生駒城の家守 20
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う〜ん・・・・ ん?? あれ?! 外?! いつの間に俺、巻物から出してもらってたの??
てか。 見覚えがあるぞ。 ここは俺の、紫様から使わせて頂いてた猿飛イルカ君の部屋じゃないか。
げ。 雲忍に・・・・ 小細工がバレちゃった、とか言う? 布団も、あの時くるまってたヤツだし。
「「おはよう、うみの中忍。」」
「お、おはようございます! あの・・・・・ どうなってるんでしょうか、ヘマしました? 俺。」
「イヤ? 実に見事な妖っぷりだったヨ? さすが潜入員だネ。」
「ダルイさんが我を忘れて、嵐遁を使いそうになるぐらいにね。」
「ああよかった・・・・ じゃぁ、三人は雲隠れに?」
「ええ、妖の死骸を持って帰還しました。 ボク達にお礼を言って。」
「紫様にも報告しといたヨ。 オレ達の前じゃ動揺もしなかったケド。」
「・・・・・・そうでしょうね、あの紫様ですから。」
目に浮かぶ様だ。 彼女の前では、普段見た事もない様な顔で笑っていた。 あれが、素の紫様なら・・・
いつもがどんなにポーカーフェイスなのか、公と私を完璧に使い分けているのか。 見た俺には分かる。
雷から入り込んで来た妖に、彼女が食われたと知っても、火の国の大名としての公の立場を貫いただろう。
火の国から出た被害が少数に留められた事、早期の妖退治に木の葉の暗部と雲の三人を称賛したはず。
俺がのん気にも封印の巻物の中で眠ってる間に、二人が画策した通りに全て上手くいった、という事だ。
ん? じゃぁ、なんでまだ城の中?? 俺、てっきり木の葉の里で出してもらうものだとばかり・・・・。
ははは、自分の足で歩いて帰れ、って事だよな? つい、甘い考えを想像しちゃったよ、へへへ!
「で、紫様に言った訳ですよ。 出来れば一日、恋人と一緒に過ごす時間を下さい、って。」
「・・・・・ あ、俺の事は気にしないでいいです。 はい。 恋人さんの所へ・・・・・」
「オレ達の行く現場の敵情視察に率先して行っちゃうんですヨ、心配症なんで、って。」
「現場って・・・・・ ひょっとして奥処に?! わ! 俺、全然気付かなかった!!」
「バッチリ許可を取ったんです、一緒に一日を過ごす為に。 ボク達は逃がしませんから。」
「どんな言葉で口説き落とそうか、色々考えてたんだけどネ。 抱いちゃった方が早いカラ。」
「・・・・・・・・・・・・・その目は・・・・・・ まさか。」
「「“恋人のイルカが大変お世話になりました”って言っといたvv」」
・・・・・・・・俺、また“まな板の上の鯉”状態に戻った? 四天王と呼ばれてる暗部二人だぞ?
そりゃ、俺も下忍の頃から潜入員やってて、何度もこんな場面に遭遇した事はあるけど。 相手が悪い。
これで逃げられる奴がいたら、多分・・・・ 次の火影になれるよ、五代目に。 俺、ついてっちゃう。
「ほら、ボク達の指を咥えて。 ダルイさんにやったみたいに・・・・」
「んん・・・・ パクッ!」
「舐めたんでショ? 糸引いてたヨ? ホラ・・・・」
「んん・・・・・ レロ・・・・ レロ・・・・ ん・・・・・」
「ハァー あったかい、ココ・・・・・ まいったねぇ。 病みつき。 気持ち良すぎ。」
「うみの中忍、拒絶って言葉、知らないでしょう? どうやっても受け入れる体質だ。」
「ぅぅ・・・・・ はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ この・・・・ スケベどもっ!!」
「フフフ、やったネ、テンゾウ! 念願の“スケベ呼ばわり”だヨーv」
「こんな事したのに? うみの中忍、やっぱり押しに弱い! ふふふv」
「「もう放さないから。 覚悟して。 ちゅ! チュ!」」
「 ・・・・・・・・・・・・はぅ、ん・・・・ は・・・ ぃ・・・ 」
「ンー 素直でヨロシイ。 ジャ、今日は一日中、オレ達と抱き合おうネ?」
「・・・・・・・え゛ ・・・・ま、まだ??」
「ええ、これからが本番です。 おっと! 逃げないでね? 酷くしちゃうよ?」
「・・・・・・・・・ぅっ!」
まあ、これも何かの縁。 普通で考えたら暗部の部隊長二人の情人になるなんて、超玉の輿だ。
第一印象でも、なんか・・・・ むちゃくちゃカッコよかったし、二人とも。 俺にはもったいない。
せいぜい里のくのいち軍団や、花街の遊女集団から、羨ましいぞ視線を浴びるだけだろう。 それだけ。
好きになった人が妖だった、とか。 他里の忍びだった、とか。 そんな鉄壁の障害はないもんな?
「きゃぁ! あー 吃驚した! ヤモリだ・・・・・」
「ああ、最近この衣装部屋によくいるのよ。 可愛いわよねー?」
「ヤモリは城の守り神って・・・・ あそうだ!! 紫様のお目に止まりますように・・・・」
「あ!! ズルイッ!! 私も!! 今日は私を指名してくれますように・・・・」
「なんかね、この前、衣装部屋のヤモリに願掛けしたら、その夜、紫様の夜伽に呼ばれたのv」
「え、本当?! わぁ!! 今日はどこに隠れてるの? ヤモリちゃ〜ん、出ておいで〜vv」
「「なに、なに? ヤモリがどうしたの??」」
「ふふふ、あのね? この前・・・・・・・・」
これは私の中でイルカ受けとは呼びません。 ちゅー 以上じゃないからw ←イルカ受けのマイ定義!(笑) 聖