八人のウチの忍びの首と深月上忍達の額当て。 早く三代目に届けてあげなきゃ。 でショ？
岩忍の首は三代目が持って行くかもネ、岩隠れに。 ま、オレ達の誰かを伴って、だろうケド。
・・・・・とにかく、これでオレ達の任務、巣の清掃は完了。 ・・・・帰還するヨ、テンゾウ。
あのサ。 ちょっと前にも思ったケド。 イルカさん、どこまでもオレ達の裏を行くよネ？
首を洗って待ってろって・・・・ どういう意味だと思う？ まるでチンプンカンプンなんだケド。
あの言葉の意味がやっと分かった。 里に帰還して、報告。 岩隠れに話をつけに行けと言われて。
全てを終わらせて里に戻って来た。 火影室の扉を開けると、信じられないけど中にいたのヨ。
なんでイルカさんが？ そう思った時、机に座っていた三代目に“お願いします！”って叫んだ。
なんと三代目に影分身の術をかてもらい、二人になったイルカさんがそれぞれオレ達に駆けて来た。
もちろん避けようと思ったヨ？ 触れる訳がないじゃない、放せなくなるコトを知ってるから。
なのに三代目がご丁寧にもオレ達の影を踏んだ。 つまり影縛りで動けなくされたの。 そして・・・・
「チョット、イルカさ・・・・ っ、ん・・・・・ んん。」
「俺、任期を終えました。 里在住の内勤を希望しました！」
「んんっ！ なんで、イル・・・ んっっ・・・・ んん。」
「三代目に申告して。 全部、全部受理してもらいました！」
「ほほほほ。 熱烈キス歓迎じゃのぉ、イルカや。」
「当然ですよ！ 俺の情人なんですから。」
「ナニ言ってんの・・・・ そんなの・・・・ んん・・・・・」
「俺達は私生活でのスリーマンセルです。」
「私生活のって・・・・ イルカさん・・・・ っ、んん・・・」
イルカさんが首を洗って待ってろ、と言ったのは。 こういう意味だった。 里で家族になろう、って。
夫達が戻らない時、何かおかしいと思った奥さん達のように。 自分も里でオレ達を待っていたいと。
オレ達にナニかあった時、自分が一番に気づきたいから、らしい。 押し掛け女房なんだって。
オレ達の求めてるのが自分だと分かって、最高に感激したそうだ。 信じられないほど嬉しいと。
自信過剰のストーカー野郎だと思われてもいいです！ そう言って三代目を説得したそうだ。
任務から帰ってきた時、一番に抱きしめてあげたい、だからオレ達の私生活を自分に下さい、って。
「オレ達は・・・・ ん。 愛を求めちゃいけない・・・・ んだヨ・・・・ んん。」
「・・・・ンチュ！ ・・・・どうしてです？」
「だってボク達は暗部だから・・・ んん・・・ 欲しい愛は罰として 求めない・・・・ ん！」
「・・・ちゅ！ そんな事だろうと思いましたよ。」
「どれ、ワシは小一時間ほど、暇を潰してくるとしよう。 ほほほほ！」
「「え、ちょっと！ 三代目！！ んん・・・・」」
「ほほほほ。 イルカや、術の効果は一時間じゃからの。 説得するんじゃぞ？」
「「了解です、三代目！ いってらっっしゃい！」」
「カカシ、テンゾウ。 多分、イルカからは・・・・ 逃げられんぞ？ ほほほほ！」
「「・・・・・・・・・。」」
三代目の出て行った火影室。 二人のイルカさんのお説教が始まった。 まさか怒られるとは、ネ？
曰く。 それでプラスマイナスゼロだという考えは、如何なものかと。 忍びは、特に暗部は。
殺しも任務に含まれる自分達に、許しなんて必要ないんです。 無理やりチャラにしなくていい。
人を殺した数だけ恨まれなさい。 そこをナシにしては絶対に駄目だ。 ずっとマイナスでいい。
愛する事が罪ならば、ずっと罪を犯しつづけてればいいんです。 一緒に恨まれますよ、俺も。
その人殺しを愛してますからね、求めないというなら俺が勝手に愛しますが。 文句あります？ だってサ。
里にいて、帰ってきたら抱きしめてくれるんだって。 誰を何人殺したか聞いてくれるらしい。
そんで巣の清掃任務の時の様に・・・・ 逝った者達の言葉を代弁してくれるんだって。
そんな殺し文句をズケズケと一時間弱、言われ続けた。 優しキスを何度も繰り返し受けながら。
前も思ったケド。 イルカさんって、結構・・・・・ いや、オレよりも辛辣なんじゃないの？
愛してくれるんだって。 オレ達を。 あの優しい涙がネ、またイルカさんの目に溜まってた。
ねぇ、テンゾウ。 ダメだヨ、もうギブアップ。 ・・・・・これで堕ちない男がいたら、クソだネ？
面を持ち上げた時といい。 人が術で縛られてるのをいいコトに、好き勝手してくれちゃって。
「イルカさん、あのサ。 オレ達の体が動いたら・・・・ 覚悟してなヨ？」
「言っときますけど。 ボク達の罪は重いですからね、離しませんから。」
「「・・・・・・・・望むところです。」」
言ったネ？ もう撤回はさせないヨ？ 声が出なくなるぐらい、何度もオレ達の名を叫ばせてやるカラ。
「夢やさん、岩の忍びに脅されてたらしいわよ？」
「えー じゃあ、木の葉の忍びの情報を流したの？！」
「暗殺部隊がね、皆殺しにしたんだって。 店の従業員も全員。」
「・・・・まあ、当然かな。 土の国に木の葉の忍びを売ったんだから。」
「たまたま配達に行った、かない酒店の配達員も殺されちゃったんだって。」
「うわー ついてないなぁ、そんな時に配達に行ったなんて・・・・」
「木の葉の暗部だもん。 ・・・・見逃してもらえるわけないわよ。」
「そうだよな・・・・・ 運が悪いなぁ、可哀そうに。」
深月上忍のイメージは【ジャスティス】のブルース・ウィルス扮する中尉です。 ←趣味丸出し！(笑) 聖