誰が道を歩くのか 20
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便利屋で引き受けた普通の仕事から帰ってくると、今日も今日とて暗部の司令塔コンビが家に居る。
シキさんが暗部の元部隊長補佐だというのは、俺は本人から聞いて知っていた。 でもこの二人は違うみたい。
シキさんが引退後、潜入部隊に入って市井に潜っている事を、聞かされてなかったらしいんだ。 だからかも。
あれからちょくちょく、二人が遊びに来るんだよ。 押入れに入ってたり、天井に貼り付いていたり。
多分、気を遣って・・・・ 一般人には見つからない様に工夫してくれているんだと思うけど・・・・ 微妙。
二人とも噂通り恐ろしく強い忍びなのに、なんというか・・・・ 行動がなんとも・・・・ 可愛いらしい。
塩アラレと梅こぶ茶のセットを卓袱台に置いておいたら、お湯を沸かして待っててくれてたりするんだよな。
「ねぇねぇ。 コピー忍者のカカシって・・・・・ どう? かっこイイ??」
「木遁使いのテンゾウって、どうかな。 もうちょっとヒネッタほうが良い?」
「?? 暗部の司令塔ってだけで、充分カッコいいと思いますけど・・・・ ??」
「「ホントに?! そう思う?!」」
今日のお題は、自分達個人の通り名がどう思われているか、を聞きたいらしい。 ただでさえ有名な忍び。
二人とも暗部の司令塔、部隊長と補佐だよ? 黄金コンビだよ? これ以上名を広めてどうする気なんだか。
もう国内外で知れ渡っている、里を代表する忍びなのに。 でもそういう自覚がないみたいなんだよなー。
人差し指を眺めて、俺を見て、また人差し指を眺めて・・・・ きゃー とか言ってんだよ、ちっちゃい声で。
「なあ、カカシ、テンゾウ。 用もないのに巣に来るなよ。 現役暗部の司令塔が。」
「気配は完璧に消してるから大丈夫。 ネ?」
「はい! 見つかる様なヘマはしませんよ。」
「そういう問題じゃないだろ? 泣く子も黙る暗部が・・・・・・・ 借りてきた猫みたいだな?」
「ぷっ! すくすく・・・・・怒るかもしれませんが、本当に・・・・・ なんとも可愛らしいです! くす!」
「「 ・・・・・・・・うん。 凄く・・・・ 可愛い・・・・・・vv 」」
「こらこら、とろけてるぞ? フニャフニャじゃないか。 それで本当に大丈夫か?」
借りてきた猫! うん、あの時のもの凄い緊迫が嘘の様だもんな。 緊張の後、トイレに行っただけだし?
俺が魔幻で見たチャクラの暴走は、現実ではその何倍も凄かったと思うんだ。 なのに壊れた物は何もない。
ハンパなく集中して、全ての術を相殺したんだと分かる。 俺や紅さんやお嬢さんが怪我をしなかったのも。
デロンとだれている猫も、肉球をギュって押すとあり得ない長さの鋭い爪が出てくる。 ・・・そんな感じ??
「バッチリ! ネコはイルカだもんっ! ネーv」
「はい! ボク達はタチだって書いてありました!」
「なんじゃそりゃ。 ・・・・・?? イチャイチャ・・・ ボーイズパラダイス??」
「これを読んで色々勉強しろって、アスマさんがくれたんです! ね、先輩?」
「ウン。 自来也様が特別に、オレ達の為に書きおろしてくれたんだって! 」
「俺は猫じゃないっ! もう!! シキさんのせいですよ?!」
「いや、あの・・・・ イルカ? そういう意味じゃ・・・・・・。」
「「 ・・・・・・・・・・可愛い・・・・・・ 」」
「この際だからハッキリ言わせてもらいます! 可愛いのはお二人ですっっ!!」
「「!!!! イルカ・・・・・・ あの・・・・ それって・・・・・ (まさかの逆告白?!) 」」
「多分、全然違うと思うぞ? おーい、もしもし? (アスマ、紅、本当にコイツら大丈夫か?) 」
こう・・・ モジモジして、チラチラ俺を見る様子が可愛い、とか。 めちゃ強い忍びなのに、どうなの、それ。
猫扱いはムカつくけど、俺ヒーロー大好きなんだよ。 二人はまさに木の葉のヒーローそのものだったから・・・・
その・・・・・ いちいち可愛いらしい仕草が・・・・ う〜! これって・・・・ ギャップ萌えなのか?!
うん、今ならシキさんの気持ちが分かるかも。 だって俺・・・・ 二人の喉をゴロゴロしてみたい・・・・
「「!!!!!!!!」」
「イ、イルカお前、何やって・・・・?!」
「・・・・・ゴロゴロ。 ・・・・・・ハツ!! やっちまった!!」
「「イ・・・ イルカ〜〜〜〜vv」」
うわ! お・・・・・ 重い・・・・・・ さすがに大の男二人の突進はキツイ。 てか。 本当に猫みたいだ。
ちょと、シキさん見てないで、のけて下さいよ。 重いです。 いや、俺が調子に乗っちゃっただけなんですが。
わー スリスリと・・・・・ なんだか・・・・ ほんと、でっかい猫みたいで・・・・ 可愛らしいなぁ!
ナデナデ・・・・・ 思わず頭を撫でちゃったりしちゃったりして! マズイだろ、これ。 可愛すぎるぞっ!!
『なんですかアスマさん、改まって・・・・・ 本??』
『お前らに役立つもんだ。 自来也様を買収して書いてもらった。』
『イチャイチャボーイズパラダイス・・・・? へー。』
『逆デリ上手と呼ばれたおれも、ヤローのことはわからねぇ。 読んで勉強しろ。』
『ありがとう、アスマ!』
『アスマさん、ありがとうございます!』
『おう。 紅とおれは、イルカをお前らの嫁と認めたらな? 頑張れよ?』
『『嫁?! うん! 頑張るーvv』』
『アスマ、紅はタコワサが大好物の酒豪だけど、花が大好きなんだよネー。』
『・・・・・・・・あ? 馬鹿、男が花なんか贈れるか! しかもおれが、だぞ?!』
『でも紅さんは、両手いっぱいの花を持っていったら、きっと喜びますよ?』
『・・・・・・・ぅ。 その、なんだ。 それは・・・・ まあ、最終手段だな・・・・』
アスマが紅に花を買う場面、大好きですv どんなに可愛くても猫は天性のハンターですからね?(爆) 聖