を撫でてみたら、肩がピクンと震えて、思わず噛みついた。
ちょっと味見するだけだったのに。 家庭教師からは卒業したヨ? だけどもっと教えて欲しい。

オレ達に分かりやすいようにレクチャーして? 三人で気持ちよくなる方法を教えて? 先生でショ?
そう言いながら、オレとテンゾウは、先生に代わる代わる酒を飲ませた。 もちろん口移しで。
ワザと垂らして、耳とかも舐めてみた。 だってガツガツ食ってもいいって、先生が言ったモン!

「ところで起ちそうかい? カカシ、テンゾウ。 モグモグ・・・・」
「「もうバッチリ。 いつでもGOな感じ!」」
「ほう。 そりゃよかった。 相変わらず美味いな、もぐもぐ・・・・」
「・・・・・あ・・・・ あんたら鬼かっ! ぁ、んんんぅ・・・・  ちょ・・・ん、ごくっ・・・ んっ・・・

フフ、先生はオレ達のコト相当好きだネ。 本気で嫌ならスッパリ帰ってるヨ、陥落は時間の問題!
オレとテンゾウを、イッパイ幸せにしてネ? 三代目が、先生なら幸せにしてくれるって言ったモン。
アリガト、イルカ先生。 切り捨てて来た感情のひとつ、人を愛するって、こういう気持ちなんだネ?
今ここで死んでも絶対後悔しない、っていうこの瞬間。 ・・・・いや、死なないケド。 先生泣くし!





「あ、お疲れ様です・・・・・・ 来ました? 小鬼。 受付にも。」
「あ、先生、お疲れ様です。 はい、来ましたよ、って事は、アカデミーにも?」
「イルカ先生、鬼の恋人になっちゃったのよね、複雑だわ。」
「表に回るらしいですね、鬼達。 雰囲気でバレバレですけど。」

「イルカ先生にワシワシされた子供のチェックを頼まれたの、小鬼に。」
「おれ達もです。 海野中忍に粉かける輩がいたらすぐ呼んでくれ、って。」
「・・・・・・・・・まあ、災いがなくなってよかったのよね、これ。」
「・・・・・・・・・ですね。 直接被害に合わないで済みますもんね?」

「・・・・・じゃ、受付がんばって下さいね?」
「先生も。 残業、お疲れ様です。」


他の任務をスルーだった暗部が任務干渉してくれるおかげで、正規の忍びの生還率が上昇している。
里の良い噂は、将来、火の国を守る忍びになるんだと、忍者学校入学を希望する子も増えるだろう。
何よりもおれが一番嬉しいのは、額当てを預かる回数が減った、という事。 災い転じて福となす、だ。

我らが木の葉隠れの父 三代目火影は、こうなる事を見越してたんじゃないか、なんて気もしたり・・・・ な?




正規の忍びと暗部の認識の違いを書いてみたかったんです、でもやっぱり暗部は変なのだ!(爆)   聖