香りの塔 4
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モウ! それを早く言って下さいヨ! フフ、てっきり休息日がなくなって即、任務かと思っちゃったネ?
雨射の護衛でショ? 喜んでv つまりこういうコトですネ? 草津屋の旦那さんが交換条件を出した。
本来、雨射は出張はしません、木の葉の忍びがたくさん顧客についてますから。 だから里の忍びを護衛に。
・・・・・とかいう筋書きですネ? オッケー、オッケー! 里の上忍として雨射の護衛任務に出ますヨ。
そうすれば表向きは、草津屋さんから雨射を出張に出す為に雇われた木の葉の忍びですからネ。 フフv
その実は、草津屋で過ごす予定だったオレ達の一日しかなかった休息日のデラックス版なんですよネ?
香華の国へでもどこでも行きますヨ、エエ。 こんな休息日兼、護衛任務ならいつでも大歓迎ですヨ!
「・・・・・あの。 実際に交換条件を出してる人間がいるんですが、ここに。」
「“オレ達は雨射の護衛にと選ばれました、木の葉の上忍です”とか言っちゃうんだヨ?!」
「“雨射には里の忍びがいつも癒されてますからね 志願者が多かったんですが”とかですね?!」
「お、良い感じじゃのぉ。 誰も暗部の長だとは思わんじゃろう、うむうむ!」
「もし、もーし! ちょっと? 誰か俺の交換条件の話、聞いてます?」
さすが三代目だよネ。 手塩にかけて仕込んだ潜入員を譲ってくれただけじゃなく、休息日まで延長?!
もうまさにオレ達 忍びの父、って感じ! お土産なにか買ってくる? 香華の国の特産は確か香木だよネ?
三代目、お気に入りのリラックスできる香りとか、あります? ナンだったら買ってきますヨ、オレ達。
フフフ、そんなモンぐらい、お安い御用だよネ、テンゾウ? だってずっと、雨射こと海野中忍と一緒vv
「「きゃーーーーーーvv 今から下半身が元気になっちゃいますよ、もう!!」」
「・・・・・・仕草は可愛いのに、言ってる事は全くもって可愛くないんですが。」
「ほほほ! 若いモンはええのぉ。」
「またまた、三代目もまだまだお若いですヨ?」
「ほほほほ。 そうかの?」
「ええ、そうですよ。 当然じゃないですか!」
「「「はははは!」」」
「・・・・・・・・そうですか、スルーですか。 俺の意見は無視ですか・・・・・ へー。」
火の国の温泉街にある草津屋に、腕のいい按摩師がいるらしい。 ぜひ妻を癒してやってくれ・・・・ か。
木の葉の忍びを護衛に雇って下さるなら、雨射を出張させます、って草津屋の旦那さんが返事をしたら。
そう言われた使者はその足ですぐ、木の葉の里を訪ね、雨射の護衛を頼みたいと任務依頼に来たそうだ。
丁度、三代目が任務受付所に座っている時間帯に。 なんとなーく、知ってる人の様な気がしたらしい。
その護衛任務依頼を受付忍が対応中、三代目は自分の記憶の片隅にある顔を片っ端から思い出していた。
そしてある顔をハッキリ思い出した、それは。 まぎれもない、使者を名乗る一団の中の一人が要人。
なんと香華の国 国主が伴侶 松葉様だった。 おん自らが隠密で、国主の為に動いていたんだそうだヨ。
なんとも微笑ましいよネ。 結婚十年のお祝いに、妻への贈り物が“癒し”だって。 小さいけど一国の主。
ま、その夫だケド。 普通はサ、目に見えて形に残せるモノを贈ろうとするでショ? 花とか宝石とか。
権力を持ってる女性が喜びそうなモノをプレゼントに選ぶじゃない。 贈り主たる自分のPRも兼ねてネ。
んで、事あるごとに、“これを贈ったのはワタシ”みたいな主張をしてみたりサ。 そういうのとは違う。
