狼達の晩餐 16
@AB
CDE
FGH
IJK
LMN
PQR
「こっち、イルカ。 ここにおいで、舐めてあげる。 ほら・・・ ん・・・」
「あ・・・・ っ・・・・ ふぅ、ふぅ、 んん・・・・ 俺・・・・ ぅ、頑張って・・・ん!」
「イルカがサ、教員になったら・・・・ イルカ先生、って呼ぼうか? フフフ・・・」
「うぅ・・・・ ぁ ぁ ぁ・・・・あぁ・・・・ や・・・・ だ め・・・ ぅ・・・・」
「なんで? “イルカ先生” いいじゃないですか、いけない事してるみたいで。 ねえ、先輩?」
「はっぁ・・・ ち が・・・・ んんん・・・ も・・・ ねがい・・・ ぁ・・・ん・・・」
「ウン、燃えるよネ〜 オレ達、イケないコト だーい好きだもんねぇ・・・・ ちゅ・・・」
「うぅぅぅ・・・・ んん・・・・ はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ ぅぅぅ・・・ ぐす・・・」
あーあ。 泣いちゃった、今日の焦らしはここまで。 んー やっぱりイルカの泣き顔は可愛い。
これがボク達の為じゃなく、他の事で泣いたら、もの凄く腹が立つよ。 これはボク達だけのもの。
アカデミー教師を目指すって、イルカはボク達が勧めた教員研修に、早くものめり込んでいるんだ。
今からね、もっともっと泣かせるから。 イルカは分かってるもんね? 何かの任務の前だ、って。
ボク達が派手に喰い荒すのは、大規模な任務の前後だって、ちゃんと知っている。 だって、ほら。
繋いだ手を離さないもん。 こっちから指を解いてやらないと、いつまでも握ったままだし。
大丈夫、ちゃんと帰ってくるよ、イルカを喰いにね。 だからもっと。 もっと泣いて、ボク達の為に。
三代目が、人見の里のクノイチだろうと当たりをつけたので、早速ボクの部下を偵察に行かせた。
正規の忍びの偵察とは違って、暗部の偵察とは名ばかり、数人拉致してきて拷問部に連行するだけ。
もちろん里外に出た所を見計らって拉致る。 だからあっちは、里外に出たままだと思っているよ。
で、面白い事がわかったんだ。 今回の騒動の真の狙いは三代目の暗殺らしい。 ・・・・大胆だね。
一ヶ月ほど前、人見の里に依頼に来た男がいたらしい。 なんと木の葉の忍びだそうだ。
そんな事を企むのは一人しか心当たりがない。 たぶん・・・ いや、きっと志村ダンゾウだ。
高額の前金と、成功した後の報酬として木の葉の上忍を二人、人見の里に献上すると約束して。
あの里は女ばかり。 だからどうしても狙われる、けどそこは海千山千のクノイチ連中。
ビンゴブック級の腕の立つ忍びを虜にして操り、里の盾として飼っている。 やっかいな相手。
あそこのクノイチを抱いたら最後、離れられなくなり、身も心も支配されるらしい。
その為だけに改良され育成された女達だ、それはもう立派な武器だよ、間違いなくね。
「お待たせー。 しかし早いねぇ、気合入り過ぎでショ、アズサ。」
「フン! あの時、アンタ達の顔を立てずに、さっさと狩っときゃよかったよ。」
「またまた、暗殺戦術特殊部隊の酉部隊長は、そこまでボク達をないがしろにしません。」
「・・・・ふっ。 気合いならおれも入っているぞ? 一応な。」
「カオル、あの女の首はアタシの部下のモンだよ、いいね?」
アズサさん、その我儘で、あの女を野放しなんですからね? ほんとは蜜葉を拷問したかったのに。
おかげでボクの部下が走らされたんですよ? まあ、クノイチの誘惑は心配してなかったんですが。
アイツら、かなり頭にきてましたから。 生きたまま連れ帰ってくるか、ちょっと心配でしたよ。
仲間を三人も殺られていますからね、しかもボクが一番嫌っている特攻をかけさせて、ですから。
「ヨシ、全員そろったネ。 暗部の報復といきますか。」
「はい。 暗部の結束力を見誤った敵に、目に物を見せてやりましょう。」
「女でも。 アタシは容赦しないよ、同じ忍びとして。」
「おれの部下の命の代償は、命で支払ってもらうまで、だ。」
「「「「散っ!!!!」」」」
なんかね、人見の里に献上する予定だった上忍というのが、カカシ先輩とボク・・・・ だったらしいよ?
ふざけてるよね、ボク達がイルカ以外を抱く訳ないじゃないか。 イルカを巻き込みそうになった、
それだけでもう、本当はボク達があの蜜葉を殺したいぐらいなんだよ? それに、人見の里の連中もね。
「・・・・どちらにつくか、私が判断を誤った。 潮時なのね、もう。」
「長、言い残すコトはない? アンタのお気に入りのクノイチに伝えてやるヨ?」
「・・・・・あの子を・・・ まだ殺していないの?」
「今はね。 恐ろしい鳥に狙われていますから時間の問題ですが。」
「そう・・・・ 今まで楽しかったわね、そう伝えてくれる?」
「承った。 おれが繋ぎ役だからな。」
人見の里は、任務依頼を受理しただけ。 それを断る事も出来た。 確かにこれは長の判断ミスだ。
三代目は情に厚い忍び。 だけどそれを怒らせたらどうなるか。 こうなる。 人見の里の殲滅だ。
あの人は本当に情に厚いんだよ、だからこう言った。 “全員一緒に逝かせてやるのじゃ、里ごとな”
人見の里の忍びは、全員抹殺。 蜜葉を名乗るクノイチは酉部隊長に身柄を引き渡す。 ・・・ってね。
大陸一の隠れ里の影を狙う、それはどういう結果を招くか。 もっとあなたは考慮すべきだった。
小さい里だから、女だからと、もしかしたら見逃してもらえるかもしれない、そう思ったのかも。
けど女でもクノイチは忍び。 忍びなら、こういう事は予想しなくちゃ駄目だよ? 火影を甘く見たね。
「5個ぐらいでいいかい? ダンゾウのトコに投げ込むヤツ。」
クノイチ達の髪をつかんで入って来たサズサさんが、それはもう嬉しそうにボク達に聞いた。
アズサさんの両手には狩り終わったクノイチの生首。 どうみても7〜8個はあるでしょう、それ。
その姿を見た人見の里の長が、恐ろしい鳥はあの暗部の事なのね、という目をボク達に向けた。
ジワリジワリとカオルさんの氷遁で凍っていた、人見の里の長。 動かぬ体で全てを見せられていた。
盾に使っていた男達、クノイチ達の最後、そして己が里の滅びる様を。 もうあとは首を落とすだけだ。