狼達の晩餐 19   @AB CDE FGH IJK LMN OPQ




「・・・・・・・ルカ、イルカ!  ・・・・・ゴメン、ヤリ過ぎた。」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ んん・・・ 大丈夫・・・ 平気・・・ んん・・・・」
「つい・・・・ ごめんね・・・・・ 血が・・・・ 抑えられなかった・・・・」
「わ・・・・ 見事な歯型ですね・・・・ ほんとだ、血が出てる・・・・」

大丈夫、俺は忍びですよ? 何をされても、どんな事でも耐えられるんです、バッチコイです。
覚えてますか? 始めて戦場で見た時、ピリピリして・・・・ とても人に懐きそうじゃなかった獣達。
なのにそんな暗部が俺の事を心配してくれた。 たかが交戦部隊の一中忍を。 嬉しかったんですよ?

あの時何が何だか分からないままに抱かれました。 とてもじゃないけど体力が持たず気を失って。
目が覚めた時、まだ俺の中に入ったまま。 恥ずかしくて、どうしていいか。 で、泣いたんです。
そしたらふたりが俺の涙をぺろぺろ舐めた。 その時思ったんですよ、あ、狼みたい、って。
そう言えば狼って、唯一情のある獣だ・・・・ そう思ったらね、俺、餌でいいやって開き直りました。


「クスクス、餌でイイの? 喰われる一方だヨ?」
「だって、それでお腹一杯になってくれるなら、他を食べないでしょう?」
「あはは! 他なんて食べません。 ボク達、好き嫌い激しいですから。」
「それにね、餌がないと・・・・・ 狼は死んじゃうでしょう?」
「「・・・・・・・・・・うん、死んじゃう。」」

ほらほら、そんな情けない顔しないで下さい、狼軍団のリーダーでしょう? くすくす・・・・
こんなの舐めときゃ治りますって! アカデミーの研修で、医療忍術研修も入ってるんですよ。
そうだ、試してみようかな・・・・・ お? ・・・・おお?! なんか良い感じじゃないですか?
やった! 大成功!! 子供達は年中怪我だらけだそうです、だからね、医療忍術が・・・・・・

「んん・・・・・・ はぁ・・・・・・ ん・・・ まだ?? します・・・・か?」
「ウン、イルカが欲しいヨ。 眩しいイルカを、また一杯泣かせたい・・・・ ん・・・・」
「ぁ・・・・ それ・・・ は・・・・ ぅぅ・・・ 気持ち・・・ いいか、らで・・・ っ・・・」
「イルカの情が・・・・・ ボク達を人に変える・・・ いっぱい泣いて・・・・ ちゅ・・・・」

人の情を見失いそうになる部隊、そこでこんなにも人である事を忘れない、俺の大切なふたり。
いくらでも。 ここまで強く激しく求められて、人として幸せだ。 こんなに強い情は知らない。
激しくて、熱くて、優しくて。 どうしょうもなく欲しくなる。 一度知ったら、その情に溺れてしまう。
ああ、やっぱり暗部は・・・・ 狼だ。 俺の味だけを覚えて? 必ず、食べに戻ってきて。





「アズサさん!!」
「いつ見ても元気だね、アンタは。 ・・・・それは?」
「あの自害事件から一ヶ月じゃないですか。 だからこれを。」
「櫛?! このアタシにかい?!」

「昨日、町で見つけたんですよ、可愛いでしょう? 蜜蜂が飛んでるんですよ二匹、ほらここに。」
「・・・・あ。 ホントだね。 ってことは、アタシの馬鹿な部下に・・・ かい?」
「一緒に埋めてあげられたらな、って。 アズサさんの気持ちを思うと、どうしても・・・・・」

「・・・・・・フフフ・・・・ どこまでも情のある忍びだね、アンタ。」
「それは暗部の皆さんの事ですよ。 俺は・・・・ 激情を知っています。」
「・・・・ありがとう、これは埋めてやるよ。 きっと喜ぶだろうさ。」
「よかった。 思い出させちゃったかな・・・ とか。 ちょっとだけ思ったりして、ははは。」


「・・・・・・・イルカ。 カカシとテンゾウは、アンタの側で眠るかい?」
「???」
「どんな忍びにも休息は必要だ。 腹一杯食って、熟睡できる相手の側で眠るのが一番いい。」
「はい、その通りです。 俺もそう思いますよ。」

「アイツらを裏切ったら、アタシが一番にイルカ、アンタを殺すからね?」
「くす! 大丈夫です、それだけは自信ありますから。」
「そうかい、それはよかった。 さすがのアタシもアンタを狩ると寝覚が悪いからねぇ。」
「・・・・・・あははは、怖いなぁ、狼の群れのリーダーは。 くすくす!」 




蜜葉のセリフに“ニヤリ”とされた方。 そうです、あの歌です、谷村さんちのデュエット曲!(爆)   聖