忍びの里 9
@AB
CDE
FGI
JKL
MNO
P
飢えに狂った獣どもは三匹の仔羊を味わう。 思った通り敵は、おれ達を性的欲望の解消の的にした。
おれもハヤテも薬を盛られて輪姦された。 一番酷かったのはくのいちの夕顔だ。
「ゴホ、ゴホッ・・・ 夕顔・・・ 大丈夫?」
「・・・平気・・・ ハヤテこそ大丈夫? 凄い咳でてる・・・」
「明日はおれがなるべく惹きつける・・・ 淫乱のフリしてさ・・・ へへ、敵を喜ばせてやるよ。」
おれは忍術・体術ともに、二人に劣る。 だけど、根性だけは負けないと、いつも言っている。
それに、おれが一番年上だし。 少しでも成長している方が体は頑丈だ、二人よりは負担が少ない。
夕顔は前線に出る前、先生に破瓜の儀を頼んだそうだ。 先生なら優しくしてもらったに違いない。
ハヤテもおれも、尻を使われたのは初めてだ。 今さらだけど、おれ達も先生に頼んどきゃよかった。
「先生は上手だったよ? 全然痛くなかった。」
「ゴホッ!・・・ ずるいな・・ ひとりだけ良い思いして・・・ゴホ、ゴホッ!」
「夕顔、ハヤテ。 手を出せ、ほら。」
おれ達はそれぞれ岩に鎖で繋がれていて、互いに届かない手と額は心の中で突き合わせるんだ。
味方は全員無事に退却出来ただろうか。 一日目の長い夜が明けた。 まだ俺達は生きている。
おれは随分と具合がイイらしい。体の力を抜いて誘ってみたら、順番待ちが出来るほどの人気だ。
体調を崩してしまったハヤテ、声一つ上げない夕顔に比べたら、さぞや犯し甲斐があるんだろう。
もちろん、そういうのがイイと言う趣向の奴らもいるから、夕顔もハヤテも休める訳ではない。
鎖のジャラジャラという音と、おれのヨガリ声だけが、いつまでもいつまでも続いた。
二人の負担が、昨日より減っていればいい・・・ この地獄の中、それだけがおれの支えだ。
派手な爆音と共に、敵忍の悲鳴が、あちこちで上がる。 仲間は見捨てない、それが木の葉の誇り。
たった二日という速さで・・・ 隊長が・・・ 木の葉の仲間が、助けにきてくれたんだ。
森野隊長がおれ達の鎖を潰して、救出してくれた。 あぁ、やっと薄汚い精液から解放される。
見れば夕顔もハヤテも・・・泣いている・・・? 助けが・・・来たんだ、もっと喜べ・・・
「 ・・・だ、よ・・・・・ おま、ら・・・・・で泣くん・・・・よ・・・・・・ 」
「バカッ!! 約束したでしょ?! 生きて里に帰るのよ!!!」
「ゴホ、ゴホ・・・ 一番、根性あるんだろ?! ゴホッ! 目を開けろ、イルカ!!」
「こいつは、担いで帰る。 文句のある奴は敵と一緒に、俺が今すぐ殺してやる。・・・いいな?」
目を覚ますと、そこは木の葉病院のベッドの上だった。
良く知った三代目の顔があった。 ハヤテと、夕顔・・・ それから、森野イビキ隊長もいた。
おれは丸二日、高熱にうなされていて、熱が下がらなかったら危なかったらしい・・・
「イルカよ、ワシが分かるか?」
「・・・三代目、ご心配おかけしました。もう大丈夫です。 隊長・・・有難うございました。」
「俺より、この二人に何か言ってやったらどうだ? ずっと寝てないぞ、二人とも。」
「夕顔・・・ ハヤテ・・・ 」
二人ともせっかく助かった俺を、殺す気らしい。 ・・・力いっぱい抱きしめられた。
それに・・・おれ達に言葉なんかいらない。 今やることは一つだ。
誰からともなく震える手を取り合う。 そして、額を突き合わせた。 そう、おれ達の班の誓いの儀。
「お前達の上忍師は・・・里の為に立派に散った。 ゆえに、お前達の班はこれで解散じゃ。
ココにおるイビキが、後を引き継ぎ、お前達をみてくれるらしい・・・どうじゃ?」
「「「・・・・・・・・・・。」」」
「はは、・・・やっぱり、振られちまったか。 ・・・実に残念だ。」
「・・・うむ。 それではワシが、追って身の振り方を考えるとしょう。 ・・・帰るぞ、イビキ。」
「・・・そうか、そうだな。 お前達は一人立ちしている。 もう立派な木の葉の忍びだ。 じゃあな。」
ハヤテも、夕顔も、おれと同じ考えだと思う。 だから、即答しなかった。
森野隊長は、決断力も、実行力もカリスマも、忍びとしての全てが揃っている。
三人の命の恩人であり、人間として尊敬もしている。 なのに・・・
誰もそれを望んでいなかった。おれ達の上忍師は先生だけ。誰も代わりにはなれない。
三代目と、森野隊長が帰ったとたん、張りつめていた緊張の糸がブツリと切れた。
初めての前線、戦闘、師との死別、囮、輪姦、木の葉の仲間・・・・・
いろんな事が嵐のように押し寄せる。 おれ達はただ抱きあって、何時までも馬鹿みたいに泣いた。