香りの塔 7
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これは・・・・ もの凄く嫌な予感がするヨ。 松葉様ご本人は、草津屋にも木の葉の里にも来た。
草津屋のご主人が、使者に不釣り合いな上品な人物が混ざっていた、と覚えてたし、そして里では・・・・
三代目がそのお顔を確認済だから、疑う余地はない。 というか、三代目がご本人だと気付かなかったら?
普通に任務依頼を受理しただけなら、正規の手続きを踏むよネ? 雨射は完全予約制、だもん。
「チョット待って? 三代目が海野中忍に雨射として潜入を命じなければ・・・・」
「順番待ちだった、って事? 草津屋での雨射の予定に合わせて、とか言います??」
「ええ、そうです。 俺の出張は、もう何日か後になっていたでしょうね、順番ですから。」
「「・・・・・・・・・・。」」
雨射の護衛依頼は木の葉で受理されたけど、順番待ちなら雨射の都合がつくまで任務として回って来ない。
雨射が木の葉の潜入員だと知らずに、木の葉に依頼に来た松葉様。 雨射の順番待ちは覚悟の上だろう。
実際、受付では使者団に、草津屋で待機する旨を伝えただけだ。 あくまでこれは三代目の好意。
三代目が松葉様ご本人だからと・・・・ 雨射の指圧予定に割り込みをさせたんだから。 任務として。
木の葉で依頼が受理されたなら、火の国に滞在する必要はない。 草津屋に伝言を残し、帰国するヨ。
予約制の按摩師の予約順番待ち。 後は木の葉の忍びが雨射を国まで連れて来てくれるだけ、だから。
草津屋からのその知らせを、今か今かと待っていれば良いだけだもん。 国主の喜ぶ顔を楽しみにしてネ。
結婚十周年のお祝いだ、結婚記念日に贈りたいんじゃない。 十周年という今年一年間の内ならいつでも。
きっと噂を聞いて色々調べたんだろう。 大名だろうが商人だろうが忍びだろうが、雨射の指圧は完全予約制。
・・・・ま、実際は里の忍びなら飛び入りOKなんだけどネ、潜入員だし。 その他は誰であろうと予約順。
雨射に予約を入れ、木の葉の忍びを護衛に就けた。 最初から松葉様は、国で朗報を待つつもりだったんだ。
「だったら寄り道してるはずないネ。 すぐに国に戻るはずだヨ。」
「自分が国を出国したのがバレない様に、すぐに戻るはずですよね。」
「それなら・・・・ 松葉様は・・・・ 国に戻れない様な事態に巻き込まれた可能性が??」
「「・・・・・・・・それはまだなんとも。」」
「でも、本当なら、とっくに戻っていたはずなんですよね?」
「ウン。 最初オレ達は、草津屋に少し前までご一行様がいたと思ってたからネ。」
「まさか、ウチで依頼を受理された後すぐに帰国された、なんて知らなかったよ。」
「・・・・・松葉様ご一行は・・・・・ ご無事でしょうか??」
「取り合えず・・・・ 三代目に指示を仰ぎましょう。」
「そうだネ、それがイイ。 ・・・・口寄せの術っ!! パックン、口頭で伝えて?」
「 あーーーーっ!! 」
「「な、なに?! 突然っっ!!」」
「 その伝令忍犬っ!!」
フフフ! ウン、そうだヨ? ここ二週間ばかり、草津屋に行ってたでしょう? パックンっていうの。
ちなみにオレの忍犬チームのリーダー。 肉球の触り心地は至極。 ・・・・海野中忍、触ってみる??
テンゾウもオレもね、パックンの肉球触るの、大好きなんだよネ。 もちろん部下達も、皆v
・・・・・・・・・・フフフ、気持ちいいでショ? ・・・・ハッ! こんなコトしてる場合じゃなかったヨ!
「“松葉様ご一行が行方不明、香華の国では捜索が始まっている”って、伝言ヨロシク。」
「これもお願いします。 “香華の国の国主に謁見できるよう、書簡をお願いします”」
「よし、分かった。 すぐに書簡を持って戻るからな! 御免っ!!」
「・・・・・・・・・。 ( おいおい、どうなんだこれ。 ) 」
「「??? なに??」」
「・・・・・・・いや。 仕事モードだと、さすがにカッコいいな、と・・・・・ ぐはっ!!」
「「 もうっっ!! 雨射ったらっ!! 」」
・・・・・ハッ!! 海野中忍っ!! ゴメン!! つい・・・・。 力一杯抱きしめたいとか、凄いよネ。
気持ちが制御できない、って感じなのヨ、マジで。 喜びが体術に反映される、っていうのかな、フフフv
だいたい海野中忍も悪いよネ? ツンなくせにデロンだもん! 今、かなりときめいちゃったでショ?
なんの前触れもなく、ポロリと本音を言っちゃうんだから、海野中忍は! モウッ! 起っちゃうでショ?!
「・・・・・・・・・一日一回、一フィニッシュですからね?」
「「けちーーーーっ!! 元気になっちゃったのにっ!!」」
「・・・・・・・・・却下。 鎮めて下さい、今すぐ。 ( 言い方や仕草は可愛いのにな・・・・ ) 」
「「もうっ! このドS!!」」
「・・・・・・黙らっしゃい。 ( 三代目、どこで教育を間違ったんですか? ) 」
コレはアレだネ。 焦らしプレイとかいうヤツだヨ、テンゾウ。 オレ達をこれでもか、って煽ってるんだ。
そうか、海野中忍はテクニシャンだからネ。 ちょっとやそっとのセックスじゃ満足しないんじゃないの??
3pでの味をしめちゃったんじゃ?? ホラ、オレ達って、ずっとどっちかが雨射にツッコんでるでショ?
一球入魂! みたいな。 集中決算!! みたいな。 そういうのを試したくなったんじゃないかな??
「「じゃあ、後のお楽しみ、ネ?」」
「・・・・・・・・・さ、寒気が・・・・・。」
ヨシ! 期待には応えるっ! なんてったって恋人同士だもんネーvv 雨射、後で楽しみにしててヨ!!