だから三代目も気付かないフリして、任務依頼を受理させたらしい。 草津屋で待機していて下さい、と。
雨射は里の忍びをその指圧でいつも癒してくれてますからな、護衛の希望者は多いですから選抜します、って。
で、オレ達に白羽の矢が立った。 本来なら正式な任務として里の上忍に回してもいい任務なのに。
三代目の言う通り、表向きが草津屋の雨射の護衛なら、草津屋に寄ってた上忍は喜んで立候補すると思う。
それなのにわざわざオレ達を就けてくれたんだヨ? この火影の心意気に惚れなきゃ、ウソでショ。
「「三代目っ!! 大好きですっ!!」」
「どこぞの可愛げがなくなった奴とちがって、主らは素直に慕ってくれとるの、ほほほ!」
「「三代目〜〜〜vv 頭皮にいい香木を買って来ますからね?」」
「・・・・・・・・・・まあ、それなりに楽しみにしておるぞ?」
「はいストップそこまで。 勝手に話を進めない様に。 交換条件を呑んでくれるまで任務拒否します。」
「「こ・・・・ 交換条件?!」」
「ああ、あの純真な頃の可愛いイルカは・・・ どこに行ったんじゃろな?」
「黙らっしゃい。 いいですか? 一日一回です。 一回につき一フィニッシュ。」
「「なんですと?! 一回だけ?! 発射が・・・・ 一回こっきり?!」」」
「イルカ、お主・・・・・ 鬼の様な奴じゃな。 カカシ、テンゾウ、本当にこ奴で良いのか?」
「「・・・・・多分、任務に支障をきたさない為・・・・ だと思うので・・・・ 一回か・・・・・」」
「ええ、その通りです。 この条件が呑めないのなら、他の方に雨射の護衛をお願いします。」
ギャース!! それは絶対ダメ!! なんでオレ達の恋人の護衛を他のヤツらに?! 冗談じゃない!
それにもう海野イルカはオレ達の情人だって、ほとんどの上忍が知ってる。 引き受けるはずはないヨ。
三代目に作ってもらった忍具、里の忍び用【感知ノート】に記入したヤツには、もれなくご挨拶したしネ。
オレ達の部下も、そこかしこで言いふらしてるし。 外堀は埋まっちゃってるのヨ、海野中忍?
「それに。 お二人は本来なら休息日のはずが任務、確かに俺の護衛なんてヘソで茶を・・・・ ごふっ!!」
「「 またもやツンデロ、キター!! 海野中忍っ!! 」」
「・・・・・・・こりゃこりゃ。 放してやらんか。 また潰れかかっとるぞ?」
「「あ、またつい・・・・ へへvv」」
「・・・・ごほっ・・・ じ、自己鍛錬を怠らず鍛えます、すみません・・・・・・。」
「う〜む・・・・・ まあ、その。 なんじゃ。 仲良く任務に行って来い。 よいな?」
「「はいっ!!」」
「・・・・・・・ところで俺の交換条件は?」
「「ち、覚えてたか。 ・・・・・・仕方ない、呑むよ。」」
「ほっ! あの。 じゃあ、俺、草津屋に先に潜ってますね?」
「「OK! 後からすぐ行くから、待ってて?」」
ねぇねぇ、テンゾウ。 コレ、なんか待ち合わせみたいじゃない? これがもし布団だったら・・・・・
“先にお布団の中で待ってるv”“後からすぐに行くから待ってて?”とかなっちゃうワケでショ?!
ヤー ますます元気出て来ちゃった、信じられないっ!! オレ達、一回抜いてから行った方がいいかナ?
「ほほほ、イルカの言う事も一理ある。 一応任務、じゃからの。 ハメは外さんようにな?」
「「は〜〜〜〜いvv 外さずハメますっvv」」
取り合えず一回抜いて行こう。 一日一フィニッシュでショ? ここぞという時にとっとかなきゃ。
どんくらい時間ずらして行けば不自然じゃない?? 久しぶりに忍服着るから緊張しちゃうネ、フフフ!